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2018/09/21

関根を中心にした京都支店全営業を動員してのヒアリングが開始された。

120ヶ所の宇治市役所の全出先に2週間の間で、ヤマトビジネスマシンの京都支店全営業がヒアリングシートを手に訪問し、無線システムの状況をヒアリングする。

連日、関根の手元にヒアリングシートが上がってくる。支店のエリア営業マン達は、積極的に協力してくれ、10日後には、全出先のヒアリングが完了した。

ヒアリング結果は、関根自身が行ったテストヒアリングと同様の結果だった。

関根は、この結果をまとめて、大阪の関西支社の営業サポート担当者の秋田さんに送った。通常の単一商品とは違うシステム絡みの案件となることが読めたからだ。

秋田さんからは、2日後には返答が帰ってきた。ヤマトビジネスマシンでファクシミリや通信関連の商品の開発・製造を行っている埼玉工場に問い合わせしてくれていたのだ。

秋田さんからは、以下のような案が提示された。

宇治市役所の公害対策課に設置されているメインの無線機にセンサーを取り付けて、何段階かある光化学スモッグ警報をセンサーとPCで処理して、全出先にファクシミリ一斉同報する。出先では、通常のファクシミリではなく今秋発売予定の小型デジタル複合機(コピー・ファクシミリ・プリンターの複合タイプ)で光化学スモッグ警報を受ける。ざっとこのような内容だ。

これだと、各出先の要望はほぼ満たすことができる。しかもコスト的には、新型無線機と同等レベルに収まる。さらに、主な競合先から、ヤマトビジネスマシンの小型デジタル複合機ほどの省スペースの小型機は当面発売される気配はない。うまくいけばヤマトビジネスマシンしかできない仕様ということで入札も回避できる。一見完璧な提案だ。

しかし、デジタル複合機と単体ファクシミリでは、コストが大きく違う。新型無線機と同等レベルのコストとは言え、公害対策課や調達課がこの仕様で受け入れてくれかは不透明だ。また、光化学スモッグ警報を受け取るセンサーユニットのハードウェアと光化学スモッグ警報をPCで処理するソフトウェアの開発費がかかる。

関根としては、このまますぐ公害対策課に提案するのはためらわれた。このような時は、まず企画課の館林係長に話して見たくなる。関根は翌日、館林係長にアポをとって、相談に出向いた。

館林係長にシステム概要図を見せて説明すると、あっさりと「とても良い案だと思いますよ」と言ってくれた。

「本当ですか。でも現場のニーズとは言え、複合機を全出先に入れることは抵抗感ないですかね」。

「表向きは、そう見えるけど、このような理由付がないと各出先に複合機のような最新機器が入ることはないんだよね。出先の職場環境を良くするって、結局は、住民サービス向上につながるのだけど、役所の建前でいうと優先順位が下がるわけさ。だからこのような機会でもないと、後回しにされてしまうわけだ。宇治市役所の未来を考えると、良い機会だと思うな」。

「なるほど。そうなんですか。なんか後押ししていただいた感じです」。

「関根さん、今私が行ったことは、公式の場では言わない方がいいぞ。役所の建前が出てくるからな」。

「はい、気をつけます。まずは概要提案書を作成して公害対策課に説明してきます」

このようなやり取りを経て、関根は、秋田さんと支店にいるSEに手伝ってもらい、概要提案書の作成に取り掛かった。

 

著作:渡邊茂一郎

その5 「提案」へ続く

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