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2018/02/04

ちょうど1週間後に関根はやってきた。
中井の関根に対する見方は、前週の訪問で大きく変わっていた。関根の協力も得て、自分が担当している購買経費削減を前向きに乗り越えていく気持ちになったのだ。
挨拶が終わると、中井の方が積極的に話し出した。「前回の御社の小川さんからのアドバイスはとても役立ちました。実は、あの後、当社の色見本やカタログを印刷している印刷会社の営業と会いまして、教えていただいた考え方で話してみました。そうしたら、業者さんからアイディアが色々と出てきまして、今その具現化に向けて一緒にプロジェクトを進めていくことになりましたよ」
「それは良かったです。中井課長、さすがの行動力ですね」と関根が返すと、「でも、こちらもただ頼むだけではなくて、業者さんの仕事の進め方を勉強しなくてはならないですね」と中井は答えた。中井の外部との交渉力は、一段視座が上がった様に関根には見えた。
「では、今日の本題でした当社のファクシミリ通信業務について、お話をお聞きしましょうか」と中井が促すと、関根からの事例紹介が始まった。なんと京都の友禅染業界での事例だった。
「私、昨年御社から解約された時に、コピー機だけじゃお客様の業務に貢献できる範囲が狭すぎると痛感しました。ちょうどそのタイミングで、弊社から他社とは違うタイプのファクシミリも発売されましたので、友禅業界での本社工場と地方にある工場との図柄や指示書などのやりとりを勉強してみました。まずは書籍で調べ、次に弊社のユーザー様に行って教えていただきました。友禅染業界では、かなり頻繁に図柄や指示書をファクシミリでやりとりしているのですね」
「そうですね。かなりの通信費がかかっていますね。詳細は分かりませんが・・・」
「御社の場合は、京都の本社と島根と高知の工場とのやりとりが中心でしょうか」
「そうだと思います」
「そうしますと、かなりの通信費削減の可能性が出てきます。こちらの資料をご覧ください。社名や詳細の内容は、伏せてありますが、同業他社の事例です」と言って関根はファクシミリ通信費削減の資料を説明し始めた。
当時は、長距離の電話は、電電公社の独占事業だったせいで、かなり単価が高く、通信機能が劣るファクシミリを使用している企業は、多額の通信費を支払っていたのだった。
一通り説明が終わると中井が「そうだったんですね。当社はどうかな。一度調べてみたいですね」と感想を漏らした。
「一度、製造部門やデザイン部門の方からお話を聞く機会をいただけませんでしょうか」と関根が依頼すると、「こちらは、人事総務課の若手社員が取り組んでいます。まずはそのメンバーに一度、会ってみますか」と中井から返ってきた。
「それはありがたいです」
「今、空いていたら、ここに来てもらいましょうか。ちょっと待ってください」と中井は言って、社内電話をかけ始めた。
「あ、新庄君、今少し時間取れるかな。実は、今ヤマトビジネスマシンの方に会っているんだけど、君に進めてもらっている製造部門での経費削減に関連する事例を紹介してもらっているんだ。あっそう、じゃ待っているからね」
「30分くらいでしたら大丈夫みたいです」
新庄は、すぐやって来た。関根は、改めて友禅業界におけるファクシミリ通信費削減の事例を2人に紹介した。事例紹介があらかた終わると、早速新庄が興奮気味に話出した。
「これ面白いですね。今まで本社内のやりとりばかり見ていましたが、外の工場とのやりとりに目を向けると経費削減の種が見えて来ますね。中井課長、ヤマトさんと一緒に取り組ませていただいても構いませんか」
「もちろんだ。いい機会だから、関根さんから色々と教わって来い」
「教えるなんてとんでもありません。でも新庄さんと一緒に取り組めるなんて、私こそ光栄です」
この後、新庄と関根はタッグを組んで、ファクシミリ通信費削減の動きを加速していった。

著作:渡邊茂一郎

その7 「報告」に続く

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