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2019/11/04

ラグビー日本代表の奮闘
~ NHK『密着500日~快進撃の舞台裏』を観て ~

決勝トーナメント前にリーチマイケルが言った。

「先週まで南アフリカを見ていると強敵だと感じとても怖かった。しかし、今は勝つための戦術を考え、勝利へ向けたシナリオができているからワクワクしている」

 

今回のラグビー日本代表の奮闘は、ビジネス、特に営業活動にとっても非常に参考になることが多かったので、感じたことを書いてみた。

 

ラグビー日本代表は、巨人のような強豪に対し、臆することなく、いや、自らを奮い立たせ、果敢に向き合っていく姿勢が我々の心を打ったのだと思う。これは、私たち営業の世界でも同じだ。新規のお客様でかつ経営幹部の方とお会いする初回面談などは、貴重な時間をもらうことの重要性を知っているものであれば、誰もが足が震えるほど不安になることがある。しかしその気持ちに打ち勝ち、乗り越えた時には大きな果実が得られることは証明されている。大事なのはしっかり準備して、勇気を出して踏み込む、第一歩だ。

 

選手たちには、自分たちが思い通りのプレーができているという自信が持てている。今まで自分たちがやってきたことは間違いじゃなかった、やるべきことをやれば必ず勝つという自信だ。仲間、コーチ陣、やってきたこと、そしてゲームプランについて全員が信頼している。

 

選手たちは、どのように進化をとげたのか。

前大会ワールドカップでは、強豪の南アフリカを破った。

エディ・ジョーンズヘッドコーチは、手堅いプレーを重ね、着実に前進を図る、愚直ともいえるラグビーを選手たちへ課した。しかし、攻撃のバリエーションが少なく、いったん見切られるともろかった。その後、強豪スコットランドに大敗し、目標のベスト8を逃した。

 

変わってジェイミー・ジョセフヘッドコーチが就任。

かつて自身がプレーしたオールブラックスの戦い方を植え付けようとした。一人ひとりが瞬時に判断を下し、お互いの意思を共有するスタイル。変幻自在に攻撃を組み立てる。

これまで手堅いプレーに慣れ親しんだ選手たちに新たに高度なプレーを求め始めた。

守備の隙を突いて繰り出すキックを多用する。これは、持久力に自信がある日本チームが相手を疲れさせて攻めていくための技だ。さらにタックルを受けながらでも相手にパスすることができるオフロードパス。

どちらも高度なスキルと意思疎通が必要なため、エディ時代には禁止されていたプレーだ。

 

もっとも重要なことは一人ひとりが的確な判断を下すこと。

世界の強豪に勝つにはリスクをとらなければならない。ジェイミーは、「ミスを恐れることこそがミスなのだ。」と言った。

 

このチームづくりの進化は、私たち営業の育成にも貴重な示唆を与えてくれている。

まずは基本スキルを徹底して身に着けること。ここはある程度強制力を持たせてでも徹底して反復し、身体に刷り込む。基本動作ができれば、今度は現場の変化や状況に合わせ、効果的に動くことが大切になってくる。私は30年以上、営業一本でやってきた。今日でも毎日お会いするお客様は、一人ひとり全く違う背景やニーズを持っており、その状況やご要望に丁寧に対応しなければ、成果にはつながらない。

やはり通り一辺倒ではだめなのだ。お客さまを分析し、取り巻く環境や置かれている状況などを理解し、そこから生まれる課題やニーズを察知して、適切な行動を速やかに起こすことが成否を分けるのだ。
営業のチームづくりを行うことにも通じるものがあると感じた。

 

現実は自由にプレーすることに慣れていない日本選手が、あたらしい戦い方を求められたチームに変わることに苦労して負け続けた。

・2016年 対アルゼンチン戦(日本20₋54アルゼンチン)

・2017年 対アイルランド戦(日本22-50アイルランド)

・2017年 対オーストラリア戦(日本30-63オーストラリア)

 

しかし、2018年11月イングランドとの一戦で変化の兆しが表れ始めた。

イングランド戦でキックを試した。さらにオフロードパスを繰り出した。守備の乱れを突き、相手を抜き去った。選手たちの変化が感じられた瞬間だった。

グランドに立つのは選手であってコーチではない。

試合中、リーダーシップを発揮し、正しい判断をくだすのは選手たちだという信念をジェイミーはもっていた。リーチはじめ選手たちもこの時に自分たちの成長を実感した。

何かにチャレンジして、今までとは異なる反応を実感する。これも、営業の世界では“一皮むける瞬間”として、よく言われることである。

 

そんな矢先・・・リーチがケガをして離脱を余儀なくされた。

自分がいないチームを誰かが引っ張っていってほしい・・。そんな思いからリーチは、自分がいない間、田村優にチームを引っ張っていってほしいと頼んだ。

これは、営業マネジャーのプレイング比率が高まる昨今で、いかにマネジャーが意識してNo.2を育てていくかが大事である、という考えからもリーチのふるまいは素晴らしいと思う。

 

しかし、田村はリーダーというものは自分の性分に合わないと思っていた。

そういう田村に変化が起きた。

全体練習の後に居残り練習をし、自らタックル練習をはじめたのだ。味方のために体を張るプレーだ。これまで積極的に練習に励む姿はあまり見られなかったが、意識が変わってきた。

ジェイミー流のラグビーを誰よりも深く理解しようとして、プレーの詳細や日々気づいたことを細かく書き記したノートを持ち歩くようになった。ノートには「CONNECT(つながる)」と目立つように書かれている。

 

田村は自分から皆とつながろうと考え始めていた。

かつては自分からは発言しない田村だったが、いまはチームメンバーに働きかけを始めた。すると、だんだんとチーム全体に互いの意思を共有しようという姿勢が浸透し始めた。

 

その中で積極的に動き始めた一人がフォワードの稲垣啓太だった。

体重で日本を上回る強豪に対して、日本は8人が一体となって押し込む必要がある。腕の組み方や頭の角度などを1cm単位で修正していく。グランドを離れても選手同士がスクラムについて率直に話しあうムードがでてきた。

 

選手同士で指摘し合う良いムードができあがってきた中で、リーチが4カ月ぶりに復帰してきた。チーム一人ひとりの意思をもっと深い部分で共有したいというリーチ。

チームメンバーで15人を占める外国人選手に対して、積極的に外国文化を取り入れ発展を遂げてきた日本文化について紹介し始めたのだ。

全員が日本のために戦っている。そのためには互いの価値を認め合うべきだ。

家族のようになるにはたやすいことではない。世界のトップチームに勝つためには固く団結するしかないのだ。

 

世界で最も厳しいと選手たちが語る合宿は8カ月(年間の3分の2)に及んだ。そして、その過酷な時間を共に乗り越えてきた。

 

ラグビーワールドカップ開幕。

アイルランド戦前のジェイミーの言葉「いままでどれだけハードワークを行ってきたか、そしてどれだけ犠牲をはらってここまできたか知らない。やるべきことはわかっている。お互いを信頼し、信じている仲間がいる。Let’s Go!」

 

前半トライはなかったものの、田村のキックで得点を重ね、3点差で終了。

ハーフタイムのロッカールーム。リーチが全員を鼓舞する。「みんなすごくいい。よくやっている。押し合っている。ここは我慢、我慢。いつか相手の心が折れるから、その時スイッチを入れて一気に巻き返すぞ」

最後に田村が声を上げた。「いい試合で終わらせるな。相手を打ちのめすぞ!」

これがよくある営業会議だと、「なぜできないんだ!」とメンバーを責め立てるものである。

 

そして後半の40分。予め準備していたゲームプランとは異なった行動をとり始めた。

キックは極力排除し、ボールを保持し続ける戦略をとった。それは、アイルランドの状況を見て、選手たちが決めたプランだった。ゲームプランを変えるだけのスキルを身に着けた日本選手の4年間の積み上げがあったからこその戦略転換だった。

 

疲れが見えてきたアイルランドに対し、ALL JAPANは次第に攻勢を強めた。

後半18分、スクラムから相手の隙を突き、一気に攻勢を強め、見事に日本がトライを決めた!
現場での適切な判断と互いに信じあう仲間との連携プレーが実を結んだ瞬間であった。

 

信じ合う仲間と連携・・その言葉は巷にあふれている。しかし真にそれを実現することは難しい。

私はその神髄はメンバー同士の献身的姿勢が根本にあるような気がする。他者のために自分を犠牲にして何が皆のために貢献できるかを考え行動する。その気持ちが伝播して、他のメンバーも同様に自分はチームのために何ができるかを考えるようになり、チームに一体感が生まれる。

ALL JAPANは、全メンバーが自分を犠牲にしてでもチームへ貢献しようとする利他の心を大切にしたチームだからこそ生まれた一体感ではないかと思う。

 

「信じる」「つながる」「ONE TEAM」ということを正真正銘、体現した素晴らしいチームであった。

その頂へ立つためには、4年間の長い積み上げと過酷な練習、家族よりも長い時間を過ごした合宿など、言葉では語り尽くせないほどの犠牲の上に見えてきた頂ではないかと思う。

 

たゆまぬ成長を遂げ、日本人のみならず多くのファンを魅了し、熱狂させてきたALL JAPANの選手たちに月並みではあるが、心から感謝と同時に、ALL JAPANが強くなったポイントをあらためて整理したい。

 

❶目標

「ベスト8になる」という目標が明確だった。その決意は揺らぐことなく、全員が信念をもち共有していた。

 

❷ハードワーク

屈強な選手たちが途中で投げ出したいと思ったほど、どこよりもハードなトレーニングを積んできたという自信。持久力やスキル向上を確実にやり遂げてきたということが自信につながっている。

 

❸誰もがリーダーシップを発揮

それぞれが自分の役割を理解し、戦う現場の各局面でリーダーシップを発揮してチーム一丸へ貢献している。

 

❹信頼関係(ONE TEAM)

チーム活動では自分で考え行動を起こし成果につなげるためには意思疎通が欠かせない。一瞬の動きの中で円滑な意思疎通を行うためには、お互いを信じ合い、信頼感を持つことが前提にある。それぞれが自分の役割でどうチームに貢献できるか、全員が献身的に考えて行動してきたからこそのONE TEAMではないか。

 

皆さんはどう思いますか?

 

(ゴン)

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