お客様導入事例
Usercase
営業人材の“成熟度”に応じた育成体系を構築
~再現性のある営業力強化を目指し、自走型組織への第一歩~
ソレキア株式会社
(以下2024年策定当時担当者様ご所属先)
鈴木 正人様(執行役員 デジタルソリューション事業グループ長)
小林 康彦様(人事部長 兼 コーポレートサービス部長)
中嶋 季行様(事業推進部長代理 兼 ビジネス推進部長)
能勢 敦士様(事業推進部 チーフ)
1958年9月設立のソレキア株式会社様(以下、ソレキア株式会社)は、ICTソリューションを通じて多種多様な業種・業態の顧客課題を解決する技術商社です。富士通のパートナー企業として、長年にわたってITインフラ、ネットワーク、セキュリティ、クラウドなど幅広い領域で顧客企業を支援。官公庁や医療機関、民間企業などに対して、単なるプロダクトの提供ではなく、課題解決を軸とした提案型の営業スタイルを強みに成長を続けています。
~ 再現性のある営業力の底上げへ。属人化からの脱却に向けた一手 ~

鈴木正人様(執行役員 デジタルソリューション事業グループ長)
─ 今回のプロジェクトを立ち上げた背景について教えてください。
近年、お客様のニーズはますます多様化し、営業が担うべき役割も高度化しています。特に私たちのように、IT領域の進化とともにお客様の課題も複雑化していく業界では、「個人の経験と勘」だけに頼った営業スタイルでは限界があると感じていました。
ここ数年、ありがたいことに案件数は順調に増え続け、業績自体も堅調に推移しています。しかし、その一方で営業の多くが“引き合い対応型”となり、自ら価値を提案するよりも、お客様からの要望に応じるスタイルに偏りがちでした。これからを見据えると、より能動的にお客様と価値を共有し、課題を先回りして提案できるような営業力が不可欠になると考えています。
現場で成果を出している人がいても、その成功の背景がブラックボックス化している。属人的な力に頼らず、組織として安定的に成果を出せるようにするには、「何を育てるのか」「どう育てるのか」を明確にしなければならない──そんな危機感が出発点でした。
実はこれまでも社内で3年ほど取り組んできたのですが、体系化には至りませんでした。「作って終わり」ではなく、「現場が活用できる」育成の仕組みにするために、外部の視点と実行力を持つシェルパワークスさんに支援を依頼しました。

小林康彦様(人事部長)
営業力の強化は、当社にとって最重要テーマのひとつです。ただ、それを単に“営業部門の課題”としてとらえるのではなく、「会社としてどう人を育てていくか」という観点でとらえる必要があると、私は常々感じていました。
今回のプロジェクトでは、営業現場が主導しながらも、人事としても一貫して並走し、「どのような力が求められているのか」「その力をどう伸ばすのか」という視点を持ち続けました。属人的だった営業育成が、組織としての“戦略”に変わっていく過程に関われたことは、我々にとっても非常に価値のある経験でした。
~ 成果を出している人の「行動の型」を言語化する ~

中嶋 季行様(ビジネス推進部長)
─ プロジェクトではまず、どんなことから着手されたのですか?
第一ステップでは、営業活動全体のプロセス設計から着手しました。これまで当社の営業スタイルは、それぞれが経験と勘に基づいて動く“無手勝流”とも言えるもので、一定の自由度と柔軟性はある反面、共通の型や言語が存在しない状態でもありました。成果が出ている人がなぜ結果を出せているのか、逆に成果が伸び悩んでいる人がどこでつまずいているのかが、組織としては捉えにくいという課題があったのです。
そこで私たちは、営業という仕事を「成果に至るプロセスの連なり」として捉え直し、プロセスごとに必要な行動や判断を整理することにしました。
シェルパワークスさんと共に行ったのは、営業活動における「成果につながる行動」の見える化です。まずプロジェクトメンバーでフェーズごとの営業プロセスを分解し、それぞれの段階で本当に重要な行動(KSF)とは何かを洗い出していきました。
その上で、全社アンケートを通じて、日々の営業活動において各メンバーがその行動をどの程度実践しているかを可視化。特に成果を上げているメンバーの行動傾向に着目し、実行度合いとの相関を分析することで、私たちの営業組織にとって“成果を生む型”とは何かをデータに基づいて浮き彫りにしていきました。

この一連の取り組みにより、従来は感覚に頼っていた「なんとなくできている人の動き」が、
再現可能な“行動の型”として整理され、チーム全体で共有できるようになったのです。

能勢 敦士様(ビジネス推進部 担当)
印象的だったのは、ハイパフォーマーの行動には「事前準備の精度」「課題仮説の構築力」「面談のシナリオ構成」など、非常に細かい思考と意図があることが見えた点です。
たとえば、商談前にどこまで相手の組織構造や課題背景を読み取っているか、どの順番で何を伝えるかをどう設計しているかなど、表面的には見えづらい“思考の仕込み”が、成果の差を生み出していると実感しました。
つまり、ただ数字を追って行動量を増やすのではなく、“成果を出すための構え方”そのものが違っていたのです。営業という仕事が、実は非常に知的で戦略的な職種であることをあらためて感じましたし、それをきちんと可視化できたことには非常に大きな意味があったと思います。

それらの特徴を、営業の各フェーズにどう活かすかを考えながら、必要な行動と能力を整理していったことで、私たち自身も「営業とは何か」をあらためて見直す機会になりました。
~ 育成に迷わない仕組み。営業マネジメントが変わる ~
─ その後、成熟度モデルや育成体系の構築に進んでいきましたね。
中嶋様
営業スキルをレベル感で捉え、5段階の成熟度ラダー(段階的な成長指標)として定義したのですが、ここでは「能力がある」だけではなく、「再現性・自律性・周囲への影響力」といった観点を意識しました。
そして、それぞれの成熟段階において「どんな力を伸ばすべきか」「どんなトレーニングや支援が必要か」を整理した育成マップを作成。これにより、「その人に合わせた育成」が可能になり、マネジメント側も育成に迷わなくなります。
能勢様
実際、営業ルーブリック(行動評価基準)を見れば、「この部下はどの成熟度にいて、何を伸ばせばいいか」がすぐわかるようになりました。属人的な指導や評価ではなく、組織として一貫した育成・マネジメントが可能になるのは非常に大きな価値です。
~ 「自分たちでつくった」からこその納得感と浸透力 ~
─ 取り組み全体を通じて印象に残っていることはありますか?
中嶋様
全10回のワークショップで、毎回かなりの時間をかけてディスカッションしました。単に知識を詰め込む場ではなく、現場の課題を持ち寄りながら、それぞれの意見を確認し合い、一緒に設計していく時間でした。
シェルパワークスさんのファシリテーションが絶妙で、押しつけるのではなく、我々の中から“答え”を引き出してくれる。だからこそ、完成したものにも納得感があり、誰もが「自分たちで作った仕組み」として受け入れられたのだと思います。
能勢様
中でも印象に残っているのは、「熱量」です。回を追うごとに議論が深まり、発言するメンバーも増えていきました。育成体系を作るプロジェクトでありながら、「営業とは何か」をみんなで問い直す場にもなっていたと思います。
~ 育成はこれからが本番。現場で“生きる仕組み”へ ~
─ 実際に、この仕組みを活用し始めていると伺いました。
鈴木様
4月から、今回構築した育成体系をもとに、営業部門全体での実践フェーズに移行しています。「仕組みをつくること」自体が目的ではなく、“それを活用して人を育てていく段階”へと進化しています。現在は、成熟度モデルを基盤に、営業人材の行動特性を可視化しながら、階層別ではなく成熟度別の育成プログラムとして運用を進めています。
実際の運用を通じて、より高いレベルでお客様の課題解決や価値創出に貢献するためには、顧客の事業理解を深め、関係部門を横断して最適な提案を行う力が重要であると再認識しました。
その気づきを踏まえ、まずはお客様の状況を正確に捉え、課題を共に整理し、最適な解決策を導き出すための対話力や提案構想力など、営業の基盤となるスキルを磨いています。
そして、成熟度が高まるにつれて、より大切なお客様に対して提供価値を最大化するためのアカウントプラン設計力やソリューション提案力の強化にも取り組んでいます。
これらの取り組みを通じて、ソレキア株式会社としてお客様の意思決定を支援し、顧客企業の事業成長に寄与できるよう、営業活動全体を進化させています。

幸いなことに、今回のプロジェクトを通じて「自分たちの営業を変えたい」という空気が生まれています。この機運を活かし、育成体系を“生きた仕組み”として定着させ、実践の中でさらなる成長につなげていきたいと考えています。
小林様
営業育成体系の運用が始まったことで、「育成を仕組み化する」段階から、「仕組みを通じて現場を変える」フェーズへと確実に進んでいることを私も実感しています。今回得られた枠組みは営業組織だけでなく、他部門の育成やマネジメント開発にも活かせるはずです。
人が成長し、組織が変わる。そうした連鎖を社内に生み出していくことが、私たち人事の使命だと思っています。今後も全社的な人材戦略として、この取り組みを広げていきたいと考えています。
~ まとめ:終わりではなく、ここからが“本当のスタート” ~
本プロジェクトを通じてソレキア株式会社様が築いたのは、営業人材の育成体系という“仕組み”だけではありません。それは、営業という仕事に向き合う姿勢や、一人ひとりが成長しようとする“心の構え”を組織全体で共有する機会でもありました。
営業として自分の言葉に責任を持ち、説得力と影響力を備え、相手に届く提案をする──。それは泥臭くも人間味に溢れた営みであり、だからこそ輝く瞬間がある。ソレキア株式会社様が目指しているのは、そうした営業の本質を組織として体現していくことなのだと、私たちも実感しました。
「これが終わりの始まり」。この育成体系をベースに、さらに自走力ある営業組織へ──。これからの挑戦にも、私たちは引き続き伴走してまいります。
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