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2016/09/04
この後、研修では営業スキルを集中的に学んだ。ヤマトビジネスマシンが研修で教える営業スキルは科学的・分析的だった。法人(企業・官庁・各種団体)への営業は、何度も訪問して、合意を積み重ねていく活動を進めていく。個人への営業に比べて、初回訪問から受注まで長くかかることも多い。ヤマトビジネスマシンでは、営業活動を7つのステップに分け定義している。それぞれのステップで最適な進め方を、この研修ではケーススタディを通じて学んでいく。7つのステップは次のようになる。
1. 事前準備、2.アプローチ(関係構築)、3.サーベイ(調査)、4.提案、5.デモンストレーション、6.受注・契約、7.アフターフォロー
「1.事前準備」は読んだ通り、訪問前準備だ。資料、カタログ、名刺などを用意する。「2.アプローチ」は、初回訪問からお客様と信頼関係を構築していくステップだ。このステップでは、ヤマトビジネスマシンのようなブランドイメージの高い企業の営業は比較的有利だ。企業人ならヤマトビジネスマシンの名前を知らない人はいないからだ。何度かの訪問を経て、信頼関係ができてくると、いよいよ「3.サーベイ」だ。サーベイとは、全体を大きく捉えて調査するという意味だ。お客様と対話する中で、困りごとを漏れなく聞き出し、問題を深堀しながら一緒に解決策を考えるステップだ。
この後は「4.提案」となる。お客様の困りごとを自社のコピー機でいかに解決できるかについてわかりやすく提案書に整理して、導入を促すステップだ。コピー機の機能ではなく、お客様の効用を訴えることが大切だ。
「5.デモンストレーション」は、実際にコピー機を使ってもらい、提案書通りの効用となることに納得してもらうことだ。一種の機能と効用の検証活動でもある。
ここまで来ると、いよいよ「6.受注・契約」となる。価格などの条件面を納得いただき、契約書に捺印していただく。
最後は「7.アフターフォロー」、コピー機を導入いただいたお客様に使用方法を説明して、提案通りの効果を上げてもらう。保守点検や故障対応もここに含まれる。
研修では、上記のような営業ステップだけでなく、ヤマトビジネスマシンの営業としての誇りも叩き込まれた。教えてくれるのは、トップセールスだったトレーナー(ヤマトビジネスマシンでは講師のことをトレーナーと呼んだ)ばかり。自信満々で、話もうまいし、かっこいい。関根は自分のクラス担当のトレーナーに憧れた。辛い実習ではしょぼくれていたが、研修自体は洗練されて、関根から見たヤマトビジネスマシンは輝いていた。
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著作:渡邊茂一郎