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2017/03/06

次の訪問先は隣町なので、車で30分程かかる。関根は、山本チェーン京都工場での商談の進め方を振り返った。
「横山、今の商談だけど、とても興味深かったよ。俺は今まで新規開拓が中心で、アプローチしてなんとかお客様の懐に飛び込むことに注力してやってきたけど、いざ競争になったら、マシンの性能を比較・紹介することばかりしていたよ。さっきの横山のトークには驚いたよ」
「関根にそう言って貰えると嬉しいよ。俺も始めは、よく競合負けしてな。価格差が大きいとどうしても苦しいよな。でも、そのうち価格差にはなんらかの意味があるのかもしれないと考え出したんだ。それで、うちの関西支社の営業推進部に電話して聞いてみたんだ。営業推進部はこんな質問は初めてだったみたいだけど、一生懸命調べてくれて回答してくれたのが、さっきの話さ」
「そうだったんだ。営業推進部をうまく活用したな。いつも営業推進部から資料やデータの提出を依頼されるけど、こっちから問い合わせるなんて考えてもみなかったよ。ところで、内容もそうだけど、もっと驚いたのは、横山の『次回京都OAさんが来られたら・・・』と言ったくだりだよ。俺は今まで『競合がこんな風に言ってきますよ』なんてトークは使ったことがなかったからな」
「あれは一種の布石だよ。さっき打った『次回京都OAさんが来られたら・・・』の布石が次の訪問までにどう出るか、楽しみでもあるだろう」
横山はこの後、決定的な言葉を発した。「俺は、営業はゲームだと思うんだ。商談が検討段階に入ると、こちらと競合の間をお客さんが揺れ動いているように見えるんだ。競合から話を聞いて、向こうにグッと傾く。こちらが商談してまたグッと引き戻す。これを繰り返しながら、最後はこちらの側に立ってもらうようにする。なんかロールプレイングゲームみたいだろ。そのためにはお客様に対してもそうだけど、自分が競合だったらどう対応してくるかということを予測することが大切だな」
「そんな風に考えていなかったなー」横山の言葉に関根は考え込んだ。頭の中で、「営業はゲームだ」がぐるぐる回りっていた。この言葉は関根にとって新鮮な驚きだったのだ。今まで仕事をゲームのように考えたことなんてなかったのだから。関根にとっての仕事は、歯を食いしばってやる辛いものだったのだ。「ゲームみたいに楽しんじゃっていいの」。なんか不思議な気分だった。
横山の話は続いた。「俺たちは、結構面白いゲームを真剣にやって楽しみながら、給料をもらっているわけだろう。だから営業ってすごく面白い仕事だと思わないかい。そりゃ、負けたら悔しいし、長い目で見たら営業成績次第で将来の生活もかかっているから大変だよな。でも、色々工夫すればいつも負けるわけじゃないしな。逆にうちのブランド力からすると相手より勝ち率は上がるよな。だから俺はこの営業という仕事に巡り合って良かったと思っているんだ」
関根の驚きは続く。今まで思っていたことがひっくり返ったような感覚になった。まるでいつも見ていた景色に裏側があって、パッと裏返ったら別の景色が出てきたような気分だ。それもその景色は、とても明るい希望に満ちていた世界だったのだ」
「営業はゲームなんだ。もっと楽しんだらいいんだ」。この言葉を関根は何度も心の中で反芻した。

著作:渡邊茂一郎

その5 「布石の結果」に続く

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