お客様導入事例

Usercase

デザイン思考の実践へ!
お客様の事業課題解決に寄り添うためのアカウント営業力強化

関東情報サービス株式会社

ソリューション本部 取締役本部長 細田 次男様
ソリューション本部 ソリューション部 部長 上野 一幸様

1971年設立の関東情報サービス株式会社様(以下関東情報サービス様)は、茨城県土浦市に本社を置き、「ITの力で地域地元に貢献する」ことを目指し、時代の流れに対応して、お客様の様々な事業分野におけるデジタルトランスフォーメーションや人材確保等のニーズに応えるための事業を展開しています。親会社である関東鉄道株式会社や京成電鉄グループの課題に対応してきた他、茨城県の官公庁、学校、地元企業に加え、首都圏一円の企業、最先端研究機関等のITに関連する多様なニーズに対応してきました。

(写真左から細田取締役本部長、上野部長)

 

~ 環境変化と顧客の要望にあわせた思考の転換 ~

ここからは取締役本部長の細田さんに、取り組みの前提や全体像について話をうかがいました。

取締役本部長 細田 次男 様

 

コロナ禍以前から、社会情勢等の変化では多様性や複雑性が高まっていましたが、コロナ禍を経て、変化の度合いはより速くなりました。会社全体でVUCAの時代の真っただ中にあることを実感し、変化の必要性を強く感じている所です。その変化のスピードに合わせて、お客様からのITソリューションに求められる内容も、複雑化そして高度化してきています。また、お客様の要望に応じたプログラム開発を行うだけの単純なベンダー機能を求められるのではなく、事業課題を共に解決するパートナーとして、一段高い視点を求められるような大きな変化も起きています。

これらの変化に応じて、当然ながら当社側の変化が必要になります。決まった仕様に基づくソリューションの提供は大前提として、業界を取り巻く環境変化から生じるお客様の課題やニーズをいち早く仮説化し、適切なソリューションを提案・提供し続ける「顧客に寄り添う」力の向上が必要です。

そのため、SEに対しても、デザイン思考をベースとし、自社のできることを優先するのではなく、顧客の視点を優先することを求めています。ただ、顧客の視点を持つための活動は、従来のSEの業務活動と比べて難易度が高く、具体的にはどのような活動をすれば良いか分からず、なかなか行動の変化につながりません。

そこで、法人営業領域に特化したコンサルティングサービスを提供しているシェルパワークスさんと一緒に施策を検討し、お客様の事業課題解決に寄り添いコンサルティング力を強化するためのプログラムを取り入れていただきました。

 

ここからはソリューション部 部長の上野さんに、この取り組みの具体的な部分について話をうかがいました。
ソリューション部 部長 上野 一幸 様

 

今回の強化策を実施した背景としては、根本的にSEの活動を見直す必要性を感じていたことが最も大きいです。お客様の当社に求める要望が、大きく変わってきているのを感じていました。2023年年末の、お客様への挨拶回りの時です。「御社のSEはレベル高く業務を遂行してくれますよね。でもそれだけですよね」と言われた時は本当に危機感を持ちました。従来のベンダー機能だけでは、中長期の自社の発展はないと実感した瞬間です。顧客の視点に立ち、顧客の事業課題解決に動けるコンサルティング力の強化の必然性を感じました。

 

当社は、2021年に創立50年を迎え、地元茨城県の企業から日本を代表する企業や上場企業との取引があります。ただ、IT業界の変化は激しく、スタートアップの台頭も激しい業界で、この先も取引が継続するかは保証されていません。やはり、時代とお客様の状況に合わせた自社の変化が必要だと感じていました。

社内での研修も実施しておりましたが、単発的な内容になることもあり、自社だけでの実施では限界を感じていた時にシェルパワークスさんに出会いました。

現状の当社の困りごとを伝え、まずはマネジャー層としてSEの活動変革を引っ張ってもらいたい課長・課長代理を強化の対象に選定しました。そして、担当企業について、より高く深く知ることによって事業課題を分析し適切なソリューションを提供していくコンサルティング力の強化に向けたトレーニングの導入を決めました。

 

~ お客様のことを知る ~

現状のSEは現場で決まった業務を実施することがメインです。

そのため、顧客に寄り添うためにもお客様のことを知る必要がありました。お客様のことを知り、事業課題を特定することで、適切なソリューションの提供につながります。お客様のことを知るということは、どういうことかと考えた時に、一般的な営業活動としては当然の考え方である「アカウント営業」を身に着けてもらおうと考えました。アカウント営業の一連の流れを体系的に知って、行動につなげることを最大の目的として、2024年3月からトレーニングを開始しました。学ぶだけでなく、自分が担当する企業を知るための実践課題も含めた3か月のトレーニングです。

 

■アカウント営業スキルとデザイン思考の体系図とつながり

■アカウント営業スキルの実施概要

実践後の印象としては、効果があったと感じています。

1回目のトレーニングの最初のタイミングでは、参加メンバーは非常に暗い雰囲気でした。これまでと違う何か難しいことをやらされる、そんな雰囲気にトレーニング会場は満ちていました。ただ、2回目のトレーニングの事後課題である、仮説化した事業課題のお客様との対話を経て、メンバーは一定の成果を感じとり、自信を持った態度、雰囲気になっていったのは鮮明に覚えています。やはり、インプットだけでなくアウトプットすることによって本当の意味で、スキルを自分のものにできるのだと感じました。3回目のトレーニングが終了した時は、能動的に顧客に働きかけるメンバーも出てきていました。

 

■事後課題 1回目

1回目の①レーニング終了後の事後実践課題は、参加メンバーがそれぞれ実際に担当する企業について、下記を実施しました。

①担当企業の“PEST分析”及び“担当企業への影響”の作成

②担当企業の“3C分析”及び“担当企業に対する機会・脅威・強み・弱み”の作成

③担当企業の“事業課題の仮説化(顧客SWOT)”の作成

 

実際に担当している重点顧客を、フレームワークを使って環境分析をし、お客様が取り組むべき事業課題を仮説化します。

■事後課題 2回目

2回目のトレーニング終了後の事後実践課題は、参加メンバーがそれぞれ実際に担当する企業について、下記を実施しました。

①事業課題の対話を直接対面形式で実施

②面談直後に振り返りレポートを作成する

1回目の事後課題で作成した担当企業の顧客SWOTについて、面談で提示・コミュニケーションし、お客様の課題認識を確認する作業を進めました。

結果として、担当者自身が見えていないお客様の課題や方向性、今後戦略的に取り組もうとしていることなど新たな発見がありました。従来とは全く異なるコミュニケーションだったので、メンバーは最初は「できるのか?」「意味があるのか?」と懐疑的でした。しかし、実際にやってみると、担当者から「ここまで色々と考えてくれたんですね」「新しい取り組みでおもしろいですね」等ポジティブな反応が大半で、メンバーは手応えを感じてくれました。また、自分たちが知らなかったそれぞれの企業の課題感やあるべき姿を確認できたことも大きな収穫でした。

そして、このトライがメンバーの自信にもつながったと感じています。

 

2回目の事後課題実践後の受講者の感想

  • 今までにない目線でお客さまと面談を行ったことにより自身の成長を感じる。 まだ苦手意識はあるものの、実感できたことが大きな成果だと感じます。
  • 顧客分析の手法と、事業課題の共有・対話をとても分かりやすく学ぶ事が出来た。 これまで顧客、訪問先の事をあまり理解せずに訪問、対話していたと反省をし、 必ず訪問前には準備をしようと思いました。
  • 事業課題の共有→対話について、お客様と実際に今後も実施していきます。 (事業課題については、お客様自身も行っているので一緒になって実施していきたい)

 

■事後課題3回目

3回目のトレーニング終了後の事後実践課題は、参加メンバーがそれぞれ実際に担当する企業について、下記を実施しました。

 

①担当企業の特定した事業課題に対して、ロジックツリーを用いた課題の構造化

②自社(グループ含めて)のケイパビリティマップの作成

③構造化した課題とケイパビリティマップのソリューションマッピング作成

④マッピングしたソリューションの担当企業への提案

 

2回目で特定した優先すべき事業課題について、自社でできることを検討するフェーズがトレーニングの3回目です。事業課題をロジックツリーを用いて構造化、そこに対して自社で提供できるソリューションを検討していきます。アカウント営業ですので、自部門だけで考えるのではなく、自社及び自グループのケイパビリティを幅広くとらえることが必要になります。従来はお客様に言われたことだけを、遂行する活動が中心でしたので、自分たちのできることの幅広さに改めて気づいてくれたメンバーも多かったです。

■トレーニング全体を通して

トレーニング全体を通しての事後実践課題として、参加メンバーがそれぞれ実際に担当する企業について、下記を実施しました。

 

  1. アカウント戦略ブックの作成

 

全3回終了後の受講者の感想

  • 大きな範囲だと今回のコンセプトである対会社(組織)へのアプローチ、小さい範囲だとプロジェクト内で対エンドユーザへのアプローチなど応用を利かせることができるなと感じました。
  • 体系的にアカウント営業を学べたことで、顧客を分析してより深く知ることや 改めて自社の商品や価値を考えるきっかけになりました。 また、当研修により少し視座を上げることが出来たように思います。
  • 大局的な視点でアカウント顧客を調査・分析し、対話を通して得られた課題を言わば自分事として捉え、顧客と共に解決に取り組むという、今まで自分にはなかった視点、切り口、手法を学ぶことができました。

担当企業のことを深く知り、課題を仮説化するためには、情報を整理することが必要です。そのためには、意思決定ルートの把握や担当企業内の人脈やその相関図の整理も必要です。こういった要素も3回のトレーニングで学びました。

 

まだまだ、全員の行動に変化が起こり、アカウント営業ができ始めたということではありませんが、行動は確実に変わり、良い方向に動きだしているのを実感しています。

今後は、これを定着させ、メンバーに伝えていってもらう活動を社内でどのように仕組化できるかがポイントだと考えています。

【受講者アンケート】自身の活動の変化

~ 中堅メンバーへのお客様を深く知ってもらうきっかけ作り ~

ここからは、組織として中堅・若手メンバーへの伝播をどのように考えているのか、アカウント営業力強化の取り組みについて、組織としての広がりについて話をうかがった。

 

組織として、活動に変革を起こすためには、マネジャー層だけでは不十分です。そのために、中堅メンバーに対してもお客様を知ることに特化したトレーニングが必要だと考えました。

フレームワークを使ってお客様のことを分析することで、お客様のことを深く理解できるようになります。また、お客様視点で物事を考えることは、デザイン思考にも通じます。これまでは、自分たちができることを中心に考えてきた思考を変えていくことへのチャレンジです。

 

シェルパワークスさんとも相談し、お客様の事業課題を仮説化し、仮説検証の対話までを体系体に学ぶ、課題共有スキルのトレーニングを実施することにしました。

 

 

【課題共有スキルの体系】 

 

顧客3Cモデルの作成は、通常のトレーニングではグループワークでの実施になっています。今回は、中堅メンバーに自身の担当企業のことをより深く知ってもらうきっかけにしたかったこともあり、フォローアップにおいて、参加メンバーの担当企業を作成していく内容にしました。

 

実践の難度は高かったと感じています。ただ、お客様のことを知る必要性や、分析の仕方を体系的かつ具体的に知ってもらうきっかけになったと、手応えは感じています。

今後は、更に若手のメンバー(入社3~5年目程度)に対するトレーニングの実施も検討しており、お客様の事業課題を軸に思考するデザイン思考の浸透を図ります。

 

~ お客様の課題解決に寄り添うパートナーとして ~

今回シェルパワークスさんと協働できたことによって、ソリューション本部のメンバーが、体系的にお客様のことを知る方法を学び、実践に近づけることができました。ただ、全体では120名程度のメンバーがおり、浸透のための施策はこれからも継続が必要ですし、現在シェルパワークスさんとも相談し検討しています。

これらの教育は、当社が掲げる「As a partner of our customers」につながるものです。そして、お客様のニーズに応え続けるための施策にもつながります。まずは、お客様のことを知ることから始めてより高い所を目指し、お客様の事業課題に寄り添うパートナーであり続けていきたいと考えています。(了)

 


マネジメントや営業力を高めるには営業情報サイト「Sherpa~営業を元気にするメディア~」をご覧ください。


【シェルパワークス事業概要】 BtoB企業の営業コンサルティング事業 ―メインサービス― SHERPING|シェルピング、新規顧客づくり(MA支援サービス、マーケティングオートメーション支援サービス、Webマーケティング)、営業組織づくり ―個別サービス― 営業活動コンサルティング、営業マネジメントコンサルティング、営業スキルトレーニング、営業マネジメントトレーニング、SFA定着支援、リサーチ&サーベイ、アセスメント、セールスコーチング、映像化プログラム、伝道師育成プログラム、営業ガイド・ツール制作

Companyシェルパワークス会社紹介

Tips今日から使える営業ノウハウ集

Recruitプロのコンサルタント求む

自社の営業部隊を、再燃させ、
常勝チームに生まれ変わる喜びを感じたい

※相談者の機密は守ります
ページ上部へ戻る