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2021/01/03
2021年 新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。
昨年は、新型コロナウィルスの猛威により世界中で社会が混乱し、激震の1年となりました。
現時点では、この先2021年の世界がどうなっていくのか、まだまだ見えない状況がしばらくは続くと思われます。
提一燈 行暗夜 勿憂暗夜 只頼一燈
一燈を提げて暗夜を行く。暗夜を憂うること勿れ。只一燈を頼め。
これは幕末の儒者 佐藤一斉の『言志四録』のうち「言志晩録」第十三条に収められている言葉です。佐藤一斉は、山田方谷、佐久間象山、渡辺崋山など3,000人の門下生を育て、吉田松陰や勝海舟、西郷隆盛など多くの幕末の志士にも多大な影響を与えたすごい人です。
「人生は一寸先が闇で、真っ暗な夜道を歩くようなときも多々ある。そんなときも、志を提燈として掲げていれば心配はない。その灯を信じていけ」という意味の言葉です。
私は幕末が好きで、この言葉自体は昔から知ってはいましたが、意味はよく理解できていませんでした。10年ほど前に、在籍していた会社から「東洋思想」の権威である田口佳史先生の講義を1年間受ける機会を得て、この言葉の真意を初めて理解することができ、それから好きになった言葉でもあります。
起業してからは、すべてが何も無い状態からのスタートだったので、いつもこの言葉を自分に言い聞かせて勇気づけられる感覚を持つようになりました。
そして、昨年ほどこの言葉の重みを感じた一年はありませんでした。世界中が真っ暗な夜道をずっと過ごすような状況になり、誰もが路頭に迷った年でしたが、我々のビジネスも基本的にお客様との直接の接点が前提として成り立っていたため、「このままいくとダメかもしれない」と感じたことは何度もありました。
そんな時に、この言葉を思い出し、お先真っ暗な状況で、遥か先の闇を明るく照らすほどの立派なことではなくとも、足下だけを照らすほどの光を頼りに、前提条件を一旦取り払って、今できるチャレンジをしっかりやって一歩一歩前進しようとみんなで話し合いました。
その結果、オンライン伴走支援やオンライン研修、バーチャル展示会など、いざやってみると色々なことが見えてきました。何よりも変化に挑戦し、臨機応変に対応することで成長する実感が持てたことが大きな収穫となりました。
結果として、業績も昨年を大きく上回ることができました。まだまだ未成熟な当社に対して、このような状況下でも関わりの機会をいただきましたお客様にあらためて心より感謝申し上げます。
2021年もしばらくは“一寸先は闇”が続きますが、志を提燈として掲げ、その灯を信じて柔軟に変化しながら一歩一歩確実に前進していきたいと思います。
最後に、皆さまのご健康とご多幸を心よりお祈りしますとともに、本年も変わらぬ御愛顧の程どうぞよろしくお願い申し上げます。
(米倉達哉)