お客様導入事例

Usercase

新たな社会の実現にむけた羅針盤づくり!
ミッション・ビジョン・バリューの策定&浸透&定着へ

帝人ナカシマメディカル株式会社 

営業推進部 平山泰之様
営業推進部 小坂藍様

帝人ヘルスケア株式会社

社長付 横田勝彦様

帝人ナカシマメディカル株式会社様

2008 年 9月設立。帝人ナカシマメディカル株式会社様(以下、帝人ナカシマメディカル様)は、ナカシマプロペラ株式会社の新規事業として、舶用プロペラで培った金属加工技術の応用をもとに、1987年に整形外科用医療機器業界に参入。

世界有数の長寿国である日本では、高齢者の多くが運動器疾患を抱え、健康寿命の延伸が喫緊の課題となっており、帝人ナカシマメディカル様は、創業以来、医療関係者及び各分野の研究機関と共同で日本人に適した製品を開発し、医療関係者を通じ多くの患者さんに提供しつづけています。

ケガ、病気や加齢で傷んだ関節を人工関節に置き換える手術(人工関節置換術)は、近年一般的な治療法となっており急激なスピードで高齢化が進む日本では、症例数は今後もさらに増えることが予想され、よりアクティブに老後を過ごせる健康寿命の延長にもつながると期待されています。

このような中、帝人ナカシマメディカル株式会社様では、これからの医療環境を取り巻く状況が大きく変化することを想定して、自分たちがどのようにありたいのかについて検討する社内プロジェクトを発足させ、社員がありたい姿を自分たちで創り上げるという形式で“ミッション・ビジョン・バリュー”を策定することになりました。

そこで、ビジョン策定・浸透支援サービスを展開しているシェルパワークスをプロジェクトパートナーとしてご採用いただくことになりました。

〜 自分たちの将来を自分たちで創り上げる〜

事業の課題

ここからは、当時本プロジェクトオーナーを務められた代表取締役社長の横田勝彦様さんにプロジェクト発足の想いを語ってもらいました。
創りつなげるメンバー

プロジェクトメンバーとプロジェクト実施当時、代表取締役社長を務めていた横田勝彦さん(後列左から2人目)

私が2019年10月に社長に就任して半年後の2020年4月に『将来を創る会』というものを発足しました。これから先、我が社がどうなっていきたいのかを明確にしたいという想いからです。よくわからない未来の世界ではなく、自分たちがこれから創っていく将来を考え抜いていこうと思いました。

背景には、医療機器業界における外資寡占の状況があります。外資系医療機器メーカーは、大きな資本をもとに製品を作るだけではなく、サービスの提供、予防から予後までのアプリケーションを提供したり、ロボット化をはかったり、様々な仕掛けをしてきています。

このような激変する世の中において、私たちは何ができるのか。将来のために自分たちがコアとなる能力は何なのか。それを社員全員が“自分ゴト化”して、創造していく。社員発でアイデアを出してもらい、それを実現していこうと考えました。では、どのような会社にしていくのか。そこには羅針盤がないといけない。ということでこのプロジェクトを発足させました。

プロジェクトのキックオフでメンバーに示した「プロジェクトの目的」は以下の通りです。

✓我々の進むべき方向性を示したい

✓帝人ナカシマメディカルが、どんな会社なのかを内外に示す羅針盤としたい

✓社員一人ひとりの心の拠り所にしたい

✓迷った時に、自分の判断が正しいのかをジャッジする基準にしたい

✓経営者が変わっても、変わらぬ軸としたい

✓トップが誰であろうと、自走できる一体感ある企業体にしたい

✓自分が誇りをもって会社を愛し、家族に自慢できる会社でありたい

✓社会から必要とされる企業でありたい


〜 できあがったミッション・ビジョン・バリュー〜

半年間のプロジェクトを経てできあがったミッション・ビジョン・バリュー(以下、MVV)は下記の通りです。

Corporate Slogan私たちの信念 「からだが動く。こころが動く。

 

Mission=存在意義運動機能の回復や向上に、「最適化」という私たちらしい答えを。

人は体を動かすことで、生きる喜びを感じます。

この先、どんなに世界が変化してもきっとこの根源的な喜びは変わることがないでしょう。

私たち帝人ナカシマメディカルは、運動器の領域で人の体を動かすための治療に貢献すると共に、病気の予防や予後を含めた新しい価値の創出を図ります。

マイナスをゼロに回復させるだけではなく、さらにプラス方向に導くため、人の人生を見つめ最適な答えを出し続けることを使命とします。

Vision目指す未来からだを自由に動かせる喜びを一人ひとりに提供し、可能性に満ちた社会を創ります。

私たちが目指すのは、一人の喜びだけでなく、たくさんの喜びが集まり、豊かな社会になることです。

昨日まで歩くことが困難だった人が、自分の思うままあちこち出かけられるようになれば、人と人の出会いや、楽しいやり取りが増え、ポジティブな活動の輪が広がります。

「できない」が「できる」に変わるとき、「できる」が「もっとできる」に変わるとき、社会はまた新しい可能性で満ちていきます。

私たちの事業の先には、そんな未来があります。

Value=行動指針

患者さんを想う

誰かの人生を創る尊さと責任を理解し、相応しい行動をとる自ら変化を起こす

「あたりまえ」を疑い、より抜本的な課題解決を目指す本質を問う

小さな改善から大きな変革まで、主体的に変え続けていくチームがその仕事を強くする

一人では不可能なことも、仲間と共に成し遂げる

〜 みんなの想いをどのように紡いでいくか〜

ここからは事務局長の小坂さんに、この取り組みについて話を伺いました。

プロジェクト実施当時、マーケティング部の小坂さん

プロジェクトメンバーを招集

私たちはメーカーですから、約400名の社員は、研究、開発、製造、物流、購買、マーケティング、営業、品質保証、管理など機能が多岐にわたります。事業拠点も岡山本社以外に全国に営業所を展開していますので、他部署との交流はあまり多くはありません。

今回のプロジェクトは、できるだけ全ての部門から代表者を選定し、参加してもらうことを前提としてメンバーを編成しました。

メンバーは、それぞれの部署を代表するリーダークラス8名に決めました。選定にあたっては、現場における問題意識が強く、未来予測する際に必要な大局的な視点もある程度あり、そして、何よりもこの会社を良くしたいという志が高い人を自薦他薦で決めました。

 

初めての会合であるキックオフでは、緊張感が漂っていました。

冒頭に社長からMVVを策定するプロジェクト目的の話を聞いて、多くの人は意気に感じたと言っていましたが、その反面、急に責任感が重くのしかかってきたという人、一体どうやって進めていくのかイメージがつかないという人、反応は様々でした。

正直、事務局として、これほど価値観が異なる人同士で集まってうまくまとまるのだろうかと心配はありました。さらに、追い打ちをかけたのがコロナウイルスでした。こういったプロジェクトは当然、直接の対話を通じてやり取りしていくものですが、キックオフからオンラインでの対話会を余儀なくされ、これも心配を増幅させるものになりました。

幸い、シェルパワークスさんは、価値観が異なる人同士のプロジェクトが成功する進め方を体系的に展開していましたし、オンラインでのビジョン策定の経験もあり、混乱なくスタートを切ることができました。

 

体系化されたワークショップ構成

シェルパワークスさんの進め方は体系化されていて、納得感を醸成しながら段階を経て進めていくことになりました。

資料02

資料:ビジョン策定・浸透支援サービスの実施項目

大きな流れでいうと、まずは個人としてどのような価値観を持っているのかを共有するところから入りました。ここでは、仕事という枠組みではなく、それぞれのメンバーが何を大切に生きていきたいのかなどについて共有しました。

次に、未来予測を行います。この予測がゆるいとなかなかその後に繋がりません。当然ですが、一般の社員は経営幹部と比べると視野が狭いです。だから、どうしても対話をしていても視点が目先や現在だけに向きがちです。ですから、ここでしっかりと未来予測を共通の視点として時間をかけて進めました。

次に大切にしたのが、「あるべき姿」ではなく、「ありたい姿」です。自分たちが心の底からワクワクすることはどういった世界なのか徹底的に対話しました。

ただ、徹底的に対話と言いましたが、最初は対話ということをみんなあまり意識せず、意見がまとまった人が意見を出すというような感じでした。いままで対話ということについて深く考えたことがなかったので、ファシリテーションしていたシェルパワークスさんからは何度も対話についての考えを教わりました。

こうやって、自分たちの「ありたい姿」について対話を重ねてきました。ただし、存在意義ということを考えた時に、自たちの想いだけでは不十分で、常に自分たち以外の人から見てどうか、という視点が大切です。ですから、医療機関のドクターにもインタビューをしました。患者さんを常にみているドクターにとって、どのような企業が有益なのか、どのような企業の社員と一緒に仕事をしたいと感じるのか、今後どのようなことを期待されるのか、などを様々な視点でご教授いただきました。

また、創業者がどのような想いでこの事業を創ったのか、ここまでの紆余曲折をどのようなことを大切にして乗り越えてきたのかなども確認し、これからも変えてはいけないこと、変えていくことを明確にしていきました。

その他にも、得意先にも話を聞いたり、自分たちを取り巻くステークホルダーを想像したりして、それぞれに対してどのような存在でありたいのかを徹底的に対話しました。

あと、他の全社員が現在の状態と将来の状態についてどのように感じているのかをアンケートしました。こういった情報からたくさんの示唆を得ることができました。私たちの取り組みに賛同してくれる人もいれば、自分たちの熱量にくらべて驚くくらい冷めている人もいる中で、MVVを策定した後の浸透が大変だなと強く感じていました。

そんなことを経ながら、プロジェクトは確実に前に進んでいきました。最終的には、MVVという大きな概念を言葉にしていかなければなりませんが、言葉にするとどうしても想いが矮小化してしまう傾向があり、大人になって何年かぶりに投影法という手法を使って「ありたい状態」を絵に描いてみました。みんなでこの絵を共有しましたが、それだけでワクワク感がわいてきたのを思い出します。

そして、最終的にその絵を含めたこれまでの対話のやり取りとアウトプットをすべて再確認して、言葉に紡ぎましたが、この作業が最もつらかったですね。それまでは、過程として様々なアウトプットをだしてきましたが、いざ最終成果物となると「本当にこれでいいのか感」しか出てこず、なかなか決められずにいました。ただ、グループに分けて成果物を出して、それを全社員に投票してもらい、意見をもらうという仕掛けがあったので、最終的には全社員のアドバイスを踏まえた完成品になるということを知って、思いっきり思いをぶつけようと吹っ切ることができました。そして、ようやく納得感のある最終案が完成しました。

〜 浸透に向けて考えたこと〜

ここからは事務局長をサポートした小坂さんの上司である平山さんに、浸透に向けて話を伺いました。
プロジェクト実施当時、マーケティング部の平山さん
プロジェクト実施当時、マーケティング部の平山さん

私は前職でも、MVV策定のプロジェクトにかかわっていましたので、MVV策定後に全社に浸透することがどれほど難しいかを理解していました。だからこそ、ビジョンを創る段階から浸透を常にイメージしながらシェルパワークスさんと相談しながら進めていきました。

会社はそこで働く一人ひとりの日々の積み重ねによって成り立っています。私たちが理念を改めて構築したいと考えたのは、この会社で働く皆が同じ目指すべき姿を想い描き突き進むことができれば、今よりもっとワクワクした将来を自分たちの手で創造することができるのかもしれない、と思ったからです。

「皆さんは何のために働いていますか?」私たちがこのMVVを策定する中で、何度も考えたことです。誰かの役に立ちたい。そう思い至ったとき、改めて私たちの製品は患者さんの体の一部となり、その人生を支え続けているのだと気づかされました。

同時に、日常の業務の中で埋もれてしまっていた、自分の仕事を誇らしく、家族や誰かに自慢したくなるような想い。医療に携わることへの責任。その想いは、だんだんと、この先、“未来”に生きる自分たちがどんな姿でありたいのかを深く考えることに繋がりました。

変化の激しい時代だからこそ、私たち自身が本当に生きたい将来を自分たちの手で創りたい。誰もが自分らしく、誰もがチャレンジし続けられる、たくさんの可能性に満ちた社会を。それを実現するのは私たち一人ひとりなのです。

浸透に大事なのは、まさにこういった社員それぞれの中に埋もれている“想い”をどう引き出していくかだと思います。そのために、全国の拠点ごとに5名~10名のチームを変遷して、浸透だけを目的とした対話会を4回実施してきました。最初は、戸惑いの多かった社員も回を重ねるうちに、対話の重要性と効果性に気づきだし、普段はいかに業務以外のコミュニケーションしかしていなかったかに多くの人が気づかされたと言っていました。

経営幹部から管理職に対しても、MVV浸透の当事者が自分たちであることを認識してもらうための終日ワークショップを実施しました。

また、新入社員には、入社してすぐの導入教育期間中に、MVV浸透研修を丸2日間かけて実施しましたが、ほとんどの新入社員が「この会社に入社して心からよかったと感じた」という意見を持ってくれ、入社後のギャップ解消にもつながっていると実感しています。

 

今後に向けて

シェルパワークスさんには、約1年に渡って伴走していただいたことで、体系的にありたい姿を策定することができ、初期の浸透策も展開できました。ただし、ここまではプロジェクトという限られたメンバーの中でできたことです。ここからは、帝人ナカシマメディカル株式会社の全社員にその想いを本当の意味で浸透させて、それを全社員が自分ゴト化し、その方向に向けてアイデアを出しあって実現するようになることが次の課題となります。

特に、実現に向けては、理解→納得→実行→定着という流れがあり、それぞれに対して大きな壁が必ず立ちはだかるとシェルパワークスさんからも聞いています。

だからこそ、その壁を確実に乗り越えていくためにこれからさらなる浸透、定着のステップをしっかりと歩んでもらいたいと思います。


帝人ナカシマメディカル株式会社様に採用された『SerVice.11 ビジョン策定・浸透支援サービス』はこちら


マネジメントや営業力を高めるには営業情報サイト「Sherpa~営業を元気にするメディア~」をご覧ください。


 

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