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2020/09/24

営業マネジメントシリーズ⑥
プロセスマネジメント

営業活動とは、お客様と共にプロセスを前に進める活動ともいえます。

営業の目標を達成しようとすれば、必ずお客様が納得したうえで、自社製品・サービスの導入を意思決定していただかなくてはなりません。当たり前ですが、この意思決定をいただくためには、そこに至るまでの道のりをお客様とどのようように進めていくのか、その過程が重要になります。

ともすれば、営業組織は結果ばかりに目が向きがちですが、結果だけに目を向けていても狙った成果にはつながらないことは明白です。

そこで、営業マネジャーは、自チームの営業活動についてプロセスを見える化し、成果につながる可能性が高い行動を迅速・確実に実行させることで、限られた時間の中で、最大の成果を出すことをマネジメントしていかなければなりません。では、具体的にどのように進めていけばよいのか見ていきましょう。

 

継続的に「営業成績の高い」「お客様から信頼されている」優秀なセールスは、結果につながるプロセスを意識して活動をしています。ゴールから逆算した次の一手を様々な情報から明確にしていきます。

情報の種類は多岐にわたりますが、優秀なセールスはプロセスを確実に前に進めるために必要な情報とその情報源を把握しています。

優秀なセールスは案件ごとの状況を的確に見定めて、最適な次の一手を導き出します。つまり、成果につなげるためにセールスはいかにプロセスをマネジメントできるかが問われることになります。

 

営業プロセス

一般的なBtoB営業活動をモデル化すると概ねこのような流れになるのではないでしょうか。

先ずは、自社が関係性を深めたい商談のありそうなお客様を「ターゲティング(選択)」します。

次に、お客様を取り巻く状況から抱えているであろうと推察する課題について「仮説立案」します。

そのうえで、そのお客様と進むべき「ゴール」を設定し、そのゴールから逆算した最適な道筋を「顧客戦略シナリオ立案」として策定します。

そして、そのお客様にご満足いただけるような精度の高い「面談」を繰り返し進めていきます。

ただし、この営業プロセスは業界や企業特性によって少しずつ異なるため、具体的には自社オリジナルの標準プロセスを設計する必要があります。

 

お客様の購買プロセス

自社オリジナルの標準プロセスを設計するには、自社のお客様がどのような購買プロセスを経て採用に至るのかを見える化する必要があります。

先ずは、お客様が自社商品を購入するまでのプロセスを設計していきます。その際の注意点は、どうしても自社都合で物事を考えてしまいがちになることです。お客様の立場になってみて、どのような購買プロセスをたどるのかを議論して決めていかなければなりません。

次に、購買プロセスの段階ごとにお客様はどのような期待、もしくは心配事を感じているのかについても明確にしていきます。特に、新規の取引先や取引歴が浅い先は、お客様の心配事を一つずつ解消していかなければプロセスが前に進まないので重要になります。したがって、この心配事をできるだけお客様の立場になってリアルに描けるかどうかがポイントになります。

そして、お客様の購買プロセスと同期する形で自社の営業プロセスを設定します。購買プロセスと営業プロセスは相互に影響しながら進みます。

セールスとしての活動を考えるときには、常にお客様が納得して次のプロセスへ進んでよいと感じるために期待に応える活動を行うことが求められます。その活動がお客様の満足を生み、ひいては自社の競争力向上につながるのです。

 

自社の営業プロセスをデザインする

営業プロセスには、誰がみてもステージが進展したと客観的にわかる段階がいくつかあり、これを「フェイズ」と呼びます。

このフェイズはプロセスマネジメントをするうえで非常に重要な要素になります。このフェイズの解釈が人によって異なると、マネジャーはフェイズごとの案件保有量がわからなくなりますし、売上見込もズレることになりかねません。そこで、フェイズを全員がブレなく同じ認識を持つためにも「定義」が大事になります。

そして、次のフェイズに進んでもよいかどうかを正しく判断するために、フェイズごとの「ゴール」も決めておきます。このゴールを明確に設定することで、人による感覚的な判断のズレをなくします。

さらに、フェイズごとの「お客様期待と心配事」が明確になれば、その内容を踏まえてお客様が納得してこのセールスとプロセスを前に進めてもよいと思っていただけるような重要行動を明確にすることができます。

この「重要行動」は、属人的営業から脱却するためにも組織にとっての必須項目になります。その際はハイパフォーマー分析を通じて明確にしていくことが一般的です。

全体の営業プロセスが設計できたら、次はフェイズごとに詳細な運用ルールを決めておきます。

新しいプロセスをデザインし、それを根付かせるまでに様々な混乱が生じます。例えば、実際の状況にもとづいて「こういう場合はどう判断する?」ということがたくさん出てきます。

その際、常に拠り所になる具体的な基準を決めておくことで判断が明確になります。時には、ルール通りにはいかないこともありますが、その際も基準があるから明確な変更理由が必要となり、それをマネジャーとすり合わせることで共通のスタンスを持つことが可能となります。

このように全てのフェイズに案件を客観的にマネジメントできるようにセールスと共通の運用ルールを決めておくことは、メンバー一人ひとりにセルフマネジメントの意識を醸成させていくことにもつながります。

 

ファネルという視点でプロセスをマネジメントする

営業プロセスは通常、進度が進むにつれて案件の数は減っていきます。これを図にすると右のような逆三角形のような形になり、日本語で言うと「漏斗」のようであることからファネルと呼んでいます。

案件の進度を営業プロセスのステージごとに分け、各ステージの案件の量と質を見ていく必要があります。

下のステージに移行するにつれて案件の数が減っていくことを「ステージ移行率」と言いますが、自社のこれまでの実績でフェイズが進む度にどれほど減っていくのかは過去の実績からトレンドの数値として押さえておく必要があります。

ステージごとに移行率を設定すれば、単純に案件量に確度を掛け合わせると見込み額は机上で見えてきます。そのうえで、目標から逆算して各ステージでどのくらい案件が足りていないのかを明確にし、施策に展開していきます。

このファネルごとの案件をどのようにマネジメントしていくかで営業生産性も大きく変わってくるため重要な視点となります。

 

勝利の方程式を組み立てる

ファネルが設計できれば、売上目標を達成するための方程式を組み立てます。プロセスマネジメントで先ず見なければならないのは、売上目標に対してギャップがどのくらいあるかです。

その際、上図のような方程式を活用しますが、基本的には、量と質の掛け合わせで売上目標達成の構成要素を分解します。

この方程式を活用していけば、必要な受注額を逆算して割り出していくことが可能になります。

ただし、「質のマネジメント」は過去から現在のトレンドを見て数値を入れていかなければなりません。そのために、各フェイズの移行率と案件平均単価はマネジメントするうえで重要な指標となりますので、組織として明確にしていきましょう。

ここまでがプロセスマネジメントを進めていくうえでベースとなるインフラ整備となります。では、これらを活用してどのように実際のプロセスマネジメントを進めるのかを次に見ていきましょう。

プロセスマネジメントでは、主に3つの観点でマネジメントしていきます。

「案件量マネジメント」では、ゴールから逆算してフェイズごとに必要とされる必要案件数を確保できているのかを見ていきます。

「進捗マネジメント」では、案件のボトルネックとなるポイントについて見ていきます。

「行動マネジメント」では、案件に対して適正に活動で来ているのかを見てきます。

それぞれを具体的に見ていきましょう。

 

案件量マネジメント

先ずは案件量マネジメントです。プロセスマネジメントでは、フェイズごとの案件保有量を明確にしていきます。

例えば、今期の目標50,000千円に対して、受注額が28,756千円の場合、GAP額が21,244千円となるので、案件単価が2,250千円だと、必要となる受注案件数は9件必要になります。

それをもとに逆算していくとそれぞれのフェイズごとの必要案件数が割り出せます。それに対して、現在の保有案件数とのギャップ案件数を割り出します。

そうすると、いつまでに、どのフェイズの案件を何件増やさなければならないのかが見えてきます。そのための施策を講じていくという流れになります。もちろん、机上の論理になりますが、基準があることが重要になります。

営業マネジャーは、目標達成のために常にメンバーに対して、この“ゴールからの逆算“を意識づけなければなりません。

フェイズごとのギャップがみえてきたら、次はそのなかで今のタイミングで優先すべきフェイズを決めて、組織としての対策を検討していきます。

 

進捗マネジメント

進捗マネジメントでは、ボトルネックに対する要因を見極めることが重要になります。

例えば、案件化のフェイズから提案実施フェイズへの移行率は、全社的にトレンドベースで大きく落ち込むような状態だったとすると、なぜそうなのかという要因を徹底的に明確にしていく必要があります。それを改善することができれば生産性が大きく向上するからです。ただし、全社的な傾向とメンバー個々の特性の2つの視点で要因を明確にする必要があります。そして、要因が明確になればセールスの成熟度を考慮した対応策につなげていきます。

次に、案件ごとの滞留状態を見ていきます。

なぜそのような状態になっているのか要因を明確にしていきます。

フェイズごとに滞留日数の上限を決めておき、その日数を超えた案件がセールスごとにどのくらい存在するのかを確認します。

ここでは、個別の案件の中身を検討するというよりも、全体として保有している案件の進捗状態を俯瞰的に捉えます。それによって、セールごとの課題が明確になりますので、対応策を講じやすくなります。

 

行動マネジメント

最後に行動マネジメントを見ていきましょう。ここでは、メンバーごとに案件のコールインタバーバルが適切かどうかを見ていきます。


お客様の選択肢は今や豊富にあるので、せっかくのホットリード案件でも、タイミングを逃すといつの間にか消えてなくなっているということはよくあります。

行動マネジメントでは、そういった機会ロスが無いようしっかりとマネジメントしていく必要があります。

さらに行動マネジメントでは、限られたリソースの配分が適正かを見ていきます。ここでは先ず、お客様を「魅力度」と「取引度」の高さからA~Dの4つのゾーンにマトリクスを構成します。

一般的には、成果がでないセールスは図のCゾーン(魅力度:低い×取引度:高い)に活動が集中してしまいます。なぜでしょうか?その理由は営業担当者が本能的に「行きやすい先」に行くからです。魅力度が低く、自社の取引が高いということは競合の存在がほとんどなく、お客様側も自社を頼りにしている状況だからです。

一方で、優秀な営業担当者は、いかにCゾーンに投下しているリソースをBゾーンへ振り分けるかを強く意識して活動配分を設定しています。

なぜなら、Bゾーン顧客に手厚く活動することを通じて、結果としてAゾーン顧客にまで育てていくことになり、営業生産性を大きく向上させることを知っているからです。

行動マネジメントでは、限られた工数を生産性が高まるところに配分することを教えていくことも重要です。

 

行動マネジメントの目的は、メンバーが限られた時間を効果・効率的に営業活動に投入できているかどうか、営業プロセスを確実に進められているかどうかを把握することです。

ただし、営業マネジャーは複数のメンバーをマネジメントしなければなりません。ここが営業マネジメントの難しいところと言えます。

そのため、営業マネジャーもメリハリが必要になります。そこで、営業マネジャーはセールスの成熟度を見極めながら、プッシュ型とプル型でかかわりを持っていきます。

プル型とは、メンバーからの求めに応じて相談にのるという考え方です。一方で、プッシュ型とは、下記のように重点のお客様に限定して、積極的に次のアクションを確認しながら、適切な次回アポイントを設定させ、訪問後の振り返りも行うことで、メンバーに重要顧客への活動配分と質の向上を意識させます。

成熟度が低いメンバーであっても、C・Dゾーンに顧客に中途半端に関わる時間を割くなら、A・Bゾーン顧客に絞って丁寧にかかわることをお勧めします。それによって、有効な商談の進め方を確実に習得していくことにつながります。

 

まとめ

営業活動をプロセスとして可視化し、お客様の購買行動と期待に応える営業活動ができるようになれば結果はついてきます。成果につながる可能性の高い行動を迅速かつ確実に実行して最大の成果を生み出していく。それが活動プロセスを設定する目的です。また、成果を得るには、日々の営業活動を担うメンバー個々のモチベーションや活動へのコミットメントも重要なポイントになります。メンバー自身が気持ちを入れて活動できるよう、メンバーを巻き込み、メンバーと共にプロセスを進めていくことも、ぜひ大事にしてください。

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