2022.04.15 (更新日:2022.06.30)

マネジメントノウハウ

営業マネジメントとは?目標設定やプロセス管理、営業マネージャーが最も注意すべきポイントをご紹介

営業マネジメントとは、単なる数値・プロセスの管理だけではなく、戦略的視点をもって行くべき方向性を示し、人・組織を鍛えながら数値やプロセスを見える化し、伸びシロ(課題)を継続改善しつつ成果を最大化していく総合的なマネジメント(=営業マネジメント)です。

マネジメントとは

経営学者のピーター・ドラッカーは、マネジメントとは「組織が成果を出すための一機能」であると言定義しています。効率よく組織を動かすための役割であり、実際にマネジメントを行うのがマネージャーです。組織の利益を最大化できるよう、その構成要素に働きかける必要があるとも言えます。

営業マネジメントにおけるマネージャーとは、個々の営業担当者が持てる能力をフルに発揮し、最高のパフォーマンスをできるように後押しする存在です。そのためにもマネージャーには、成果につながるノウハウや情報を共有することに加え、各人のモチベーションを高める役割を担っています。

マネジメントとリーダーシップ

リーダーシップという言葉もマネジメントと並んでよく聞きますが、両者を同じような意味に捉えている人は多いのではないでしょうか。もちろん、両者とも目標に向かって仕事をするために必須のスキルなのですが、立場や役職によって求められるスキルが変わってきます。

リーダーシップが求められるのはリーダー的立場にある人だと思いがちです。しかし、必ずしもリーダーのみがリーダーシップを持っていればよいというわけではありません。リーダーシップとは、役職にかかわらず組織に所属する全メンバーが備えているべきスキルのことです。

ドラッカーによると、リーダーシップとは先天的に備わった才能ではなく、後天的な努力で身につけていくべきものとされています。組織において「リーダーシップを発揮する」とは、自身に課せられた役割を責任を持って果たすことです。つまり、部下を持つ管理職のポジションだけでなく、組織を構成する全メンバーにリーダーシップは必要であり、自身の仕事に邁進する源となる力とも言えます。

リーダーシップもマネジメントも、目指すものは共通しています。営業組織においては組織としての成果を出し利益を最大化することとなります。ただし、求められるスキルは異なります。リーダーシップとは、それを発揮することによって組織を構成するメンバーが目標達成に向かって自ら進みたくなるようなスキルのことです。マネジメントとは、実際に成果を出すための手法やプロセスを考え管理するスキルになります。

したがって、マネージャーのようにメンバーを管理するポジションでは、リーダーシップもマネジメントも両方必要です。逆に、人を管理する必要のないポジションでは、マネジメントのスキルは必ずしも必要とされません。しかし、先に述べたように、リーダーシップがあることはポジションにかかわらず重要です。

つまり、マネジメントはメンバーを管理するポジションにある者が適切に管理を行うためのスキルであり、リーダーシップはポジションに関係なく、成果を上げるために発揮するべきということになります。そして両者は相互に補完しながら効果を発揮します。

営業マネジメントの役割とは

それでは営業マネジメントの役割とはどういったものでしょうか。個々のメンバーがそれぞれの目標を達成できるよう管理し、適切なサポートを提供することです。ただし、短期的だけでなく、長期的視点での役割も考えなければなりません。

短期的視点:業績目標の達成

業績目標を定め、その達成に向けて管理することが、短期的視点で見た時の営業マネージャーの第一の役割です。実際に営業活動を行うのは個々の営業担当者ですから、マネージャーはチームが目指す方向性を掲げるとともに、各人が達成すべき目標を明確に示さなければなりません。

ざっくりとした目標だけ掲げて、部下に「足で稼げ」などとハッパをかけるようなやり方は通用しません。チームメンバーに対して、メンバーがどんな行動を取ることで目標が達成できるのかを明確に示す必要があります。月単位、週単位、日単位というふうに、達成するべき目標を単位ごとに細分化する必要もあるでしょう。

実現可能な目標を示しチームで共有することで、各メンバーのモチベーションも高くなります。そのために目標の根拠をわかりやすく示すことも必要です。なぜその数値なのか、根拠もないまま「達成しろ」と言われても、メンバーは納得できずモチベーションが高まることもありません。具体的な根拠を示し、それを達成することにどんな意義があるのかを伝え、各人が高いモチベーションを持って行動できるように促すことが大切です。

実現不可能な目標はメンバーのモチベーションを下げますが、簡単に達成できるような目標も同様です。「能力を最大限に発揮して達成できる」難度の目標を提示された時に、メンバーのモチベーションが最大に高まります。

マネージャーは目標を設定する際、メンバーの意欲(=自ら達成したい)を引き出すことが重要です。マネージャーという立場で勝手に目標を設定するのではなく、メンバー合意の上で目標を設定し、達成に向けて目指すことに意味があるのです。

目標を達成するためには、そこに至るまでのプロセスを管理することも必要です。これも営業マネジメントの重要な役割で、各メンバーの進捗状況を把握するとともに、適宜フィードバックも行う必要があります。

フィードバックとは目標を達成できなかったメンバーを叱責することではありません。達成した場合も、そうでない場合も、「どのような点が良かったか」「改善点は何か」「さらなる改善のためには何が必要か」という視点でフィードバックを行うことが必要です。

長期的視点:人材の育成

長期的な視点に立てば、人材の育成こそ、営業マネジメントにおける中核と言えます。人材はあらゆる企業にとって財産です。つまりマネージャーには、組織の貴重な財産を正しく管理するとともに、優秀な人材へと育成することが求められます。

人材育成に熱意は大切ですが、昔のような精神論だけではもはや通用しません。いくら「もっと努力しろ」と言ったところで、それで業績がアップするわけではなく、逆にメンバーのモチベーションを下げることになってしまいます。

では、どうすればよいでしょうか。それは、各メンバーのパーソナリティーを把握し、強みを伸ばし弱みを克服できるように適切な道筋を示してあげることです。さらに、上から課題を押し付けるだけでなく、各自の自主性を尊重し、自ら行動できるよう成長を促すことです。それには、メンバーとの間に深い信頼関係があることが前提となります。そしてメンバーの信頼を得るには、マネージャーに高いコミュニケーション能力が求められることは当然です。

現実には「自分もプレーヤーとしてやっている以上、部下の育成まで手が回らない」というマネージャーが少なくありませんが、人材育成こそが組織の持続的な成長へとつながります。

ポイントは業績目標とメンバー育成の両立

ここまで触れてきましたが、営業マネジメントの役割とは、業績目標の設定や管理に加えて、その達成に向けて実際に行動するメンバーを育成することです。

目の前の目標を達成することに追われて短期的な視点に陥りがちですが、マネジメントでは人材育成という長期的な視点も欠かせません。もちろん、目標達成は重要ですが、短期的な視点にこだわると、望む成果を出せなかった部下を詰問したり叱責したりしてしまいがちです。

結果を求めることも大切ですが、より重要なことはメンバーが結果につながる適切な行動を実施しているかどうかを評価することです。マネージャーが「責任は自分が持つ」という態度で接すると、メンバーは結果を恐れず、自主性を発揮して行動できるようになります。そして成功体験を得ることで自己効力感が高まり、やがて組織を担う人材の育成につながっていくのです。

BtoBにおける営業マネジメントに必要な要素

BtoB営業組織のマネジメントにおいては、常に何のために何をやっているかを明確に意識して行動することが大切です。そこで、BtoBにおける営業マネジメントに必要な要素として、戦略、人材、組織という3つを紹介します。

戦略をマネジメントする

「戦略」とは、目標を達成するために掲げる全体的な道筋、方針のことです。一方、戦略と混同されやすい言葉に「戦術」があります。戦術は、戦略という道筋に沿って、具体的にどのように行動するかという手法を示します。営業では、チーム全体を導く方針(=営業戦略)の下、戦術という手法で個別案件に対処することになります。

各エリアの営業マネージャーは、上位部門(会社・事業部・営業本部)の戦略を受け、それらを自チームに適合するよう加工し、各メンバーの行動へと展開する必要があります。エリアやチームごとに状況が異なるため上位戦略をそのまま伝えるだけでは不十分です。営業マネージャーには上位戦略を現場に即して練り直し、メンバーを適切な方向に導くことが求められます。

戦略マネジメントについて、詳細を知りたい方は下記の関連記事をご参照ください。

人材をマネジメントする

人材をマネジメントする前提となるのが信頼関係の構築です。日々のコミュニケーションの中で互いの理解を深め、信頼感を高めていくことが重要です。

そのうえで営業マネージャーは計画を立て、人材育成に取り組んでいきます。短期的な業績目標達成と長期的な人材開発の視点から、メンバーの現状を理解し「どんな能力を」「どの程度」「いつまでに」高めるかという計画を本人との合意の上で進めていきます。人材マネジメントではメンバーに合わせた支援が重要になります。成熟度の低いメンバーには丁寧な指導が必要ですが、経験があり成熟度の高いメンバーに対してはコーチングスキルを活用し、メンバーの自律を引き出すかかわり方が効果的になります。

人材マネジメントについて、詳細を知りたい方は下記の関連記事をご覧ください。

組織をマネジメントする

個性も能力も異なる多数のメンバーからなる組織を、一つにまとめるのが組織マネジメントです。営業マネージャーには、チーム全体の方向性と向かう道筋を明らかにして、メンバー間の信頼感や目標達成への意欲を醸成することが求められます。メンバーが同じ方向に向かい、共通の目標に向けて情報やノウハウを共有しながら貢献するためには、チームビルディングのプロセスを理解し、メンバーに対して適切なリーダーシップを発揮するなどのマネジメントが必要となります。

組織マネジメントについて、詳細を知りたい方は下記の関連記事を参照ください。

営業マネジメント力を強化するために必要な取り組み

最後に、営業マネジメント力強化のために、マネージャーが普段から意識するべき取り組みをご紹介します。

目標やビジョンを言語化する

目指すべき目標や実現したいビジョンを明確に言語化する習慣をつけましょう。単に数字だけを目標として掲げても、達成した状態(=ビジョン)がイメージできなければ、メンバーのモチベーションを高めることはできません

営業に関する書籍や研修は多数ありますが、そこで紹介されているやり方をそのまま導入しても、うまくいくとは限りません。チームが目指すものを言語化してチームの共通認識として共有することでマネジメントを円滑に実行するポイントとなります。

成功プロセスを体系化する

成功へ至るプロセスを体系化し、チームで共有しておくことも大切です。営業マネージャーの多くはプレイヤーとしての成功体験を持っています。一方で活動が属人化しやすく、いざ指導する立場になると成功要因をうまく伝えることができないという壁に直面するケースが多くあります。

成功までのプロセスや要因を振り返り体系化したうえでチームで共有できれば、うまくいかない時にも、どこに無駄や問題があるかを客観的に把握できるようになります。自身の成功要因を抽出することで、再現性のある指導につながりメンバーの育成が効率的に実施できるようになります。

【まとめ】チームの営業力を強化するために

営業マネジメントの重要性を理解しているつもりでも、多くの組織では数値の管理だけに留まっているのではないでしょうか。BtoB営業組織においては、営業マネージャーが数値を達成するためのやり方やプロセスの体系化を考えなくてはなりません。短期・長期的視点で方向性を捉え、人材を育成し、継続的に成果を生み出すことのできるチーム作りを目指しましょう。

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