【図解あり】営業プロセスを見える化!具体的なステップとマネジメントのポイントを徹底解説!

営業プロセスとは、自社の営業活動プロセスを可視化したものです。リード(見込み顧客)の獲得からリードへのアプローチ、商談、契約、アフターフォローまでの一連の営業活動を「営業プロセス」と言います。この営業プロセスを見える化することで属人化しやすい営業活動を標準化することが可能です。

営業プロセスとは

先で述べたように、営業プロセスとは「顧客との最初の接点からヒアリングや提案を通じて、受注へと至る一連のプロセス」のことです。

BtoBの営業プロセス

BtoBにおける営業プロセスの場合、企業対企業のビジネスモデルになりますので、いったん購買へと至ることができれば、一度限りで終わるということは少なく、その後も継続的な取引へとつながるケースが一般的です。

BtoBでは、扱う商材の専門性が高く、購買価格も高額になる傾向があります。そのため、商談の過程で相手から要望や予算、納期などを引き出し、組織として購買することにどのようなメリットがあるのか、という合理的な理由を提案する必要があります。
そのような関連部門での検討や社内稟議等の結果に基づき、最終決裁権者が購買を決定するという流れになります。

BtoCの営業プロセスとの違い

上記のように、BtoBでは組織的な意思決定に至るまでプロセスが長くなるのが特徴です。最初に接触する担当者がたとえ前向きであっても、その時点で購買に至ることはほとんどありません。担当者が自社に持ち帰り、社内で検討し、その結果を持ってまた商談を行い、さらにその結果を社内に持ち帰り…というように、何度も商談を繰り返すことは珍しくないでしょう。企業として様々な利害関係者とも調整した上で最善の判断を下すには慎重にならざるを得ません。

一方、BtoCの場合、個人の消費者が相手になるため、BtoBほど長いプロセスを経ることはありません。最初に接触するその人が、最終的な決定権を持つことが多いからです。また、BtoBとBtoCの営業プロセスで押さえておかなければならないのが、購入者と最終的な決裁権を持つ人の違いです。BtoCではその相手を納得させることができれば、即購買へとつながります。

【図1】営業プロセス

営業プロセスの見える化とは

営業プロセスの見える化とはどういうことでしょうか。営業プロセスを図や表などを用いて可視化するというのが文字通りの意味ですが、より詳しく見ていきましょう。

営業プロセスの見える化とは

営業プロセスを見える化するということは、最初の接点から最終的な購買に至るまでの一連の流れ(フロー)を分解し図などに示して、目に見える形にするということです。なぜこうする必要があるのかというと、活動プロセスのどこに問題があるのかが発見しやすくなるとともに、抽出した課題に対して効果的な施策が打ち出しやすいからと言うことができるでしょう。

たとえば、訪問数のわりに成約に至る数が少ないという課題があるとします。営業プロセスを可視化できていないと、具体的にどの活動に問題があるのかがわからないので、「もっと訪問数を増やせ」などと闇雲な指示につながりかねません。もちろん訪問数を増やしたところで、結果につながるほど単純ではないですし、実際に営業活動を行う営業担当者が疲弊するばかり、という悪循環に陥りかねません。

その点、営業プロセスが見える化できていれば、たとえば「提案の仕方が良くない」など具体的な問題が見つかります。問題解決すべき課題を明確にできれば、あとは集中的にその部分に改善策を試みればよいわけですから、努力が成果に結びつきやすくなると言えるでしょう。

ブラックボックス化された営業プロセスに潜むリスク

営業プロセスが見える化されていないと、個々の営業担当者の能力に依存することになりやすく、営業活動がブラックボックス化することになってしまいます。結果、優秀な営業担当者が離職した途端に業績が悪化するということにもなりかねません。

営業プロセスを見える化して、全員が共通の認識を持つことができれば、現時点でどのフェーズにあり、何がボトルネックなのか、どこをクリアすれば次のフェーズに到達できるのかがわかるようになります。一方、それができておらずブラックボックスになっていると、クリアしなければならない問題があっても誰が、どのように対応するべきかが不明確で、商談が後手に回りかねません。

営業プロセスを見える化するメリット

営業プロセスが見える化されておらず、ブラックボックスになっていることにはリスクがあることがわかりました。では、見える化することによってどのようなメリットが生まれるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

営業プロセスのフローを最適化できる

まず、営業プロセスのフローを最適化できるということです。各プロセスが可視化されると、正確な情報を部内で共有できるようになります。営業活動のパターンやノウハウなどの属人化しやすい要素についても目に見えてわかるようになるため、どこに課題があるのかが明確になって、改善のためのアドバイスやアクションを起こしやすくなるでしょう。

営業活動を標準化できる

営業活動を標準化できることもメリットです。標準化とは、「誰がやってもこのレベルはクリアできる」という最低ラインが決まるということですから、全体的な営業生産性が高まります。要は、優秀な営業担当者だけが持つスキルやノウハウが、営業プロセスの見える化によってチームで共有されることになるということです。

効果的な人材育成ができる

優秀な営業担当者のスキルやノウハウが共有されるということは、即ち、優秀でない営業担当者のレベルアップにつながるということです。成果の出るやり方さえわかれば、今よりも高いパフォーマンスを発揮するという人材は多いでしょう。

また、新たに入ってくる人材の育成にも役立ちます。これまでは「先輩の背中を見て学べ」や「先輩のやり方を盗め」などと言われることも多かった営業活動ですが、それで通用するのは一部の人材だけです。組織全体を底上げするには、個々のプロセスを可視化し、どのようにアプローチするかなど具体的な言葉で説明できるようにして、効率よく育成を行うことです。その結果、従来よりも人材育成にかかる時間やコストが大幅に削減できます。

マネジメントを標準化できる

営業プロセスの見える化によって、実際に営業活動を行う営業担当者だけでなく、それを管理するマネジメント側にもメリットが生まれます。これを営業プロセスマネジメントと言います。行動管理を標準化できるため、案件の進捗状況がわからなくなったり、次に取るべき行動を助言、支援できなかったりといったことがなくなるでしょう。

営業プロセスを可視化させるステップ

営業プロセスを見える化するには、具体的に以下のステップを踏む必要があります。

ステップ①:お客様の購買プロセスを見える化する

営業プロセスを設計するには、まず、お客様が購買へと至るまでのプロセスを明確にする必要があります。お客様の購買プロセスとは、最初に自社の製品・サービスを知ってもらった段階から、最終的に購買を決断するに至るまでの一連のフェーズのことです。具体的には、課題の認識、その解決のための情報収集、複数の製品・サービスの比較検討、最終的な決定、購買というプロセスをたどります。

ステップ②:自社の営業プロセスを明確にする

先に明確にしたお客様の購買プロセスをもとに、次は自社の営業プロセスを明確にしていきます。お客様が購買に至るまでの具体的なフェーズごとに、自社がどんなアクションを取るべきかを考えます。この際に忘れてはならないのが、自社の利益を優先するよりも前に、お客様が得られる価値を最大化することです。それを目的に、具体的な営業活動を設計します。

もちろん、営業部門だけでなく他部門との連携も不可欠です。業務効率化には全社的な支援体制の見直しも必要になりますし、バックオフィスのサポートも欠かせません。どんな情報を共有するのか、それによってどんなシステムを構築しなければならないのか、誰が運用に当たるかといった具体的な項目に至るまで考えておくのがよいでしょう。

【図2】営業プロセスの見える化

ステップ③:営業プロセスを定義する

営業プロセスが明確になったら、さらに個々の行動に分解し、それを共通認識とします。

たとえば、営業では初回訪問というフェーズがあります。営業プロセスに「初回訪問」があるということは見える化されたとしても、初回訪問で具体的に何をどうするかはこのままでは不明確です。人によって、「まずパンフレットやデモ動画を見てもらう」、「先にヒアリングで課題を聞き出す」などやろうとすることが違う場合があります。

このように、初回訪問という点では共通認識があっても、具体的な行動が違ってはプロセスが進むにつれて、お客様の購買プロセスとのズレが大きくなり、最終的な受注率にも大きな差が生まれます。そうではなく、お客様から次のフェーズに進むことを承認してもらう「ゴール」を設定して、それを達成するために各フェーズで取るべき行動を具体的に定め、それらを全員の共通認識として浸透させるのです。

要は、新入社員やベテランにかかわらず、誰がやっても認識のズレなくフェーズが進んでいくように、営業プロセスを具体的に定義するということです。

【図3】営業プロセスを定義する

見える化した営業プロセスを定着させるためのマネジメント

せっかく見える化しても、それを定着させなければ意味がありません。では、どのようにして営業プロセスを定着させることができるのでしょうか。さまざまな角度から営業KPIの設定を実現します。

ポイント①案件量の営業プロセス・マネジメント

営業活動における案件とは、顧客となる企業との商談のことです。つまり、案件量のマネジメントとは、商談件数をどれだけ保有しているかを管理することを指します。営業担当者ごとの担当する顧客数や商談件数など量をマネジメントするには具体的なKPI(指標)を用いることが大切です。

ポイント②進捗状況の営業プロセス・マネジメント

案件量を把握できても、個々の案件がどの程度進捗しているかも同時に管理できていなければなりません。これが、進捗状況のマネジメントです。
商談回数は多くても、それが停滞していては何らかの対策が必要になります。案件量だけではわからなかったことが、進捗状況をしっかり管理することでわかるようになりますので、受注率などを始めとして進捗状況を把握するための具体的なKPI(指標)を用いるようにしましょう。

ポイント③行動量の営業プロセス・マネジメント

案件とその進捗状況に加え、さらに営業プロセスを細かくKPI(指標)管理するために必要となるのが行動量のマネジメントです。具体的にどんな行動を何回取っているのか、また、1回あたりにかかる時間などを管理し、分析します。そうすることで、どうすれば最短で受注へとつなげられるかを適切にアドバイスできるようになるでしょう。
行動量をデータとして蓄積していくことで、営業活動を標準化することにもつながります。標準化されたプロセスに従って行動することで、新入社員でも中途採用者でも優秀な営業担当者と同等の成績を上げることも可能です。

【図4】営業プロセスマネジメント

関連記事:営業プロセスマネジメントについて、詳細をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。

ツールを活用して効率的にマネジメントする

営業活動のマネジメントはツールを活用した方が効率的です。

SFAを活用した営業プロセスマネジメント

SFAとは、「Sales Force Automation」のことで「営業支援システム」と呼ばれるツールです。顧客情報を始め、案件数や進捗状況、受注率などの営業活動に関するあらゆるデータを蓄積することができます。また、営業の各プロセスの情報をリアルタイムで共有できるため、各メンバーに適切な指示を出すのにも有用です。

ツール定着のポイントはマネージャーのかかわり方

どんなに便利なツールでも、それが定着できなければ意味がありません。しかし、営業担当者の中には、自分で培ったスキルやノウハウを人に教えたくないという人もいるでしょう。自分の優位性を確保するために生じる心理です。また、評価が下がることを恐れてミスやトラブルまで共有したくないと考える人もいます。

ツール定着を妨げる要素として上記のようなことが考えられますが、これをクリアするには、マネージャーの各人へのかかわり方にかかってきます。情報を共有することで不利が生じることはないと安心させるとともに、実際にルールとして明文化しておくことなどマネージャーがやるべきことは少なくありません。

まとめ:営業プロセスの見える化は顧客への提供価値を最大化できる

営業プロセスを見える化しマネジメントすることによって、属人化しやすい営業活動を最適な状態で標準化できるようになります。それはつまり、顧客に提供する価値を最大化することと同義です。もちろん自社の営業パフォーマンス向上にもなり、収益アップにもつながるでしょう。SFAなどのツールも用いながら、営業プロセスの見える化を図ってみてはいかがでしょうか。

【図5】営業プロセスをマネジメントする