2024.03.16 (更新日:2024.04.01)

マネジメントノウハウ

ナレッジマネジメントとは?基本的な知識から導入のポイントまで詳しく解説!

ナレッジマネジメントとは、従業員の持つ知識やノウハウである「ナレッジ」をチームや組織全体で共有し、チームや組織全体の生産性や競争力の向上、さらには新規事業の開発に繋げる経営手法です。働き方が多様化する現代において、ナレッジマネジメントは様々な業種や業態の企業から注目されています。

ここでは、ナレッジマネジメントの意味や目的について詳しく解説します。ナレッジマネジメントを取り入れる際に意識すべきポイントや注意点、さらには実際の導入事例もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

ナレッジマネジメントとは

まずは、ナレッジマネジメントの持つ意味をはじめ、ナレッジマネジメントの考え方をチームや組織運営に取り入れる目的についてご紹介します。ナレッジマネジメントが注目されている背景についても解説しますので、ぜひ参考にしてください。

ナレッジマネジメントの意味

ナレッジマネジメントの「ナレッジ」とは、知識や知見、そしてスキルやノウハウなど、業務を行う上で役立つ様々な情報のことです。ナレッジマネジメントとは、チームや組織に所属する社員のナレッジを把握し、全体で共有・活用するという経営手法を指します。

業務を行う上で身につけた知識や知見、ノウハウや技術力、さらには顧客情報を個人や特定の部署のみで蓄積されることはあっても、他の部署やチームには共有されずに活用されていないケースも多く存在します。業務のやり方はもちろん、チームによって営業成績にばらつきが出るなど、様々な問題が生じてしまいかねません。

そのような問題を解決するためにナレッジマネジメントの手法が大いに役立ちます。メールを使って情報共有するような簡易的な手法はもちろん、ITツールを導入してシステム上で情報を管理するといった高度な手法まで、ナレッジマネジメントには様々な取り組みがあるのです。

ナレッジマネジメントの目的

ナレッジマネジメントの意味や考え方について理解できたところで、ここからはナレッジマネジメントの目的についてご紹介します。ナレッジマネジメントの活用目的は、大きく分けて以下の4つです。

・人材育成
・サステナビリティの実現
・業務改善と効率化
・顧客対応力の強化

業務の中で培った知識、ノウハウや経験、さらには顧客情報といった情報資産は、人材育成の現場でもそのまま活用できます。

また、業務にあたる上でのトラブルなどの様々なリスクに関するナレッジを蓄積することで、サステナビリティの向上にも繋がります。例えば、システム障害によって顧客情報が閲覧できない状態となってしまっても、問題解決に関するナレッジが共有できていれば、早急に復旧できるでしょう。

さらに、蓄積したナレッジを共有できそうな業務や部署があった場合、業務効率が上がったり、業務内容の改善に繋がったりする可能性があります。

顧客対応をする現場のナレッジを共有することで、企業や組織全体の顧客対応力もアップするでしょう。顧客対応の質はもちろん対応スピードもアップすることで、顧客満足度の向上に繋がります。

ナレッジマネジメントが注目を受けている背景

これまでは、終身雇用制度を前提に長いスパンをかけて社員の教育や育成を行ってきました。しかし、バブル崩壊や就職氷河期があった平成時代からは終身雇用制度が徐々に崩壊し始め、働き方が多様化しつつあります。

人の入れ替わりが激しくなるほど、人材が抱えていたノウハウや知識などのナレッジが共有されないままになりかねません。ナレッジがかけてしまうことで業務効率が低下してしまう事態となるため、企業や組織は知的リソースを積極的に蓄積する必要性が増してきたのです。

また、感染症の流行や物価高騰などの様々な社会的要因も相まって、日本企業はグローバル市場に台頭していかなければならない状況に直面していること、そして多様化する顧客ニーズに対して適切に対応することも、ナレッジマネジメントは必要とされている大きな理由と言えるでしょう。

常に変化し続ける状況に順応するためには、従来通りの働き方では太刀打ちできないケースも少なくありません。ナレッジマネジメントを活用して新しい情報を常に取り入れて進化し続けることが重要なのです。

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ナレッジマネジメントにより期待できること

ナレッジマネジメントは人材育成や業務改善や効率化などに役立てることが目的ですが、どのようなメリットが期待できるのでしょうか。

業務効率化による生産性の向上

ナレッジマネジメントを行うことで、それぞれの社員が持つノウハウや知識を組織全体で共有でき、最終的には社員のスキルアップに繋がります。特に、優秀な社員のナレッジを企業内で共有することで、若手の人材育成などを効率よく実践していけるでしょう。

例えば、営業成績トップの社員のノウハウを営業部門の社員全体に共有・実践することによって、組織全体の売上アップに繋がるなどが具体例として挙げられます。

また、企業が抱えるナレッジを一元管理することによって、社員が求める情報をスムーズに引き出せる仕組みを作ることも可能です。必要な情報を探す手間や時間を削減することで企業全体の生産性も向上します。

さらに、社内で知識を共有することで誰でも業務にあたれるようになるのも大きなメリットです。業務のやり方を熟知する特定の社員のみに皺寄せがいくことがなくなり、チームや組織全体の業務効率が大幅にアップするでしょう。

顧客満足度の向上

ナレッジマネジメントを浸透させることは、結果として顧客満足度の向上に繋がります。

ナレッジマネジメントに取り組むことで、ベテラン社員や優秀な社員が持つノウハウや知識を若手社員や新人社員に伝授できるため、より多くの社員のスキルアップに効果を発揮できます。社員がスキルアップすることで、顧客対応力や問題解決能力の向上にも繋がり、結果として対応品質が改善されるでしょう。

提供するサービスが複雑な場合や取り扱う内容が専門的であればあるほど、顧客からの問い合わせも高度となり、社員が覚える内容が増えてしまいがちです。しかし、顧客対応をはじめ、業務にあたる上で必要な知識をしっかりと整備して共有することで、企業や組織としての生産性が向上する可能性があります。

さらに業務を効率化することで時間に余裕が生まれるため、より丁寧な顧客対応やフォローを実践できるのも大きなメリットです。

企業自体の競争力向上

ナレッジマネジメントを導入することで、社員一人ひとりが正確な情報や業務マニュアルにアクセスできる環境が整います。営業データやノウハウ、顧客情報など、業務を行う上で重要な情報を必要なタイミングで必要な人たちが自由にチェックできるようになるでしょう。

その結果、社員一人ひとりのパフォーマンス力が高まり、企業としての競争力を高めることに繋がります。変化し続ける顧客のニーズに応えるためにも、競争力向上は非常に大切な要素です。ナレッジマネジメントをうまく実践することで他社に対抗できる競争力を身につけていきましょう。

ナレッジマネジメントの基礎

ナレッジマネジメントを実践する上で重要なのが、ナレッジマネジメントの理論を理解することです。ナレッジマネジメントは、はっきりと明示化されていない主観的で感覚的な知識である「暗黙知」を主観的な知識に言語化した「形式知」に変換することが重要とされています。

ここからは、ナレッジマネジメントの基礎知識として知っておきたいポイントを詳しくご紹介します。

暗黙知と形式知

ナレッジマネジメントを理解する上で知っておきたい「暗黙知」と「形式知」の2種類の知識タイプについて解説します。

暗黙知

暗黙知とは、言語化や図式化などではっきりと明示化されていない属人的なスキルやノウハウ、さらには暗黙の了解で作られた手法や事例のことです。つまり、個人が持つ知識や経験、ノウハウや勘など、言葉や数値では表現しにくい知識を指します。

例えば、優秀な人材が持っているスキルやノウハウは、その人材のみが持っている暗黙知であり、マニュアル化されていないケースがほとんどです。暗黙知が豊富にあったとしても、チームや組織全体で共有・実践されなければ組織全体のスキルアップは実現できずに、暗黙知を知っている人材のみの成果となってしまうでしょう。

形式知

形式知とは、主観的でかつ感覚的な知識を文章や数値として表した知識のことです。誰が見ても理解できるようにまとめられたマニュアルやレギュレーションがこの形式知に該当します。「明示的知識」と呼ばれることもあります。

形式知は、言語化できる知識、もしくは言語化された知識であることから、明確に理解できる有益なものです。さらに、チームや組織全体で誰もが活用できるというメリットもあります。

資料DLリンク:営業組織の形式知について解説した資料はこちら

ナレッジマネジメントにおける4つの要素

ナレッジマネジメントでは、チームや組織内にある主観的で直感的である「暗黙知」を「形式知」に変換する作業を行います。そして、形式知を受け取った者が暗黙知として吸収し実践に移すサイクルを繰り返すことによって、組織全体を知的に進化させていくのです。

ここからは、ナレッジマネジメントにおける4つの要素についてご紹介します。

SECIモデル

SECI(セキ)モデルとは、ナレッジマネジメントのフレームワークの一つです。それぞれの社員が持つ知識や経験、ノウハウなどの暗黙知を形式知に変換し、組織全体で共有管理することで、新たな知識を生み出すと考えられています。

SECIモデルは、共有の体験を通して暗黙知を形式知に移転させる「共同化プロセス」、個人の暗黙知を言語化し共有する「表出化プロセス」、異なる形式知を組み合わせて新たな知識を生み出す「連結化プロセス」、そして、新たに得た形式知を学習によって体得する「内面化プロセス」の4つのプロセスで成り立っています。

この4つのプロセスはスパイラル構造となっており、常に繰り返すことによって、よりハイレベルなナレッジを共有し、習得できると考えられているのです。

場(ば)

先ほどご紹介したSECIモデルを活発に実践するためには、それぞれのプロセスに適した「場」が必要と考えられています。

共同化プロセスにおいて重要なのが「創発の場」です。創発の場では、他者の考えや思い、経験などを共有します。例えば、OJTやロールプレイング、営業動向といったように先輩との共同作業や職場での雑談などもこの創発の場に該当します。暗黙知が伝わることで、共同化が行われるのです。

表出化プロセスにおいては、他者との対話によって暗黙知を言語化する「対話の場」が重要です。雑談のようなフラットに話し合いを持てる機会で表出化しやすいと考えられています。

連結化プロセスにおける「システムの場」では、形式知が整理されて、複数の形式知が組み合わせられます。ICTやSNSを活用することで形式知を集約して閲覧できる仕組みを作りやすくなるでしょう。

内面化プロセスにおける「実践の場」では、形式知を自分の技術や経験によって暗黙知に変換する機械を指します。形式知はそのままだと断片的な情報に過ぎません。研修やシミュレーションを通して実践することで初めて自分の知識として落とし込めるのです。

知識資産

知識資産とは、人材や技術、組織力や顧客とのネットワークなど目には見えない資産のことです。SECIモデルを実践する際にそれぞれの「場」で創造・共有される知識資産は、競合他社に打ち勝つために、そして社会で勝ち上がるために必要不可欠な資産でもあります。

知識資産には、経験によって得られる「経験的知識資産」、組織の中にある理念やコンセプトなどの「概念的知識資産」、マニュアル化されて体系化された「体系的知識資産」、そして組織内に日常的に存在する「向上的知識資産」の4つに分類されます。

これらの知識資産をどのように創造・蓄積、活用していくかが組織を運営・経営していく上で重要です。

ナレッジリーダーシップ

ナレッジマネジメントで成果を出すためには、ナレッジリーダーとしての役割を認識することが大切です。ナレッジリーダーシップとは、リーダーが行うべきことを意味します。

ナレッジリーダーとしての役割には次の通りです。

・知識ビジョンを作る
・知識資産を繰り返し再定義し続ける
・再定義された知識資産が知識ビジョンにマッチしているかをチェックする
・場を作り、活性化させる
・SECIプロセスをリードして、正当化させる

ナレッジリーダーには、チームや組織における具体的なビジョンを掲げるという重要な役割があります。そして、それぞれの場で創造された新しい形式知を繰り返し再定義し続けながら、当初掲げた知識ビジョンにマッチしているかを確認する役割も担っているのです。

場を活性化させ、知識資産をうまく活用しながら部下のモチベーションを高めることも求められています。

ナレッジマネジメントにおける4つのタイプ

ナレッジマネジメントは、目的と手段の組み合わせで4つのタイプに分類されます。チームや組織の状況に適したタイプを選んだ上で実践してみてください。

ベストプラクティス共有型

いくら優れたノウハウを持っている社員がいたとしても、ノウハウや技術が共有されなければ組織全体の生産性や競争力は高められません。そこで、ベストプラクティス共有型では、過去の成功事例や優秀な社員の知識やノウハウを形式知化し、チームや組織レベルで活用していきます。

まずは、共有したいナレッジをマニュアル化し、それらの情報ツールに蓄積していきます。すべての社員がいつでも閲覧できる仕組みを作ることで、チームや組織に所属するすべての人たちの能力水準を底上げしていくのです。

個人の成績や業績が評価に大きく影響する場合は、自分のノウハウや知識を他者に教えたくないという心理が働いてしまいがちです。これを「ジョブセキュリティ」と呼びます。また、優秀な社員であるほど多忙になりがちなため、マニュアル化する時間を確保できないケースもあるかもしれません。

ノウハウや知識をマニュアル化するためには、評価制度を含む組織のあり方を含めて検討する必要があります。

専門知ネット型

専門的な知識を持つ人同士を繋いで、問題や課題を解決する方法を指します。組織にある専門知識をすべてデータベース化して、FAQとして活用するケースが一般的です。質問に対するアンサーを予め用意することで、担当者の負担を減らすとともに、別の業務にあたる時間を確保できるでしょう。

専門知ネット型は、ベストプラクティス共有型と同じように、知識を持つ側からアウトプットする必要があります。そのため、専門家や専門的な知識を持つ社員から知識を引き出す環境づくりや仕組み作りが重要です。

知的資本型

チームや組織において蓄積された膨大な知識データを経営戦略に落とし込む方法です。分散しているナレッジを集約し、業務効率向上、さらには収益アップを目指す手法を指します。

これまでの業務で培った知識データを整理・分析し、過去のデータに基づいて戦略的な経営を実現できるのが特徴です。さらに、他者の強みや成功事例を参考にすることで、自社における業務プロセスの見直しや経営戦略の立案にも役立つでしょう。

顧客知識共有型

顧客からの問い合わせやクレーム対応などの履歴をデータベース化して組織全体で共有することで、それぞれのケースにおける最適な対処法を導き出せる手法です。

実際に発生したクレームやトラブルの内容を参照することで、これまでに経験したことがないパターンに遭遇したとしても適切に対応できるようになります。顧客知識が多いほどデータベースが増えるため、知識資産価値を高められるでしょう。

組織全体で共有することで、チームや部署ごとに対応の差が生じなくなるため、顧客満足度の向上にも役立ちます。

ナレッジマネジメントを導入する上で意識したいポイント

ここからは、ナレッジマネジメントをスムーズに導入する際に意識したい3つのポイントをご紹介します。

導入する目的や意図を明確にする

ナレッジマネジメントを導入する目的や意図を明確にし、チーム全体に周知徹底していくことが大切です。そのためには、チームや組織が抱える課題や問題点は何かを考えて現状をしっかりと把握すること、そしてどのように改善していきたいかを明確にする必要があります。

企業や社員にとってナレッジマネジメントを実行することによってどのようなメリットがもたらされるかを理解できれば、チーム全体で知識資産を共有できるでしょう。

知識・情報を共有できる仕組みを形成する

ナレッジを気軽に共有できる仕組みづくりも重要なポイントです。ナレッジの共有は、日々の業務の合間に行われることが多いため、どうしても後回しになりがちになってしまい、結果としてナレッジマネジメント自体が形骸化してしまう危険性があります。

目的に合わせたITツールを導入するなどして、隙間時間を活用してナレッジ共有できる環境や仕組みを整えていくことが大切です。

ツールを導入する

目的や意図を明確にしてナレッジマネジメントを実行する仕組みづくりができたら、最後に目的に合ったITツールの導入を検討しましょう。

最近では、ナレッジマネジメントに特化したクラウドツールやソフトウェアも多数リリースされています。使いやすさや目的に合わせてツールを選ぶことで、業務効率が格段にアップするでしょう。もちろん、ランニングコストはかかりますが、利用人数に合わせたプランを選択すれば無駄な費用は発生しません。

ほとんどのITツールで無料トライアル期間を提供していますので、使い勝手をチェックした上で最終的に利用するツールを選んでください。

ナレッジマネジメントを導入する上で注意したいポイント

せっかくナレッジマネジメントを導入しても、うまく活用できなければ意味がありません。ここからは、ナレッジマネジメントの導入を成功させるために注意していただきたいポイントをご紹介します。

評価制度や体制を見直し定めておく

ナレッジ共有を成功させるためには、人事評価制度や体制の見直しが必要不可欠です。自分の知識やノウハウを他の社員に共有したくないと考える社員は必ず存在します。

ナレッジ共有することが社員にとってマイナス要素とならないためにも、過剰な成果主義から脱却した新たな人事評価制度や組織体制にシフトしていきましょう。

自らナレッジ提供したくなる仕組みをつくる

ナレッジマネジメントでは、特定の暗黙知を持つ社員にとって大きな負担となるため、不満を感じられてしまいがちです。ナレッジマネジメントの重要性を理解できていないと、うまく機能しないケースも考えられます。

そのような事態に陥らないためにも、社員の意識改革をすること、そして知識の共有を行った場合に何かプラスの評価を与えることで積極的にナレッジマネジメントを行う仕組みを作ることが大切です。

自身で考えることの重要性も合わせて周知する

ナレッジマネジメントを進めていくと、業務プロセスのマニュアル化を実現できるはずです。しかし、すべての業務をマニュアルありきで行ってしまうと、社員が自ら考えて行動する機会が大幅に減少してしまいます。その結果、社員のモチベーションや思考力の低下に繋がるケースも考えられます。

マニュアル化による業務効率アップを図りながらも、社員が自ら考えて行動する力をトレーニングするようなマネジメントも併せて意識することが重要です。

ナレッジマネジメントの成功事例

ここからは、ナレッジマネジメントを導入した企業の成功事例をご紹介します。

花王株式会社

ヘルスケア商品の開発・提供を行う株式会社花王では、MIS(マーケティング・インテリジェンス・システム)や花王独自の「花王エコーシステム」などを活用することで、顧客からの声を商品開発やサービス向上に落とし込む仕組みを導入しています。

顧客から集まった声をシステム上にデータベース化し、商品開発部がいつでも閲覧・参照できる環境を整備したのです。その結果、幅広い顧客ニーズを把握しながら商品開発をすることで、メガヒット商品の開発に成功しました。

富士ゼロックス

富士ゼロックスでは、車内に「何でも相談センター」を設け、営業からの問い合わせになんでも答える部署を設立しています。この「なんでも相談センター」は公募で募った営業担当者から構成されており、相談員は1ヶ月に2,000件以上の相談に答えているそうです。

相談センターに寄せられたFAQは、50ものカテゴリー別に分類され、データベース上で管理されています。このデータベースは社内公開されているため、営業スタッフのみならず、すべてのスタッフが閲覧可能です。

株式会社再春館製薬所

コールセンター業務でナレッジマネジメントを取り組むことで、業務の効率化を図っています。必要な情報を素早く引き出せるように改善し、離職率の低下も期待される効果の一つです。

国土交通省

コンテンツ内の検索性能が高く、編集も比較自由にできるイントラネット用のブログツールを活用し、防災対応業務におけるノウハウを集積し、災害時における迅速な対応が可能になっています。

これらの事例は、ナレッジマネジメントが業務効率化、情報共有の円滑化、顧客満足度の向上など、多岐にわたる効果をもたらすことを示しています。この仕組みを導入することで営業マンの業務効率化だけでなく、全社員のキャリアアップにも高い効果をもたらしています。

まとめ】ナレッジマネジメントを活用し、競争力向上を図ろう

ナレッジマネジメントの基本的な考え方をはじめ、ナレッジマネジメントを導入する際に意識すべきポイントや注意点、さらには実際の導入事例をご紹介しました。

ナレッジマネジメントは、企業が保有する隠れた資産を活用して、組織全体の生産性を向上させる取り組みです。ご紹介した内容を参考にしていただき、ナレッジマネジメントを大いに活用し、企業としての競争力向上を図ってみてはいかがでしょうか。

資料DLリンク:ナレッジマネジメントを営業組織で活用するためには