2023.07.20 (更新日:2024.03.26)
組織営業とは?目的や重要性、メリットや行う上でのポイントまで幅広くご紹介!
一般的に営業部門は、担当者それぞれが個人で動くものというイメージが強くありますが、チームや組織として営業活動やマーケティングをする以上、個人の勝手な判断や考え方で行動するのは大変危険です。
営業力強化に課題を抱えている場合は、組織営業の定着を図ることをおすすめします。組織営業とは、組織全体で共通する営業活動の仕組みを作り、チーム全体で売上の最大化を目指すための取り組みのことです。
本記事では、組織営業の概要をはじめ、目的や重要性について詳しくご紹介します。実践することでどのようなメリットがもたらされるかも解説しますので、営業力強化について模索している経営者の方やマネジメント層の方はぜひ参考にしてください。
目次
組織営業とは
組織営業の概要を理解するために、組織営業の定義や目的について解説します。
組織営業の定義
組織営業は、個々の営業担当者が独立して行う営業活動ではなく、組織全体で統一した営業の仕組みや管理方法を構築し、個人に頼る営業ではなく組織やチーム全体で売上拡大を目指す営業活動のことです。
それぞれの営業担当者の力量や裁量に任せるのではなく、組織全体で策定した戦略に基づいて、担当者全員が共通のゴールに向かって努力する必要があります。
営業活動には様々なプロセスがありますが、すべてのプロセスを1人の担当者が担うのではなく、プロセスを細分化して役割分担することで、1人で営業活動するよりも何倍もの成果が見込めるのです。
関連記事:営業プロセスを可視化する手順についてはこちらの記事で解説しています
組織営業の目的
組織営業の目的は、次のようなものが挙げられます。
▽組織営業の目的
・一貫した顧客体験の提供
・組織全体としての営業効率の向上
・組織の持続的な成長
社員一人ひとりが同じ方向に向かって営業活動に邁進することで、チームとしての組織力や営業力が高まり、営業効率の向上が期待されます。さらに、顧客への対応が統一されることによって、企業としてのブランド力や信頼性の向上、さらには組織の持続的な成長にも大きく貢献するでしょう。
関連記事:組織開発に効果的なフレームワークを活用して、組織の一体感を高めませんか?
組織営業を行うメリット
組織営業を実践することで、次のようなメリットがもたらされます。
・営業の属人化を防ぐ
・営業の型ができる
・マネジメントがやりやすくなる
・個々の社員の能力が向上する
・教育にかけるコストを削減できる
・継続的な組織の成長を促せる
それぞれの内容について詳しく見ていきましょう。
営業の属人化を防ぐ
組織営業を実践することで、営業の属人化を防ぎ、安定した営業スタイルを確立できます。
営業の属人化とは、営業業務の内容や必要なノウハウや知識がチーム・組織内で共有されずに、特定の個人のみが把握している状態を指します。属人化が深刻化してしまうと、特定の優秀な社員に依存した体制になりやすく、個人の力量によって営業成績が大きく左右されてしまうのです。
依存していた人材がチームを離れてしまうと、それまでの営業ノウハウが失われるだけでなく、最悪の場合は顧客離れのリスクも高まります。特定の個人に依存しすぎないチーム体制を構築するためにも、組織営業の考え方が非常に大切です。
関連記事:営業の属人化を解消する方法はこちらの記事で解説しています
営業の型ができる
共通の営業戦略や手法を確立することで、営業の「型」ができ、それを元に営業活動を行えます。この「型」は組織全体の知識として蓄積され、新しいメンバーへの教育やトレーニングに役立つでしょう。
関連資料:「営業スキルの型を体系的に習得できる」営業スキルトレーニング
マネジメントがやりやすくなる
組織営業では、チームに所属する全員が共通の目標に向かって営業活動をするため、マネジメントがしやすいのが大きな特徴です。それぞれの営業員のパフォーマンスを公平に評価でき、必要な指導やサポートを提供しやすくなるでしょう。
個々の社員の能力が向上する
組織営業では、チーム全体でノウハウや情報を共有するため、それらの情報を元に、それぞれの営業担当者は自分のスキルを高められます。特に、優秀な営業担当者の成功の法則や行動特性などのプロセスを体系化することで、営業活動の再現性を獲得できるのは大きなメリットです。
共有された情報を元に、ロールプレイングを実施することで、顧客対応力やコミュニケーション能力、そして協調性なども同時に高められるでしょう。
教育にかけるコストを削減できる
組織営業では、共有の知識やノウハウを元に新入社員の教育が行われるため、教育にかける時間とコストを大幅に削減できるでしょう。自社で蓄積した情報資産を活用することによって、外部に教育を委託する必要もなく、体系的に社員教育を進められるのが大きなメリットです。
関連記事:効果的な人材育成のポイントはこちらの記事で解説しています
継続的な組織の成長を促せる
組織営業は、チーム内で常に蓄積されるノウハウや知識をベースにしながら、継続的に営業戦略を策定し直します。その結果、組織全体としての成長を継続的に促進できるでしょう。
組織営業を行う上でのポイント
組織営業を実践する上で押さえるべき3つのポイントは次のとおりです。
・情報共有しやすい環境、ツールを整備する
・目標を明確にしてチーム全員が行動数にコミットする
・PDCAを定めてしっかりと回していく
それぞれの内容について詳しくご紹介します。
情報共有しやすい環境やツールを整備する
組織営業の成功のためには、営業担当者が個別に持つ情報やノウハウをスムーズに共有できる環境の整備やツールの導入を検討してください。
顧客情報をはじめ、商談情報や案件情報など共有するためには、SFAやCRMなどのITツールの導入がおすすめです。適切なコミュニケーションツールを利用して、全員が必要な情報に容易にアクセスできるよう整備してください。
目標を明確にしてチーム全員が行動数にコミットする
組織営業では、売上の目標を定めるだけでなく、売上目標を達成するための行動目標や方針についても定めることが大切です。共通の目標を設定し、その目標に向けた行動に全員がコミットする必要があります。組織営業は目標とその道筋が営業チーム全体に共有されて初めて実行できるといえます。
PDCAをしっかりと回していく
組織営業では、PDCAサイクル(Plan、Do、Check、Act)を定期的に回し、設定した行動目標が適切だったか、そして想定通りの成果を出せたかを確認する必要があります。分析・改善の作業を繰り返すことで、組織全体の課題改善と成長を継続的に実現できるでしょう。
営業活動の見える化が成功の第一歩
組織営業を行う上で、営業活動の透明性を確保することが重要です。個々の営業担当者の活動内容や営業成果を具体的に把握し、可視化することで全体の進捗を確認し、必要な改善策を講じられます。
見える化することによって得たデータを元に、問題点や改善点がないか考察できるだけでなく、目標達成の進行状況をチェックしたり、公平な評価やフィードバックを提供できたりするなど、様々なメリットがもたらされます。
【まとめ】企業として安定的に成長するためには組織営業が必須!
組織営業は、営業の属人化を防ぎ、営業の効率化や組織全体の成長を促進する営業手法です。属人化が進んでしまうと、チームを離れたり、離職したりした場合に業績に大きなダメージが生じてしまいます。
企業として安定的に成長するためにも、組織営業を実践し、企業全体の営業力を高めることが重要です。本記事でご紹介した組織営業の概要やメリット、実践する際の注意点を理解し、自社の営業活動をより活発化させ持続的な成長につなげていきましょう。