2022.04.01 (更新日:2022.05.31)

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営業とマーケティングの違いとは?営業力を底上げするポイントを解説

案件の受注までに至るにはいくつもの異なるプロセスが関係していて、それぞれを的確な手法で行う必要があります。特に重要なのは、「マーケティング」と「営業」という2つの軸です。その違いについて理解すると共に、これらを効果的に組み合わせることが求められます。

営業とマーケティングの役割

どちらもリードにアプローチして購買意欲を高め、成約まで導くという最終的な目的は同じですが、具体的な役割は異なります。そこで、まずは営業とマーケティングのそれぞれの定義を知っておくことが大事です。

営業とは

お客様となる個人もしくは企業との対話によって、受注まで誘導するプロセスを指します。当然、見込み顧客(リード)となる対象を見つけるためのリサーチをしたり、そのターゲットについての分析をしたりする作業も含みます。しかし、一般に「営業」という場合はリードとの対話にもとづく商談を指すことが多く、最も重要度の高い部分となります。「営業活動は、お客様と共にプロセスを前に進める活動」とも言われます。
その方法としては、直接対面することもありますし、チャットやメールなどのオンラインで行うこともあります。商談をして契約が取れた後の契約書交付や受注手配、納品、アフターフォローといった総合的なお客様サポートまでを営業活動として含めているケースもあります。

マーケティングとは

販売したい製品・サービスもしくはサービスをアピールする業務を指します。製品・サービスの特性や競合他社の調査をした上で、特に訴求したいポイントを見つけます。そのためには、市場全体のリサーチをしたり、ターゲット層を絞り込んでいったりする必要もあります。アピールの手段としては、テレビCMやネット広告、メルマガ、ダイレクトメールなど、様々です。対象も、完全に不特定多数のこともあれば、自社サイトの会員登録をしたユーザーなど、限定することもあります。いずれにしても、商品の広告・宣伝を行うことで、知名度や関心を高めるのが目的となります。場合によっては、市場調査をしてニーズを把握してから、新たな製品・サービス開発をすることもあります。

営業とマーケティングの違い

営業とマーケティングでは、そもそもの仕組みやプロセスの違い、求められるスキルの差があります。その差を理解して使い分けると共に、バランスよく連携することで、より高い効果を生み出せます。

違い①仕組みと販売

営業では、オフラインであれオンラインであれ、それぞれのリードと対話する形を採ります。一方で、マーケティングでは個ではなく、対象をグループもしくは層で考えています。そのため、営業はリードにアポイントを取り、対話することで範囲を狭めるやり方です。他方、マーケティングは広く情報を発信しますので、絞り込みをしながらも、広い範囲に伝える仕組みを採ります。

また、マーケティングではあくまでも知名度などを上げることを目的としますので、マーケティング部が直接契約を結ぶことは基本的にありません。その点、営業はお客様と契約を結ぶことが目的ですので、直接販売までするのが特徴です。

違い②順番

マーケティングで製品・サービスのことを知ってもらい、ターゲットの関心を高めます。そして、その中からより購買意欲の高いリードを抽出して、個別にアプローチするために営業します。つまり、マーケティングの次に営業という順番になります。そのため、営業がしやすいようにマーケティング戦略を練る、マーケティングで強調されたポイントを活かして営業をするという連携が求められます。

違い③スキル

マーケティングでは、認知度の低い製品・サービスを知ってもらう必要があります。そのため、より多くの人の興味関心を引く、インパクトの強い訴求法を分析し、企画する必要があります。また、ネット広告や街頭広告などを使いますので、メディアの事情に通じていることも大事です。一方で、営業は個人であれ企業であれ、人と対話するのが仕事です。コミュニケーション能力や個別の案件に柔軟に対処できるスキルが求められます。

このように、マーケティングと営業には明らかな違いがあります。共通しているのは、時代の流れによって、その手法や効果の出やすいメディアなどが変化していることです。そのため、本質を知ると共に、現在そしてこれから有用と考えられる手法を知っておくことが大事です。

より詳細な違いを知りたい方は以下をご覧ください。

営業戦略とマーケティング戦略

どちらも受注を得るために欠かせないプロセスですので、できるだけ効果的な手法を選ぶ必要があります。その点、営業にしても、マーケティングにしても、研究と実証が重ねられ、戦略立案で重視すべきポイントがどこにあるかが分かっています。これから戦略を立案するに当たって、こうしたポイントを理解しておくと、より良い検討ができるでしょう。

代表的な営業戦略

営業は契約まで導く最終的なプロセスとなりますので、購買を促すための直接的な戦略を立てる必要があります。たとえば、セグメントごとに共通の事業課題や競合商品との比較をすることを軸として、営業戦略を立てることができるでしょう。特に、お客様が該当する製品・サービスについてニーズを感じているのであれば、後は他社との比較をして決定をするだけですので、有効な手段となります。

もう一つの戦略は、お客様の課題やニーズを見て、それにぴったりとはまる製品・サービスであることを示す手法です。有益な製品・サービスであり、長期的にお客様の業務に役立つことが分かれば、購買意欲が高まります。

代表的なマーケティング戦略

市場の分析が戦略の軸となります。その中でも、現在ニーズがあるものを重視するのか、これからニーズが高まっていくものを先行するのか、戦略の違いが出てきます。分析のスキルと経営判断が求められるところでもありますので、明確な指針を持って検討すべきところです。その上で、お客様目線で価格設定や使いやすさ、サポート体制などで自社が優位に立っている面を確認し、前面に出してアピールする戦略を立てられます。

営業担当者とマーケティング担当者に求められるスキル

今まで見てきたように、営業とマーケティングでは役割が違うため、担当者に求められるスキルにも差が出てきます。それぞれにどんな人材を据えたら良いのかを考える基準となりますので、あらかじめ覚えておくべきです。

営業に求められるスキル

営業ではお客様との対話が重視されますので、相手の考えに共感したり、その目線で物事を考えたりするスキルが求められます。ニーズを読み取って、提供する製品・サービスがそれを満たすということを訴求力をもって伝えられるようにします。また、相手の話を聴くスキル、そして提案するスキルも重要です。それにより信頼を勝ち得て、良い関係を作られるからです。

同時に、自己管理能力もなければいけません。時に忙しい予定の中で動くことになりますし、相手の反応によっては精神的な負担を抱えることもあるからです。

マーケティングに求められるスキル

ターゲットや市場に合わせて、ブランドや製品・サービスを訴求することが求められるため、広い視野を持っていることが重要です。つまり、経営者の視点で考えるということです。ブランドの価値や会社への認知度を高めるために何をすべきかという視野で戦略を練っていきます。そのためには、市場を分析するスキルがどうしても欠かせません。同時に、分析結果から仮説を立て、効果の出る手法を創造する力も求められます。

これからの営業が身につけるべきマーケティング視点

両者では求められるスキルが異なりますが、近年は営業担当者にもマーケティング的な視点が必要になっています。というのも、IT技術の進歩や新型コロナウイルス感染症の影響などもあって、個別の対話による営業の効果が薄まっているからです。お客様は簡単にネットで情報を得て、他社製品・サービスも含めた比較をしやすくなっています。それだけに、個々のお客様に集中するだけでなく、より広い観点で営業をしていく必要性が高まっています。

ソリューション営業の限界

この営業事情の背景には、ソリューション営業の限界が来ていることも関係しています。ソリューション営業とは、見込み顧客が抱えている課題について、解決策を提示することで販売を促すという手法です。今まではとても有用な方法でしたが、今では効果が薄まっています。というのも、企業自らが自分たちの課題を洗い出し、その解決策となる製品・サービスをネットで見つけやすくなっているからです。あとは、数ある製品・サービスの中から選んで注文するだけという、製品・サービス選定過程、つまり購買プロセスに大きな変化が生じているのです。

インサイト営業力

そこで、これからの営業手法として、インサイト営業に注目が集まっています。これは、お客様である企業でさえ気づいていない問題や課題を見つけ出し、それに合ったサービスを訴求するという考えです。問題がないと思っていても、業務プロセスのどこかを改善するだけで、劇的に業務効率が上がることがあります。その潜在的な課題を営業側で見つけて、より良い企業活動ができるように指導するのがインサイト営業というわけです。これも、広い視野に立つマーケティング視点での営業と言えるでしょう。

より詳細なインサイト営業について知りたい方はこちら

インサイト営業は非常に有用な手法で、特にBtoB企業には大きな武器となります。この手法に関する詳細について知りたい方はこちらを参照ください。

営業コンセプト力

闇雲に営業しても非効率ですので、ターゲットや強調したい自社製品・サービスの強み、集中すべき営業地域などを絞り込んでいく必要があります。その軸となる営業戦略を立てるスキル、営業コンセプト力は、組織としての方向性を決めるのに欠かせません。営業の標準化を図るのに役立ちますし、安定した受注を獲得するのに基本となる考え方です。特に、営業部署のマネージャーや経営陣が持っておくべきスキルと言えるでしょう。

営業コンセプト力を培うには、市場やターゲットの分析方法、経営資源の適正な配分の考え方、リスク管理などの知識がないといけません。それだけに、しっかりとした育成が求められます。このスキルと育成法についての詳細について知りたい方は下記資料を参照ください。

営業とマーケティングが互いに良い影響をもたらすには

営業とマーケティングは、成約まで至るために緊密な連携がないといけません。そのバランスの取り方と、連携に役立つポイントを押さえておきましょう。

よくある問題点

連携がうまく取れない原因を確認しましょう。よくある問題点を把握し、こうした事態に陥らないように注意すべきです。

目標や優先順位の違い

成約率や商談獲得数などの目標が違うと、お互いに求める労力やコンセプトなどに差が出てしまいます。同じように、マーケティングとしては商談獲得数を重視して戦略を練ろうと考えているのに、営業はとにかく成約数のみを求めるという、優先順位の違いが出てくることもあります。結果として、注力する業務に違いが生じて、うまく連携が取れなくなります。

それぞれのペルソナ設定

ターゲットの年齢層や関心事、嗜好などのペルソナ設定が違うと、当然リードの属性にもばらつきが出てしまいます。結果的に、効率の良いクロージングができず、受注が下がってしまう結果になります。マーケティングによって集まったリードの層と、営業で想定していたターゲット属性が違うと、訴求ポイントが異なりますので、商談途中で関心を失ってしまう恐れが高まります。

コミュニケーション不足

別の部署だからと情報共有をしていないと、コミュニケーション不足に陥ります。双方が協力して同じ戦略の下に行うべき業務なのに、一貫性のないお客様への働きかけとなってしまうのです。これには、一緒に集まるミーティングの取り決めがないとか、コミュニケーションを取るためのツールがないといったことが背景にあるかもしれません。

部門間の連携を強化し、互いが成功するために

営業とマーケティングで連携強化をして、常に協力体制を持つことが成功のカギです。そのために意識すべき点を考慮しましょう。

共通のKPI設定もしくはKPIの可視化

KPIつまり成果を見るための指標と目標は、両者で共通のものとしておくべきです。たとえば、獲得したいリード数や最終的な売上数などを同じものにします。そして、実際にどんな目標があるのか、進捗状況はどうか、営業支援ツールなどを使って、どちらの部署でも確認できるように可視化しておきます。

統一されたペルソナ設定

ターゲティングは初期の段階で行うものです。その際には、両方の部署で一緒に行うと協調性が増します。誰を主なターゲットとするかで、マーケティングにおける情報発信も、営業トークや資料の準備などもしやすくなります。その内容も一貫性が出てきますので、リードの関心を失うことなく、受注までこぎつけられます。

受注・失注要因などの情報共有

全体の流れとしては、マーケティングでリードを見つけ出して育成し、営業で受注まで持っていくという形です。この流れをスムーズにするためには、どのリードがどんな形で受注まで至ったのかをどちらもよく知っておくことです。逆のケース、商談まで行ったものの、最終的に契約成立まで行かなかったという失敗例も共有します。こうすることで、どんな手法が効果を出せるのかが分かって、その後、軸として使っていくことができます。また、失敗例から改善点を見つけ出し、受注率を上げるための工夫をしていくのに役立てられます。

リードに関する営業からのフィードバック

マーケティング部は、直接リードと会って話を聞く機会がそう多くありません。そこで大事なのは、営業がリードから聞いた話をマーケティングにフィードバックすることです。いくつかの異なるメディアで広告を出しているのであれば、どの広告に惹きつけられたのか、どんなポイントで関心を持ったのかなどを聞き取り、それを伝えるのです。これは、プロモーションの質を練り上げるのに大きな情報となります。それだけでなく、良かった点などをリードから聞けることで、モチベーションを高められる効果もあります。

情報共有ミーティングやチャットの設置

こうした連携を緊密に取っておくためには、そのためのシステムやツールを作っておくことが重要です。たとえば、週に一度定期ミーティングを部署合同で行う、営業支援ツールで共有フォルダを作りレポートを上げていく、といった形です。また、お互いに疑問点や確認したい点などが出たら、すぐに連絡を取り合えるように、部署を超えたチャットツールなどを持っておくことも役立ちます。会社としてこうした仕組みができていれば、社員同士で活発な意見交換が行われていくでしょう。