2022.11.15 (更新日:2022.11.27)

インサイドセールス

SPIN話法とは?メリットやポイント、営業を加速させる4種類の質問内容まで徹底解説!

ビジネスパーソンとして活躍するためには、様々なスキルを複合的に身につけることが重要です。なかでも相手が意図する内容をしっかりと把握する力である「ヒアリング力」は営業シーンや商談シーンなど様々な場面で重宝するスキルだと言えます。

ここでは、営業に携わる人なら知っておきたい「SPIN話法」の基本的な考え方について解説します。目的や営業活動で必要とされている理由、そしてSPIN話法による具体的な質問内容まで詳しく解説しますので、商談がうまくいかなかったり、提案が空振りに終わったりするなどのお悩みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。

SPIN話法とは

SPIN話法とは、英国の行動心理学者・ニール・ラッカム氏が発案した営業手法の一つです。

SはSituation (状況質問)、PはProblem(問題質問)、IはImplication (示唆質問)、そしてNはNeed-payoff (解決質問)という4種類の質問を会話に取り入れる営業方法を指します。

SPIN話法では、まずは顧客を取り巻く現状を確認し、顧客が抱えている問題(=潜在的ニーズ)を洗い出し、顧客の抱える問題がいかに重要であるかを把握してもらい、そしてその問題を解決した際に得られるメリットについて認識してもらうという基本的な流れに沿って質問を投げかけていきます。

上記の4つの質問をすべて終えた後に、商品に関する説明が初めてスタートするのです。

SPIN話法の目的

SPIN話法を用いる最大の目的は「顧客自身が潜在的ニーズを把握するため」です。商品の魅力を理解してもらって商談を成立させるためには、ただ顧客の話を聞いているだけでは成功しません。顧客の抱えている潜在ニーズを洗い出して、健在ニーズへと転換させることが重要なのです。

SPIN話法は行動心理学の要素が盛り込まれています。そのため、フレームワーク通りに順序立てて質問することによって、顧客が自分の意思でサービスについて前向きに検討・導入するよう導けるのが最大の特徴です。

SPIN話法が必要な理由

SPIN話法がビジネスシーンで必要とされる理由は次の3つです。

理由その1|顧客も自身のニーズを把握できていないケースが多いから

お客様のニーズに合った提案をするためには、ヒアリングが必要不可欠です。SPIN話法では、顧客が共感するような質問や顧客が抱える課題を浮き彫りにするような質問を繰り返し行うことで、顧客自身が気づいていなかった潜在的なニーズを引き出せます。

SPIN話法で顧客の現状や本音をヒアリングすることで、結果的に商談が成功するなどの営業成果を得られるでしょう。

リンク:顧客にとっての潜在ニーズを探る質問に関してはこちらの記事に詳しく書いています。(潜在ニーズの見つけ方とは?お客様のウォンツから本当の目的を引き出す質問方法を徹底解説!)

理由その2|セールストークの営業は敬遠されるから

いくら優れている商品であっても、セールストークだけで営業をされると顧客はただの押し売りのように感じてしまいかねません。いきなり商品の説明をしても、ほとんどのケースで顧客は興味を持たないですし、警戒心を強めてしまうでしょう。

SPIN話法で質問を繰り返して顧客が抱える問題点やニーズを認識した後に営業トークをすることで、商品に対してより興味を示してくれます。その結果商品やサービスの商談に進みやすくなり、案件の取りこぼしや商談の空振りを回避できるのです。

理由その3 | 顧客の信頼を獲得しやすくなるから

SPIN話法は商談を成功に導くために有効的な営業方法ですが、それ以外にも営業担当者が信頼できる存在であることを認識してもらうために非常に効果を発揮します。

本当に必要で素晴らしい商品やサービスを提案してくれた営業マンとして認識してもらうことで、長期的な関係性への発展も期待できます。

SPIN話法で用いられる4種類の質問

ここからは、営業職として習得したいSPIN話法おける4つの質問タイプの特徴や具体例についてご紹介します。

Situation Questions(状況質問)

SPIN話法の最初の質問である「Situation Questions(状況質問)」は、顧客が置かれる状況や立場を把握するために行います。そのため、思いつきで唐突に質問するのではなく、顧客の現状を的確に把握できるような質問を考えることが大切です。

事前にリサーチできる部分はあえて質問をせずに、あまり多くの質問をしないこと、そして冗談になりすぎないことを意識して質問内容を吟味してください。

Situation Questions(状況質問)における質問例

・○○の管理には、どのようなシステムを導入していますか?

・○○の導入数はどのくらいですか?

・○○の使用頻度はどのくらいですか?

この質問の段階で顧客が置かれている立場や状況をすべて把握することは不可能です。状況質問をする際は、端的に、そしてさらりと質問できる内容であるか確認してください。

Problem Questions(問題質問)

Problem Questions(問題質問)では、顧客が抱えている問題点や課題を引き出して、お客の現状を理解してもらうための質問です。潜在ニーズを洗い出すために、YES・NOで回答できるような簡単な質問を投げかけることを意識してください。

problem Questions(問題質問)における質問例

・現在の業務スタイルで何か困っていることはありませんか?

・使用しているサービスに対する不満はありますか?

・今加入しているサービスだけでは不安はありませんか?

顧客の状況を把握しようとするあまり、連続して質問を投げかけてしまうと、どうしても威圧的な印象を与えてしまいますので注意しなければなりません。顧客がある程度自由に回答できるような会話や質問も織り交ぜながら進めるのがポイントです。

Implication Questions(示唆質問)

Implication Questions(示唆質問)では、顧客が抱える課題や問題点を解決することの重要性に気づいてもらうような質問を投げかけます。

ここで重要なのが、解決すべき問題点や課題が明らかになっていたとしても、結論を急がないということです。一方的に解決先を提示するのではなく、顧客自身にいかに問題や課題解決をしなければならないかを気づいてもらうようにアプローチしてください。

Implication Questions(示唆質問)における質問例

・この問題によって、チームに与える影響はいかがでしょうか?

・管理者がいないことによって、個人への負担が大きくなっていませんか?

・使用しているサービスを継続して利用することで、業務効率化を図るタイミングを見失ってしまいませんか?

営業や商談が成功するかどうかは、この示唆質問の内容が顧客の胸に刺さるかどうかにかかっています。顧客が抱える問題や課題を放置した場合にどのようなデメリットがあるか自覚させるような質問を考えていきましょう。

Need-payoff Questions(解決質問)

Need-payoff Questions(解決質問)では、顧客に問題や課題を解決するためにどのようなサービスや商品を導入すべきかをイメージしてもらうための質問を投げかけていきます。

顧客の解決策を導いた上で自社の商品やサービスに興味を持ってもらえるような問いかけを考えてください。

Need-payoff Questions(解決質問)における質問例

・当社の○○というサービスを導入することで、人手不足による機会損失を解消し、営業利益の増加が期待できますが、いかがでしょうか?

・弊社の○○を活用することで、業務効率向上を実現できるとしたらどうでしょうか。

解決質問をする上で重要なポイントは、顧客自身が問題や課題をどのように解決すべきかを理解することです。問題解決後のイメージをしっかりと持ってもらい、顧客の課題を解決するためには、提案内容が必要であると確信してもらった上で質問していきましょう。

関連記事:面談場面におけるヒアリングスキル向上に関するトレーニングについてはこちらからダウンロードが可能です

SPIN話法を活用する上でのポイント

SPIN話法の基本的な流れと具体的な質問内容について理解できたところで、ここからはSPIN話法を活用する上で押さえるべき3つのポイントをご紹介します。

事前準備は念入りに行う

顧客からヒアリングを行う際や打ち合わせ前などは、必ず事前準備をしっかりと行うことが重要です。Situation Questions(状況質問)を行うためにも、顧客情報をあらかじめリサーチしておかなければなりません。前もって必要な情報を収集し、商談を成功に導くための戦略を立ててください。

事前にヒアリングシートを作成するなどして、質問すべき項目もある程度整理をした上で、どのようにヒアリングを進めていくべきかをシミュレーションしていきましょう。

S→P→I→Nの順番を意識する

SPIN話法を活用した営業活動を成功させるためには、必ず一貫した流れで質問を投げかけることが重要です。SPINの順番で質問を組み立ててください。顧客が抱える課題を探って顧客自身に課題解決の大切さに気づいてもらうためにも、SPIN話法の基本的な流れや仕組みをしっかりと理解しておきましょう。

アフターフォローまで気を配る

顧客との打ち合わせ後や訪問後には、必ずお礼の連絡とともに、ヒアリングした内容を簡潔にまとめたものをメールに添えてお送りしましょう。

営業は契約にこぎ着けたら終了ではありません。その後も末長いお付き合いを続けていくためにも、丁寧なアフターフォローが重要です。顧客との信頼関係を築くためには、営業後の対応についても考える必要があります。

SPIN話法を行う上で注意すべきポイント

ここからは、SPIN話法で営業活動を行う上で注意すべきポイントをご紹介します。

相手視点に立つ

SPIN話法は顧客の立場に立って質問を繰り返す営業手法のため、顧客の視点に立って物事を考えることが大切です。顧客が話しやすい質問や課題に直接的に切り込む質問を考えるためにも、顧客視点から課題を見つけ出し、一緒に解決するというモチベーションで接してください。

自分の意見を押し付けない

自分目線での商品やサービスの売り込みは、顧客がよほど商品を気に入らない限りは購買や契約に至らないケースがほとんどです。特に、新規顧客に対してそのような対応をしてしまうとなおさらでしょう。

そのため、SPIN話法を行う上では自分の意見を押し付けないよう心がけることが大切です。顧客の意見にもしっかりと耳を傾けて、現状と課題の把握し、顧客自身に課題解決の重要性に気づいてもらうようアプローチしてください。

SPIN話法の効果を高めるトレーニング

SPIN話法は、ビジネスシーンでとても役立つフレームワークの一つです。しかし、習得が難しいというデメリットがあります。ヒアリングを主体とした営業方法ですので、テクニックはもちろん、経験も非常に大切です。

ここからは、SPIN話法の効果を高めるために実践したいトレーニングについて見ていきましょう。

アウトプットトレーニングを行う

SPIN話法のスキルを身につけるためには、S・P・I・Nのカテゴリー別の質問を繰り返し反復練習することをおすすめします。それぞれのカテゴリーの質問は同じ思考プロセスによって考えられるため、カテゴリー別に同じような質問を繰り返しトレーニングすることによって、短期間でSPIN話法のスキルを習得できるでしょう。

ロールプレイングを行う

反復練習は一人でも行えますが、より実践的なスキルを身につけるためにも同僚や上司に協力してもらってロールプレイングを取り入れたトレーニングを行うのがおすすめです。

あらかじめどのような潜在的ニーズを抱えた顧客であるかを決定した上で、SPIN話法を用いた質問を投げかけていきます。自然な流れで潜在ニーズを引き出せるかどうかチェックしてください。

自分で行う反復練習のように何回も繰り返し行えるトレーニング方法ではありませんが、結果に対してフィードバックを受けられるのでメリットは大きいと言えるでしょう。より効率的なスキルアップが期待できます。

【まとめ】潜在的なニーズに気づくための、非常に大切なアプローチ方

今回は、営業活動でぜひ活用したいツールともいえる「SPIN話法」の基本的な考え方について詳しくご紹介しました。

SPIN話法は、顧客が潜在的なニーズに気づくために、非常に大切なアプローチ方法です。SPIN話法を効果的に用いるためにも、徹底した事前準備や一貫した流れの質問を組み立てること、そして顧客へのアフターフォローを充実させることを意識してください。

SPIN話法は、スキルの習得が難しいというデメリットがありますので、繰り返しトレーニングを重ねることが大切です。営業成果を高めていくためにも、ぜひSPIN話法の4つの質問に沿ってヒアリングを実践していきましょう。

関連記事:自社営業部門のヒアリングスキルを向上させたいと考えている方は、こちらから具体的なトレーニング事例がダウンロード可能です