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2019/01/14

重点顧客との長期的な関係構築
提案型営業の先を行くアカウント営業とは

 

 

現在、営業では提案型営業が主流になっています。従来の「自社商品を買ってもらえばよい」といったプロダクト営業から、「顧客の課題解決」に主眼を置いた提案型営業に、営業手法を切り替えている企業は少なくありません。

しかし一方で、「自社製品だけではなく様々なサービスを組み合わせたソリューション営業に切り替えたが成果につながらない」「お客さまの課題やニーズをつかんで解決策を提案する重要性は理解しているが、具体的にどう進めていけばいいのかがわからない」などの声もよく耳にします。

市場はすでに成長型から成熟型に移行しています。商品・サービスが飽和状態となっている現状において、これまでのように幅広い顧客に向けて商品・サービスを提供し、シェアを拡大していくといった〝面〟での営業ではなかなか成果が出せなくなっているのが現状です。

市場あるいは顧客先企業の中で重点化を図り、提案型ソリューション営業に切り替えたとしても、〝面〟で売る発想から抜け出せないままでは行き詰っていくでしょう。

これからの営業戦略は、〝面〟ではなく〝点〟で、個々の顧客と深くつき合っていくアカウント営業の考え方が不可欠になります。アカウント営業とはどのようなものか、今回はその全体像について紹介します。

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従来の提案型営業とアカウント営業の違い

 

アカウント営業という言葉を耳にする機会が増えている。このように実感されている方もいるのではないでしょうか。
とはいえアカウント営業に関しては、まだ従来のような提案型ソリューション営業、能動型提案営業と同じように捉えられており、本来の真価が発揮されているとは言い難いのが実状です。
そこでまずは、アカウント営業の定義から説明しましょう。

アカウント営業とは、
特定のお客さまとビジネス上の課題を共有し、解決策を提案し続けることで、顧客ロイヤリティを長期に発展させていく戦略的営業活動
をいいます。

定義に基づき、これまでの提案型営業とは異なる点を整理すると次の3点になります。

  • アカウント先となる〝顧客をより精密に選別(ターゲティング)〟する
  • ターゲットの顧客企業が〝企業として抱えている課題〟にフォーカスして解決策を提案する
  • 企業課題の継続的な解決で〝ターゲット企業との長期にわたる深い関係構築〟を図る

このように顧客を点で選定し、その顧客が抱える真の事業課題を広く深くつかみ取って、その課題解決に向けた解決策を自社製品やサービスを通じて提案していくのがアカウント営業です。

 

アカウント営業のプロセス

ターゲット顧客に対してアカウント営業を展開していくには、図に示したように大きく6つのプロセスがあります。

0.アカウントビジョン

選定したお客様と今後長期的にどのような関係性を築くのか、その絵姿を明確にします。業界によってもビジョン達成の期間が異なりますが、およそ2年後くらいが平均的な期間となります。
ここでは自身の意思を込めて、いつまでに、どうなりたいのかを具体的にします。その際に、売り上げ目標などの数字だけが宙に浮かないようにお客様への貢献を通じた関係性をイメージを明確にすることが重要です。

 

1.事業課題の仮説化

お客さまを取り巻く事業環境を大局的に分析し、課題を仮説として立案します。
ここではWebサイトで公開されているIR資料、各種メディアからの業界ならびに企業情報の取得などから課題の仮説を立案します。その際に、お客様のお客様からの期待や要望と現状とのギャップから、お客様のあるべき姿を仮説で立案します。これはあくまでも仮説のため、実際にはお客様との対話を通じて検証していくことになります。

 

2.リレーション強化

複数の関係者と接点をもち、立案した仮説の検証を行うと同時に、社内人脈の関係性を明らかにします。
ここでは企業上位層、関係部門先などのキーパーソンと接点をつくることが重要になります。ただし、上位職者以外の“志が高い人”との出会いも大切です。“志が高い人”とは、問題意識が高く、上位職者へ影響力を発揮できる行動力のある方です。この“志が高い人”から共感を得ることによって様々な角度から情報を得ることにもつながります。そのためにも、アカウントビジョンで定めたお客様への貢献姿勢をしっかりと伝えましょう。

 

3.アカウント戦略立案

アカウントビジョンを実現するための営業シナリオを明確にします。
ここでは収集した情報から、自社のリソースを活用して課題解決にどう貢献できるかを考えていきます。それには自社のケイパビリティ(企業が有する組織的能力)をあらかじめ洗い出しておくことも不可欠です。

また、組み立てたシナリオが真に課題解決につながるかどうかを“志が高い人”にも確認しておくとベストです。その際、お客様内の組織図を間に挟んで、こういった話なら誰がキーマンとなるのか、誰に意見を聞くべきか、誰が反対者になりそうか、などの社内事情と顧客戦略の道筋を“志が高い人”に率直に聞いていきましょう。的確に教えていただけるかどうかは“志が高い人”に対して提供してきた情報の価値や営業担当の人柄、アカウントビジョンに込められた熱い想いなどによって結果が変わってきます。

 

4.事業課題の共有

お客様の複数の関係者と対話を重ねる中で、事業課題を特定・共有し、解決の方向性をお客様と共有します。
ここではアカウント戦略にもとづいて、最終的には意思決定できるキーマンの抱える事業課題を特定・共有し、次の提案につなげていきます。
キーマンが、その事業課題に対してどのくらいの意思をもって具体的に変えていこうとしているのかをしっかりと面談を通して確認しましょう。

 

5.ソリューション提案・提供

お客さまの事業課題を解決する自社ソリューションを提示する。
ここでは自社の立場から「このようなソリューションがあり、これによってこう解決できる」ではなく、「こうした課題があり、こう解決できると成果につながる。そのためにこのように自社が役に立てる」と、顧客メリット優先で解決策を提示します。

つまり、自社ができることの紹介ではなく、お客様の事業課題に対して自社であればこういったアウトカムにつなげることができるという提案をします。ここが自社都合の営業担当が多く、お客様のキーマンに刺さらない提案になってしまうのはそのせいです。
お客様の事業課題に対するアウトカム提案ができれば受注の確度が大きく高くなり、その結果として、自社に受注した場合は、受け入れられた自社ソリューションを最高品質で提供しますが、ここでは単なるソリューションの提供ではなく、顧客の成果に確実につながることを最終目標にしていきます。

 

6.リレーション拡大

ソリューションを提供した後は、その提供したソリューションに関する投資効果をお客様と共有しながら次なる課題について対話します。
ソリューションによる効果・成果をレビューし、それを共有しながら、次に解決すべき課題、新たに見えてきた課題に関して認識の刷り合わせを図ります。
そして、同じような課題をもつ別の部署がないかお客様に確認し、その間口をどんどん広げていきます。

以上のプロセスを継続させ、ターゲット企業の業績向上や業績安定に貢献していくことで、自社の長期的な業績の安定にもつながっていくのがアカウント営業のメリットです。

 

アカウント営業の実施に必要となる能力

上記のようなプロセスを実践していくには、個々の営業にもスキルと能力が必要とされます。大きくは3つのスキル・能力が求められてきます。

●仮説構築力

顧客の経営課題・事業課題がどこにあるかを見極め、仮説を立てる能力です。そのためには広範かつ多角的な情報収集力も必須となります。

 

●対人対応力

上位層との対話をはじめ、さまざまな部門、さまざまなタイプ特性に合わせて接し方を変え、話を引き出す力も必要となります。良好な関係性を築き上げていくには不可欠なスキル・能力といえるでしょう。

 

●共創型コミュニケーション力

お客さまからの情報提供を待つ、お客さまに言われたことに対応するなどの受け身の姿勢ではなく、対話を通じて本質的な問題・課題を明らかにし、お客さまと認識を共有しながら課題解決に向けて伴走する、共創型の上級コミュニケーション力が必要とされます。

これまでの提案型営業でも大切と言われてきたスキル・能力ですが、アカウント営業では、この3つのスキル・能力を確実に身につけていくことが大切です。

 

まとめ

従来の提案型営業では顧客先の中での重点化は図られていたものの、事業課題・経営課題の解決という1段階上の営業アプローチという視点が不足していました。

アカウント営業では提案型営業より大きな視点で課題を捉える、複数のキーパーソンと関係を深めて多角的に情報収集を行う、発生する事業課題・経営課題の解決を継続的にサポートするなど、お客さまの懐に深く潜り込む営業戦略が求められます。わかりやすく言うなら「自社の経営課題を解決したい企業⇔顧客の隠れた真の課題解決をサポートするコンサルタント」と理解してください。

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