フォロワーシップとは?

2024.01.23 (更新日:2024.01.26)

組織運営

フォロワーシップとは?リーダーシップとの違いや効果の発揮方法を徹底解説!

フォロワーシップとは、フォロワー(チームの構成員)が仲間やリーダーに対して、組織・集団の目標達成にむけて積極的に支援を行い、自主的に考え働きかけることです。

組織がうまくまとまり目標を達成するためには、優れたリーダーシップが必要です。しかし、リーダーがいるだけでは十分ではありません。リーダーを支え共に行動する人たちの働き、つまりフォロワーシップも求められます。

フォロワーシップとは

前述した通りフォロワーシップとは、チームメンバーが仲間のみならず、リーダー等周囲に対しても積極的に支援を行い、組織を活性化するため自主的に働きかけることです。

フォロワーシップを理解するためには、チームとしての良さを最大限引き出すために、どのようにリーダーシップとの関係性を保つのかという視点も重要です。これらの点を考えることで、チーム力を強めるための助けを得られるはずです。

フォロワーシップとメンバーシップの違い

メンバーシップというのは、仲間との絆や連帯感、協力体制を強調する言葉です。企業の場合は、同僚とのつながりや人間関係をイメージすることができます。

フォロワーシップにも、こうした連帯感や協力体制という意味があります。しかし、これは単に仲間としての意識を持つというだけに留まらず、自律した行動を伴うという点でメンバーシップとは違いがあります。リーダーや仲間の言動や作業について何らかの改善が必要だと判断される場合には、積極的に近づいて観察を述べたり提案をしたりします。もちろん、問題がない時には、進んで仕事を手伝ったり作業の分担を申し出たりして、チームとしての動きがスムーズに行くように助けます。このように、フォロワーシップという考え方は、主体的に動いていくという行動力に重きが置かれているのが特徴です。

リーダーシップとの関係性

フォロワーシップというのは、主体性や自律性を意味しますが、あくまでもチームのメンバーとして誰かをフォロー、支援するという立場です。その対象となるのは同じチームの仲間も含まれますが、多くの場合は組織のリーダーです。リーダーを支え、具体的な施策を実行するためにメンバー全員がフォロワーシップを発揮するというのは非常に重要なことなのです。

リーダーは組織の中で方向性を決めて、全体のプロセスの流れを示します。そして、フォロワーはそのビジョンを達成するための具体的な計画や手順、手法を考えて実行するという役割を持ちます。実際にプロセスがスタートしたら、リーダーは全体の進捗管理をしたりメンバーの士気を高めたりします。フォロワーは実行役となるだけでなく、現場で観察できる状況やターゲットについての情報を上げたり、問題点についての提案をしたりします。

このように、リーダーシップとフォロワーシップというのは、同じ目標や成果に対して上位と下位の立場に立って、お互いに助け合う関係にあります。とはいえ、リーダーがメンバーのフォローに回ることもあります。たとえば、チームメンバーの一人が新しいアイディアを提案し、それを実行しようとなった場合、リーダーは上から指示を出して動かすのではなく、そのメンバーがスムーズに動き、周りのメンバーが協力しやすいように影の働きに徹します。この場合、リーダーもフォロワーとしての働きをすることになります。このように、フォロワーシップというのは役職だけにとらわれることなく、チームの全ての人が発揮すべきものでもあるのです。

フォロワーシップが注目される理由

かつては強力なリーダーが存在し、それにメンバーが付いていくというスタイルが重視されていた時もありました。しかし、現代ビジネスではお客様のニーズや社会情勢などが急速に変化していますので、1人のリーダーの考えや経験値だけでは対応するのが難しくなっています。

また、日本国内では多くの業界で深刻な人材不足が見られていますし、働き方改革などで組織の構造や業務の進め方も変化しています。そのため、リーダー自身が負う業務の量が多くなっていて、細かな点まで考慮して判断するのが厳しい事情が見られます。さらに、リモートなどで働くことが増え、ダイレクトにリーダーシップを発揮しづらくなっています。

こうした状況の中で組織として効果的に働くためには、強力なリーダーというよりも、柔軟性のあるリーダーシップの下で、メンバー全員がフォロワーシップを発揮してくれる組織の方が強いのです。何かしらの判断のミスがあっても、メンバーが修正を提案し、チームとして正しい方向に向かうように助けられます。また、主体的なサポートがあるおかげで、物理的に離れて働く環境でも足りない部分を補いやすくなります。

リーダーだけがチームを導く限界

もう一つの重要な点は、そもそも組織をリーダーの力だけで引っ張ろうとする考えに無理があるということです。カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授によると、組織が達成できる成果について、リーダーが関与している割合は1割から2割程度しかないとされています。一方で、フォロワーもしくはメンバーが与える影響は8割から9割になることが研究の中で提示されています。

このように、チームの成功に影響を与えるのは、リーダーではなくメンバーの働きの方が大きいのです。こうしたことを考えると、いくら優秀なリーダーがいるとしても、そのチームにフォロワーシップがないのであれば成功できないということが分かります。もちろん、リーダーの存在が無視されるわけではありません。大事なのは、組織として成果を出すためには、リーダーとそれを支えるフォロワーの関係性を健全なものとして、協調関係を作り上げるということです。

成果を出している組織はメンバーの影響力が高い

上記のように、成果を出せる組織というのはフォロワーシップが上手に機能しています。組織の構造や人員同士の関係性という面で見ると、リーダーが上意下達でメンバーを拘束するというよりも、よりメンバーの影響力が強いのです。

具体的には、リーダーは全体の方向性や最終的な成果や目標、期限を示します。そして、中堅クラスを含めてチームのメンバーが、現場の判断によって具体的な作業内容ややり方、利用するフォーマットやシステムを決めて実行します。深刻かつ重大なものでなければ、何らかのトラブルやミスが生じても、メンバー同士で分析や修正を行い、その問題を乗り越えていきます。もちろん、こうしたメンバーの中での作業や話し合いの中にはリーダーも加わることがありますが、リーダーが全てを最終決定するのではなく、現場で決めることが多くなります。このように、現代社会においては、成果を出す組織はフォロワーシップが強い、言い換えると現場力が強いところであることが分かります。

リーダーシップとフォロワーシップの関係性と相乗効果

これまで見てきたように、リーダーシップとフォロワーシップというのは緊密な結び付きを持ち、相互協調の関係にあります。具体的にどんな形で関係し合っていくのかを考え、会社組織の中でどのように実践できるかを探っていきましょう。

リーダーがビジョンを示し、フォロワーが実行する

リーダーはビジョンを示します。これには企業ブランドとしてのイメージや、総合売上、事業規模拡大目標などが含まれます。もしくは、新しい技術の確立や新サービスの開発といったものもあります。リーダーは大枠で進むべき方向を定めて、それを組織の中で示します。

そのビジョン、大枠の目標をよく理解した上でフォロワーは、実現できるように行動していきます。そのためには、具体的な行動計画や人員の割り当て、それぞれのプロセスごとの期間設定などの準備も必要となります。その後、現場において作業を始めて目標達成に至るように努力を続けます。

リーダーが意思決定し、フォロワーは”建設的に”批判をする

リーダーは意思決定をして、フォロワーはそれを実行するという役割の違いがあります。しかし、フォロワーは単に言われたことを黙って行っていくという意味ではありません。フォロワーシップの重要な点は、主体的かつ自律的なフォローをするというところにあります。もし、リーダーの決定に無理がある、もしくは実行していく中で状況が変わったということがあれば、フォロワーは意見を述べ、必要なら修正案を提示します。

この際に注意すべきなのは、ただ批判をするわけではないということです。あくまでも、チームの成果を出すための意見、リーダーを支えるという目的での提案をするのです。率直さと同時に配慮を示すことで、リーダーとフォロワーの良好な関係を保ちつつチームの効率を高めていけるというわけです。

5つのフォロワーのタイプ 

先述のロバート・ケリー教授によると、フォロワーは、それぞれの資質や能力、考え方によって主に5つのタイプの分けることができます。その要素としては、チームもしくはリーダーへの積極的な関与がどのくらいあるかということと、提言や意見の主張をするという意味での建設的批判ができるかという点があります。それぞれのタイプに良さがあるのですが、やはりリーダーやチームにとってより有用な存在となるフォロワーのタイプというものがありますので、その違いを理解しておくことは大事です。

タイプ1:模範的フォロワー

積極的にチームプロジェクトに携わり、作業実行の分野でも計画立案の点でも関与の度合いが深いメンバーです。また、気付いた点を率直に述べて、リーダーに対して提言もしてくれます。チームの行動力を高めると共に、より良い決定をするための役立つ支援を与えてくれますので、模範的なフォロワーとなります。5つのタイプのうちでは、最も有用なフォロワーで能力や積極性を持っている人がなれます。

タイプ2:孤立型フォロワー

理論型のタイプとも言えるでしょう。チームの計画やプロセス、目標達成状況などについての観察や分析がしっかりとできています。また、改善すべき内容や具体的な解決策についても提案するスキルを持っているため、批判をすることには積極的です。しかし、具体的な作業や接客、事務手続きなどの業務についてはあまり関与せず、自分に割り当てられた仕事のみをしていくタイプでもあります。結果的に意見は挙げるものの、チームへの貢献は少なめとなってしまいます。

タイプ3:順応型フォロワー

順応タイプは行動力があり、とにかくリーダーの指示や提案にすぐに応じて動いてくれます。チームの中でも率先して実践してくれますので、やる気や熱意を高めるムービーメーカーとなってくれることが多いです。また、リーダーに従順に従ってくれますので、チームの雰囲気を和やかにしてくれますし、リーダーとしても付き合いやすい存在となります。一方で批判をしないので、有用な意見はあまり出てきません。指示待ちになる恐れがあったり、間違った決定についても意見を述べないというイエスマンになってしまったりすることもあります。

タイプ4:消極的フォロワー

フォロワーとしては改善が必要なタイプです。つまり、チームのために積極的に貢献しようとする態度がなく、他者への協力などの貢献をせず行動力がありません。また、意見を述べることなく、ただリーダーやメンバーの話を聞き流すだけとなっています。チームにいるものの、その存在価値を発揮できていないとも言えるでしょう。リーダーとしては指導をして、何らかの面で貢献できるように助けてあげるべきタイプです。

タイプ5:実務型フォロワー

全体の中で中間的な位置にいるフォロワーです。少なくても自分に割り当てられた業務は確実にこなし、組織の調和を乱すこともありません。しかし、非常に積極的にチームに関与することもなく、他のメンバーへの協力もそれほどしません。意見も求められたら無難な点を述べるという程度で、特に率直に提言することもないのです。このように、事務作業などを果たしていくという点では有用ですが、フォロワーシップという観点からは中途半端な位置にあると言えます。

フォロワーシップを発揮するためのポイント

フォロワーシップの意識を高めていきたいと思っても、自然とそうなるわけではありません。チームの中で、フォロワーシップについての考え方を浸透させることと、具体的にどんな行動を取ったら良いかを学んでいくことが重要です。

リーダーも完璧でないことを理解する

フォロワーシップの発揮で重要な考え方となるのが、リーダーの言うことに従っていればそれで良いという意識を捨てることです。高い役職や勤続年数という経験があっても、やはり人間ですので完全な存在ではないのです。ましてや現代ビジネスの世界は、複雑かつ猛烈な勢いで変化が生じている状況です。リーダーの決定や提案がいつでもベストなものではないこと、ミスがあって当然という認識を持ちましょう。

その上で、それを消極的な批判の対象とするのではなく、リーダーを支えてチームとして最高の状況にするという感覚を持つようにします。そうすれば、リーダーの決定の穴を見つけた時に、率直かつ建設的な仕方で意見を述べられるようになります。また、自分自身の能力や経験を活かす機会となるという見方が生まれて、仕事に対する意欲ややりがいを感じられるというメリットもあります。

仕事を積極的に引き受ける

自分に割り当てられた業務をこなせば良いという姿勢ではなく、積極的に仕事を引き受ける態度が肝心です。これには、仲間が苦労している業務について協力を申し出ることも含まれます。お互いにチームの中で助け合うことで、チームへの貢献度を高められるのです。また、リーダーが新たな業務を誰に渡すか考えている時に、自ら申し出るというのも大事な姿勢です。熱意を感じて他のメンバーの士気を高めることができますし、リーダーとしてもサポートを得ているという安心感を持てます。

さらに、自分で仕事を見つけて実行するというのも、フォロワーシップを発揮していることになります。現場では、個々の状況で新たなニーズや課題が出てくるものです。その際に、自分の範疇ではないからとリーダーや他者に投げるのではなく、自分で解決し取り組んでみることでチーム全体の流れをスムーズに進めていけます。

自分の考えを積極的に伝える

リーダーの指示、チームとしてのプロセス実行の中で、良いことであれ改善が必要なことであれ、気付く点は必ず出てくるものです。それをリーダーに情報として提供するのは、メンバーとして当然のことです。もちろん、それが生かされないこともありますが、大事なのはリーダーとのコミュニケーションを取るということです。単に指示を聞いて従うだけでなく、意見を伝えることでより良いチームとなっていきます。その際には、ケンカ腰や愚痴のような形で伝えるのではなく、建設的で配慮のある伝え方をするように心がけましょう。

組織全体への貢献を考える

個の力はとても大事ですが、チームとしてプロジェクトに取り組んでいるという意識を忘れないようにします。その上で、組織全体に自分としてどのように貢献できるかを考えましょう。これは、単に回ってきた仕事を、歯車の一部のようにこなせば良いということではありません。さらに良いチームとなるために自主的に意見を述べたり、積極的な行動に出たりすることを指します。

建設的な批判や提案を行う力を身につける

現場から進捗状況やお客様についての情報を上げることは重要です。しかし、それに留まらず、自分としては、「これをこうしたら良くなる」という意見を加えて積極的に発言しましょう。その際には、いくつかのポイントを押さえておくと建設的なものにできます。たとえば、現場で観察した現状と課題を事実として伝えます。その上で、お客様やマーケットの反応を述べて裏付けとします。こうした課題に対して、どんな解説策の選択肢があるか複数考えて示します。その中で、自分の経験やお客様の反応から、どの選択肢が最もふさわしいかと提案します。

こうすれば、論理的で事実に基づいた提案となりますので、リーダーも受け入れやすくなります。できれば、解決策について、自分で試してみてその反応をケーススタディとして示すことができればベストです。こうした形で、単に問題を告げるということで終わらず、解決策までセットで提案ができるようになりましょう。

【まとめ】フォロワーシップはリーダーシップとの相乗効果を生み出す      

組織の中でリーダーの存在はとても重要ですが、それ以上にチームとリーダーを支えるフォロワーの働きは重要です。そのため、会社の中で効果的なフォロワーシップを発揮できるよう、その考え方や具体的な適用の仕方を学ぶようにしましょう。そうすることで、より強いチームとなり成果を出しやすくなります。