提案力を高める

2024.02.16 (更新日:2024.02.28)

フィールドセールス

提案力とは?提案におけるステップ、営業活動で意識したいポイントを徹底解説!

コロナウイルスの流行や働き方改革によって、会社の営業スタイルも日々変化しています。そのような変化に伴い、従来通りの営業方法では立ち行かないケースも増えてくるでしょう。営業力を強化するためには、「提案力」が必要不可欠です。

ここでは、ビジネスにおける営業力を高め強みとするために必要な「提案力」の概要や、提案力を高めるために必要なスキルや自己の提案力を高める方法について詳しくご紹介します。

提案力とは

提案力とは、それぞれの顧客にマッチした最適な提案を行うスキルのことを言います。提案力と聞くと、サービス・商品の良さやアピールポイントを相手にわかりやすく伝える能力と捉えられがちです。しかし、それはあくまでも説明能力に過ぎません。

顧客に最適な提案を行うためには、以下の手順を踏むのが一般的です。

1. アポイント
2. ヒアリング
3. 顧客が抱えているニーズや課題を見つける
4. 解決策の提示・提案
5. サービスや商品の提供

このように、一つの提案をするために様々な工程を踏む必要があり、複雑な要素が絡み合っていることがわかります。

提案力を高める目的

営業職に就くと、社内への企画やプロジェクトの提案をはじめ、顧客へのプレゼンテーションなど、提案する機会が多々あります。

近年では、対面での交渉や面談の機会が減少しており、オンライン上での会議や商談が増えていることから、わかりやすい資料作成はもちろん、高いプレゼンテーションスキルが求められるようになりました。このような環境の変化から、提案力を強化することによって商談の成功率を高めたり、業務効率を上げたりする効果が期待できるのです。

特に、提案力が必要とされているのは「提案営業」や「ソリューション営業」と呼ばれている営業スタイルの方たちです。顧客が抱えている課題やニーズをヒアリングし、その課題を解決するために提案するため、提案力の高さが営業の成功率を大きく左右すると言っても過言ではありません。

提案力に必要不可欠な能力

顧客に最適な提案をするためには、複合的なスキルや能力が必要です。ここでは、提案力を高めるために必要不可欠な能力について詳しくご紹介します。

ヒアリング能力

ヒアリング力とは、ずばり相手の話を聞く力です。相手にとって最適な提案を行うためには「相手が何を求めているか」をしっかりと見極める必要があります。そのため、様々な角度からヒアリングを行って、相手の状況をはじめ、どのような課題を抱えているかをヒアリングすることが重要です。

どのような切り口で質問を投げかけるかも重要ですが、まずは相手の話にしっかりと耳を傾けて受け止める「傾聴する姿勢」が求められます。こちらが何を話すかではなく、相手から様々なストーリーを引き出すことを意識して丁寧なヒアリングを行ってください。


関連リンク:効果的なヒアリングのフレームワークについてはこちらの記事で解説しています(SPIN話法とは?メリットやポイント、営業を加速させる4種類の質問内容まで徹底解説!)


洞察力・予測力

優れた提案をするためには、相手が発言していないことや言いたいけれど言えていないことを察する「洞察力」や顧客のニーズを予測し、商談のゴールを想定する「予測力」が求められます。

この洞察力や予測力を高めるためには、日頃から周囲の方たちや物事をしっかりと観察することが大切です。人を観察する際は、その方の空気感をはじめ、表情やコミュニケーションの癖、そして仕草などを細かくチェックしてください。普段から周囲の方に対して興味を持ち、言動や行動の理由を探る習慣をつけることが大切です。

プレゼン力

ヒアリングの段階でしっかりと顧客のニーズや課題を洗い出すことができても、プレゼン力が不足していると商談を成功させるのは難しいでしょう。

プレゼン力を高めるためには、話し方はもちろんのこと、話の構成や具体的な数字や事例を挙げることが大切です。声の抑揚や大きさやわかりやすい表現や言葉で話をすることで、聞き手が感じる不安や疑問点を最小限に抑えられます。

さらに、具体的な数字や事例、さらには例え話などをうまく盛り込むことで、商品やサービスを利用するメリットをより理解することにも繋がります。

コミュニケーション能力

顧客の抱える課題を正確に把握するためにはコミュニケーション能力が必要不可欠です。このコミュニケーション能力が乏しければ、十分なヒアリングも実現しません。単なる雑談のように感じる会話からも、必要な情報をしっかりと聞き出せるような高度なスキルがあれば、顧客があっと驚くような素晴らしい提案ができるでしょう。

相手の立場に立って物事を考えることや相手を傾聴することもコミュニケーション能力があるからこそできる行動です。そのような真摯な態度を示すことで、相手との信頼関係を構築でき、商談が成功する確率も高まります。

提案力を高めるためのステップ

ここでは、提案力を高めるために知っておくべき営業のプロセスについてご紹介します。

ステップ1:不信を取り除く

ヒアリングの際に、相手の方に心を開いてもらえていないと必要な情報を引き出せません。そのためにも「この人は信頼できる」と感じてもらうことが大切です。

信頼を得るためには、一度の面会ややりとりでは勝ち取れません。時間や期日をしっかりと守ったり、質問に対して真摯に対応したりするなど、様々な出来事が積み重なって信頼関係は構築されます。

まずは、相手が感じる不信感を取り除くことを意識して接することが大切です。

ステップ2:不要を取り除く

相手との信頼関係が構築することによって、相手の抱える課題やニーズが明らかになっていきます。これらの課題やニーズを踏まえた上で、最適な解決策として商品やサービスを提案していくわけです。

ベストな提案をするためには、論理的に説明することが求められます。立場や意見の違いに左右されない論理であることはもちろん、しっかりと筋道を立てた説明が欠かせません。具体的な数値を含めて説明をすることで論理的な提案が実現できるでしょう。

ステップ3:不適を取り除く

論理的な提案をすることによって提案の必要性を理解してもらえても、同じようなサービスや商品を提供する企業が他にもあるかもしれません。お客様のほとんどは交渉の場で即決されず、一度持ち帰って検討されます。

競合他社の商品やサービスと比較検討する前に、自社の商品やサービスがいかに優れているかしっかりと伝えることが重要です。他社と比較してどのような点がどのように優れているか論理的に説明してください。

ステップ4:不急を取り除く

商品やサービスの必要性を感じて、どこの商品やサービスよりも優れていると理解できたとしても、その場で決断できないケースがほとんどではないでしょうか。

その際に「今が購入するのにベストなタイミングだ」というメッセージをきちんと論理立てて説明することが非常に大切です。しっかりと納得した上で購入や契約をしてもらうことで、その後も良好な関係を築けるでしょう。

最後に:感情で背中を押す

購入を決めても、価格や購入時期などに悩んでしまうクライアントさんも多く存在します。購入の後押しとなるのは、論理ではなく感情です。相手が抱える不安を丁寧にヒアリングして、感情に寄り添うことが大切です。

提案力を意識する上でのポイント

ここからは、提案力を高めるために意識したいポイントをご紹介します。

論理的かつ具体的に話す

提案をする際は、提案のために必要な情報を論理的かつわかりやすく説明することが求められます。論理が破綻していたり、表現があまりにも抽象的すぎたりすると、内容が伝わらないだけでなく不信感にも繋がってしまいかねません。

普段の会話でも、無駄な会話がないか、説明した内容に過不足はないか確認する習慣をつけることが大切です。例文を作って推敲するなどしても良いでしょう。

相手の立場になって考えて話す

提案力を高めるためには、相手の抱える課題をしっかりと見極める力が求められます。そのためには、課題の洗い出しはもちろんのこと、どのようにしたら課題を解決できるかを一緒に考える姿勢が必要です。

常に相手の立場になって考えられる人は、高い提案力を発揮する要素を持っていると言えるでしょう。ヒアリング時やプレゼン時に何かしらの不安要素を抱えているようであれば、その気持ちにしっかりと寄り添う姿勢を示すことが大切です。

相手に合わせて提案内容を変えていく

提案力で大切なのは「論理的思考」と「感情」をバランスよく使い分けていくことです。しかし、それらのバランスは提案する相手によって大きく異なります。例えば、論理的な説明が好きな方や感情にアプローチする説明が好きな方など、様々なタイプの方たちが存在するからです。

そのため、何かを提案する際は相手に合わせて提案内容やアプローチ方法を適宜変えてみてください。

提案が伝わっているか適宜確認を挟む

提案をする際は、こちらが伝えた内容を理解できているかを適宜確認するクセをつけましょう。自分の計画通りに提案を進めていきたいという気持ちもわかりますが、提案した内容が相手に伝わっていなければ元も子もありません。

プレゼンの最中に質問や疑問がないかを適宜確認しながら、相手に一つひとつの情報に対する理解を深めてもらうことが大切です。

挨拶や身だしなみなどの基本を徹底する

相手との信頼関係を構築するためには、挨拶や身だしなみなど基本的なマナーを徹底することも不可欠です。好感を持たれるマナーの五原則として「笑顔・身だしなみ・挨拶・言葉遣い・態度」があります。

これらは社会人として押さえておきたい基本的なマナーではありますが、営業力を高めるためにも必要不可欠な要素です。一度初心にかえってこれらのマナーを徹底してみることで、営業力だけでなくコミュニケーション能力を高められるでしょう。

【まとめ】クライアントの課題やニーズに応じた提案をする

ビジネスシーンにおいて不可欠な提案力を磨くためには、複合的なスキルや能力が必要です。今回ご紹介した営業を成功させるための基本的なステップや提案力を高めるポイントを押さえて、クライアントの課題やニーズに応じた提案を行って見てはいかがでしょうか。