売上目標の正しい立て方

2023.09.25 (更新日:2024.04.02)

マネジメントノウハウ

売上目標の正しい立て方とは?目標未達が起こる要因とメンバーへ浸透させるポイントについて解説!

売上目標を立てることは、企業として十分な利益を上げるためだけでなく、社員のモチベーションアップにもつながります。売上目標の存在は知りつつも、その重要性や正しい目標の立て方がわからずに設定しないままの企業も少なくありません。

本記事では、売上目標の正しい立て方を解説し、目標未達が起こる原因と、チーム全体に売上目標を浸透させるためのポイントをご紹介します。

「売上目標の未達が続いている…」なんてことはありませんか

売上目標とは、ある期間内に企業や組織が達成すべき売上金額や数量のことで、企業活動において、適切な計画を立てるために重要な指標の一つです。営業メンバーやチーム全体が同じ方向性で活動するためにも、適切な売上目標を立てることはとても重要です。売上目標は、企業の成長戦略や市場動向、競合状況などを考慮して設定されるべきもので、その達成は経営の健全性を示すバロメーターともなります。

しかし、せっかく売上目標を立てたのに未達の状態が続いているという企業も少なくありません。目標が未達で終わってしまうと、チームだけでなく企業全体に大きな悪影響を及ぼします。売上目標が未達になることによる悪影響は、売上減少による利益の減少、社員の士気の低下、企業イメージの低下などです。

原因としては、市場の変化や競合他社の影響、自社の製品やサービスの品質、販売戦略の不備などが考えられますが、未達を解消するためにはこれらの原因を正確に分析し、適切な対策を講じなければなりません。

売上目標未達による悪影響や未達を解消するためのポイントについて、さらに詳しくご紹介します。

売上目標が浸透していないとメンバーも上手く機能しない

経営層やチームの責任者によって売上目標を設定したとしても、目標そのものが浸透していないと上手く機能しません。目標が浸透していないと、営業メンバーたちは何を目指すべきか、どの程度の成果を求められているか具体的に把握できないでしょう。そうすると、チーム全体としての機能が低下してしまうので注意が必要です。

正しく売上目標を理解させることが達成の鍵

売上目標を達成させるためには、チームや企業全体に対して売上目標を正しく理解させることが重要です。

売上目標が浸透しない原因には、上司からの説明不足やチーム全体のコミュニケーション不足、さらにはメンバーの意欲不足など、様々な要因が挙げられます。チームの雰囲気が悪かったり、チームとしての方向性がバラバラだったりすると、目標を達成するのは困難です。

目標を設定したら、チーム全体に共有して理解させること、そしてその目標に向かって全体でアクションを起こすことが達成の鍵と言えるでしょう。

売上目標が正しく落とし込まれていない原因

売上目標が現場に正しく落とし込まれない原因として、次の4点が挙げられます。これらの原因が重なることで、売上目標の達成が困難になり、組織全体の業績にも影響を及ぼすことがあるため、注意が必要です。

設定した意図をメンバーに説明されていない

売上目標は、企業のビジョンや営業戦略などを踏まえて決定されます。目標をただの数字として捉えてしまうと、目標達成のためのモチベーションが生まれにくくなるため、売上目標を設定した意図を個々の営業メンバーやチーム全体に説明しなければなりません。

説明が不足すると、メンバーが目標に対して単なる数字としてしか捉えられず、目標に対する共感や取り組み意欲が生まれにくくなります。目標の背景や意義を明確に伝え、メンバーと共有することで、目標達成への意識を高めることが可能です。

関連記事:カスケードダウンとは?ビジネス組織で戦略や目標の浸透を促す手法を徹底解説!

メンバーの管理が正確にできていない

売上目標を達成するためには、チームに所属する個々のメンバーのパフォーマンスの最大化が求められます。しかし、チームの責任者や企業の上層部が、所属メンバーのスキルや能力などを把握、管理ができていないと、最大限のパフォーマンスを引き出せず、最終的に売上目標が未達のまま終わってしまいかねません。

メンバーの能力や進捗状況を定期的にチェックし、必要に応じてサポートや指導を行うことで、目標達成に向けた効果的な進展を促進することが可能です。

関連記事:営業プロセスマネジメントとは?課題を明確にし確実に目標を達成するマネジメント術を解説(図解あり)

トップダウン型での目標設定を行っている

トップダウンとは、企業の上層部が決定した事項を従業員たちに指示することを指します。トップダウン形式で目標設定を行うと、現場の状況や課題を汲み取りながら目標設定しにくく、根拠のない目標や熱い思いや希望が強く反映された目標となってしまいかねません。その結果、現場にとって実現しにくい目標が設定されてしまうリスクが高まります。

目標設定のプロセスに現場の声を反映させ、共同で目標を設定することで、現実的かつ達成可能な目標を立てることが可能です。

コミュニケーション機会が足りていない

売上目標を浸透させるためには、チームや企業全体における活発なコミュニケーションが必要不可欠です。コミュニケーションの機会が不足していると、目標に対する理解や共有が不十分となってしまいます。最近ではリモートワークが浸透していることもあり、直接顔を合わせる機会も減っている企業も少なくありません。

オンライン・オフライン問わず、定期的なミーティングの実施やフィードバックの機会を設けるよう意識することで、売上目標に対する共通認識を持てるでしょう。コミュニケーションの強化は、目標達成だけでなく、チームの一体感や組織文化の向上にも寄与します。

関連記事:営業組織のあるべき姿とは?立ち上げ方や改革の仕方まで幅広く解説!

売上目標をしっかりと落とし込むためのポイント

売上目標を達成するためには、掲げた目標をチームや企業全体に落とし込むことが重要です。こちらでは、チーム内に売上目標を落とし込む際に意識すべきポイントをご紹介します。

目標に妥当性があるか事前に確認

経営層や管理職の願望ばかりを売上目標に反映すると、実現不可能な目標になりがちです。そのため、過去のデータや現場の意見を取り入れながら適切な目標を立てる必要があります。

掲げられた目標に妥当性があるかどうか、経営層だけでなく、現場の営業メンバーも含めて確認するようにしてください。

現状を共有し目標を設定した意図をしっかりと説明する

売上目標はただ共有するのではなく、チームが置かれている現状や目標を設定した意図についてもしっかりと説明しなければなりません。設定された理由や根拠がわからないままだと、営業メンバーに不安や不満が生まれてしまい、モチベーションや業務効率の低下が危惧されます。目標を設定した背景や根拠を詳しく説明することで、社員の理解度は高まるはずです。

社員同士で話し合いができる機会を増やす

設定した目標を達成するためには、チーム内や営業メンバー同士で話し合いをする場を設けることも大切です。メンバーの業務の進捗状況や行動状況を効率的に情報共有するためにも、定期的なミーティングの実施もおすすめします。交流する機会を設けることで、有益な情報を得られるだけでなく、チームとしての連帯感も生まれるでしょう。

関連記事:チームビルディングとは?組織活動における実践方法とマネージャーの役割を解説

売上目標と連動した行動目標まで設定する

チーム全体や個人の売上目標を設定するだけでなく、目標を達成するための行動目標も併せて設定することが大切です。掲げた目標数値をただなんとなく追うだけでは、目標を達成するのは難しいでしょう。

行動目標を設定して、起こすべきアクションを具体化することで、日々のタスクの中でそれぞれのメンバーがすべきことや果たすべきことが明確になります。

いざ売上目標の達成!取り組むことで目標に近づく!

売上目標を達成するために実践したい4つの取り組みをご紹介します。

個々人だけではなくチーム全体で取り組む意識づくり

チーム全体で営業活動を成功させるためには、それぞれのメンバー同士が協力することが大切です。担当者を固定している場合、欠員が出た際に案件の進捗にロスが生じてしまうケースも考えられます。顧客に対しても良い印象を与えないため、担当外の業務に関しても最低限の情報共有をするように心がけてください。

また、業務の属人化が生じてしまうと、部下が育ちにくくなるというデメリットも生じます。チームとしての営業力低下を招いてしまうため、部下に対してもより多くの経験を積ませるように工夫することが大切です。

関連記事:組織営業ってなに?目的や重要性、メリットや行う上でのポイントまで幅広くご紹介!

ノウハウを共有する機会を増やす

営業のノウハウは、それぞれの営業メンバーで身につけるべきものと捉えられがちです。しかし、チーム全体でノウハウや知識を共有することで、チーム全体の営業力の底上げにつながります。

営業のノウハウを共有する際におすすめなのが「オンライン商談ツール」の活用です。ツールを使ってオンライン商談中の様子を録画することで、商談中の振る舞い方やクロージング方法などを可視化できるため、ノウハウの共有に役立ちます。

マーケティングチームとの連携を強化

営業チームとして互いに協力し合うだけでなく、マーケティング部との連携も欠かせない要素の一つです。特に、新規開拓においては、マーケティング部と協力・連携することで効率が飛躍的にアップするでしょう。

営業部から顧客の反応や商談結果などを共有することで、マーケティング業務にも活かせるはずです。マーケティング部と連携することでお互いに大きな相乗効果を得られます。

SFAなどのITツールの導入

売上目標を達成するためには、従業員の手作業だけでは労働力や生産性が不足するケースも考えられます。少ないマンパワーで効率よく営業活動を行うためにも、営業支援システムであるSFAなどのITツールの導入も検討してみてください。

社内の業務を効率化・自動化し、売上向上に大きく貢献してくれるツールを見つけて、売上を達成できる体制づくりを進めていくことをおすすめします。

まとめ

売上目標を設定する最大の目的は、企業が十分な利益を得るためです。目標を達成するためには、難しい目標や現場の声が反映されていない目標を掲げるのではなく、根拠のあるデータと現場の声を盛り込んだ目標を設定しなければなりません。

本記事でご紹介した売上目標の重要性やメリットを理解し、売上目標を現場に落とし込む方法を実践することで、売上目標達成と業績向上につなげていくことをおすすめします。

関連記事:「営業マネジメントトレーニング」