2024.01.25 (更新日:2024.07.25)
質問力とは?営業パーソンへの活用ポイントや鍛え方を詳しく解説!
コロナウイルスの流行や急速な為替変動など、前代未聞とも言えるような状況が続いており、先行きが不透明な社会で生き抜くためのスキルとして「質問力」が求められています。
例えば、質問力を身につけることで、コミュニケーションが活発になったり、仕事の精度を高めたりするなど、様々なメリットが期待できます。近年では質問力に関する書籍をAmazonなどのサイトで見かけることも多く、ビジネスシーンはもちろん、様々な場面において注目されています。
ここでは、質問力を高めるメリットや質問力のトレーニング方法、活用する際のポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
質問力とは
質問力とは「相手に不明な点や疑問点を問いかける能力」のことです。つまり、わからないことや疑問に思ったことを問いかける力を指します。しかし、単に疑問や質問を相手に質問するだけでは、ヒアリングやインタビューであり、こちらの都合で一方的に問いかけているだけに過ぎません。
ビジネスシーンにおける「質問力」とは、相手の状況を理解するための質問を投げかける力を意味します。ビジネスシーンでは、常に正しい判断が求められます。適切な提案をして業務を遂行していくためにも、相手が置かれる状況や考えを理解することが重要なのです。
質問力を高める目的
近年は働き方改革やコロナウイルスの流行などの影響によって、オンライン上でコミュニケーションをとる機会が増えました。そのため、何気ない会話や交流を通して情報を収集する手段がなくなってしまってしまったため、質問力を発揮し、相手の考えや思いを言語化してもらう必要性が増しているのです。
さらに疑問や不明点があったとしても、質問をしなければ「理解している」と判断されてしまい、その後の業務に大きな支障が出てしまう可能性もあります。このように業務を滞りなく、そして効率良く進めるためにも、質問力を身につける必要があるのです。
質問力を高めるメリット
質問力を磨き高めるメリットとして、大きく次の5つが挙げられます。
より多くの情報を得ることができる
質問力を高めることによって、より多くの情報を収集できるようになります。商談などのビジネスシーンでも、様々な視点に立って質問をし、回答者の思考や興味関心を引き出せる営業はいい成績を残していたり、チーム内でも活躍していたりします。
また、会話や対話の中で的確な質問をすることによって、潜在的な悩みや思いを引き出せます。このように質問力を身につけることによって質の高い情報を引き出せるため、業績アップや生産性向上に効果を発揮するのです。
問題を解決できる
質問力をトレーニングすることによって問題解決能力も自然と高まります。普段から疑問や不明な点を積極的に質問することによって、仕事におけるミスを回避できます。また、不安な気持ちが解消されることによって、ポジティブな気持ちで業務にあたれるため、生産性や業務効率も高まるはずです。
会話をスムーズにし相手の関心をもってくることができる
質問するという行為は、相手に関心を持っていることを示す手段でもあります。相手の方に「自分に関心を持ってもらえている」と感じてもらえれば、相手から好意を抱いてもらいやすくなるでしょう。
しかし、不要な質問や中身のない質問を羅列してしまうと、反対に悪印象につながってしまう可能性があるので注意が必要です。リサーチすればわかるような一般的な質問や同じような質問ばかりをしてしまうと、信頼関係を築きにくくなるので気をつけてください。
自分の意見や経験を織り交ぜながら質問をすることはとても大切です。しかし、相手の考えや状況を理解するための手段と考え、質問する内容のバランスをよく確認しながら会話をしていきましょう。
信頼関係を構築できる
質問力を身につけることで、信頼関係をスムーズに構築できます。質問力はただ情報を得たり、問題解決をしたりするだけでなく、コミュニケーションツールとしても活用できるからです。
話を引き出して相手についてより深く理解することで、互いの距離がどんどん縮んでいきます。会話に困ったときでも、質問力がある方は得意の質問を武器にコミュニケーションを図れます。世代や性別を問わず、誰とでも会話を盛り上げることができるでしょう。
このように、質問を通して相手の方を深く理解することで、より深い信頼関係を築けるのです。
見識や世界を広げられる
会話をすることによって自分の中にある新しい考えや世界に気づいた経験がある方も、少なくないのではないでしょうか。質問をされることによって私たちは新たな思考が引き出されます。そのため、効果的な質問を重ねることによって、相手の考えやアイディア、さらには世界観までも広げられるのです。
これは、他者に対して言えるだけでなく、自分のタスクや課題に対する振り返りに対しても有効な手段と言えます。新しい角度から質問をすることでこれまでとは異なるモノの見方ができ、結果として全く新しい考えやアイディアが生まれるきっかけとなるはずです。
さらに、会議や話し合いなどの議論で行き詰まった際に的確な質問を投げかけることで、より良い解決策を見出せるでしょう。
質問力が高い営業パーソンの特徴
好奇心と探求心
質問力の高い営業パーソンは、常に好奇心を持ち、顧客やクライアントのビジネスに関心を示します。彼らは相手のニーズや課題を理解するために積極的に情報を収集し、業界のトレンドや動向に敏感です。
適切なオープン質問の能力
質問力のある営業パーソンは、オープンクエスチョンを使いこなす能力があります。オープンクエスチョンは相手に広範で自由な回答を促し、深い洞察を得るのに役立ちます。例えば、「どのようにしてその課題に対処していますか?」などです。
リスニングスキル
良い質問をするためには、良いリスニングスキルが不可欠です。相手の言葉に耳を傾け、理解しようとする姿勢が質問の質を向上させます。相手の発言から得られる情報を適切に取り入れ、次の質問につなげることが重要です。
問題解決の視点
質問力の高い営業パーソンは、質問を通じて問題解決の視点を持っています。彼らは相手の課題やニーズを理解し、自社の製品やサービスがどのようにその解決に貢献できるかを尋ねることができます。
適切なタイミング
質問は適切なタイミングで行われるべきです。営業パーソンは相手の状況や感情に敏感であり、適切な状況で的確な質問をすることが大切です。
効果的なフォローアップ
質問に対する回答を基に、効果的なフォローアップ質問をすることが質問力を高めます。これにより、対話が深まり、より具体的な情報が得られるでしょう。
共感力とエンパシー
質問力の高い営業パーソンは相手の立場や感情に共感し、エンパシーを持って質問します。相手が感じている課題や期待に真摯に向き合い、質問を通じて信頼関係を築くことが求められます。
質問の種類
質問力を鍛えるメリットについて理解ができたところで、ここからは質問の種類についてご紹介します。質問の種類は、大きく以下の5つです。
・オープンクエスチョン
・クローズドクエスチョン
・過去・未来質問
・肯定・未来質問
・サトルクエスチョン
これら5つの質問を状況に合わせて使い分けていくことが大切です。
オープンクエスチョン
オープンクエスチョンとは、回答が決まっておらず相手に自由に答えてもらうタイプの質問です。YesとNoで答えられず、解答範囲がとても幅広いため、会話の幅を広げる際にも有効な手段と考えられています。
オープンクエスチョンを活用するメリットは次の通りです。
・詳細な情報を引き出せる
・回答者に安心感を与えやすい
・会話を繋げやすい
相手の意思だけではない詳細な情報を引き出せるため、1つの質問だけで多くの情報を得られるでしょう。さらに、詳細な情報をヒアリングすることで、回答者は自分の話を聞いてもらえているという安心感が得られます。さらに得られた情報をもとに、さらに詳細な情報について質問することもできるため、会話を繋げるためにも効果的な質問スタイルです。
オープンクエスチョンの活用シーンと質問例
オープンクエスチョンは、回答者の気持ちや考えを深掘りするケースにおいて非常に有効です。そのため、営業シーンにおいては、顧客訪問のヒアリング時に、さらに採用シーンにおいても活用できるでしょう。
オープンクエスチョンの質問例は次の通りです。
・現在お使いの製品のどのようなところに不便さを感じていますか?
・弊社のサービスのどのようなところに魅力を感じていますか?
・○○さんが御社に入社したきっかけは何ですか?
・独立したきっかけは何ですか?
・次の休暇はどこにいきたいですか?
オープンクエスチョンは解答範囲が広いからこそ、相手の思考や意見をより引き出しやすいと考えられています。しかし、相手への負担が大きいタイプの質問であるため、信頼関係が築けていないケースや会話の冒頭で活用してもうまくいかない可能性があるので注意してください。
クローズドクエスチョン
クローズドクエスチョンとは、オープンクエスチョンとは対照的に回答範囲を狭く限定した質問スタイルです。YesやNoで答えられる二者択一や三者択一の質問など、限定した選択肢の中から回答を選んでもらいます。
クローズドクエスチョンを活用するメリットは次の通りです。
・やりとりがしやすい
・素早く回答を得られる
・会話の主導権を握れる
クローズドクエスチョンは、回答者の負担が少ないため質問者と回答者共にやりとりがしやすい質問スタイルです。回答者にとって非常に答えやすい質問のため、短時間に回答を得られます。クローズドクエスチョンで質問することによって、質問者が会話の主導権を握れるのも大きな特徴です。相手の意見をしっかりとヒアリングをしながら、自分の得たい情報に誘導できます。
クローズドクエスチョンの活用シーンと質問例
クローズドクエスチョンは、オープンクエスチョンとは異なり回答者の考え方やスタンスをはっきりさせるために活用される質問スタイルです。そのため、商談の開始時をはじめクロージング時にも非常に有効的と考えられています。
クローズドクエスチョンの質問例は次の通りです。
・人材育成方法にお悩みではありませんか?
・ここまで説明した内容でご不明な点や気になるポイントはありませんか?
・御社の困りごとは売上の低迷でしょうか?
・今のポジションに満足していますか?
回答者の負担を最小限に抑えて質問ができるクローズドクエスチョンですが、あまりにもクローズドクエスチョンが続いてしまっても、回答者はストレスを感じてしまうかもしれません。回答者が話したい内容が話せないと感じてしまうことがないよう、適度に他の質問タイプと組みわせて質問内容を考えることが大切です。
関連資料:オープンクエスチョン・クローズドクエスチョンを使いこなすためのトレーニングはこちら
過去・未来質問
過去・未来質問とは、過去と未来の時制を切り口とした質問スタイルです。
過去質問では文字通り「過去」のことを質問します。行動したことや既に起きていることについて分析するため、過去に限らず質問をする時点も含めて質問していきます。
一方で、未来質問では「未来」のことについて聞いていきます。これから先の展望やこれから起こるであろうことなど、希望や予定などを質問してください。
過去質問の活用シーンと質問例
過去質問は、相手のこれまでの経験や今考えていることを知るために重要な質問です。
過去質問の質問例は次の通りです。
・得意なことは何ですか?
・今までで一番努力したことは何ですか?
・これまでに達成したことや成し遂げてきたことは何ですか?
・あなたの長所や短所について教えてください。
過去質問は、質問者の過去の成功体験を知るためにとても高い効果を発揮します。しかし、過去質問の特性上、どうしても原因を追及する際に活用されることが多いため、あまり良い答えが出ないケースもあるので注意してください。
未来質問の活用シーンと質問例
未来質問は、過去質問とは異なり「未来」にフォーカスした質問ですので、これから起こる出来事や野望について質問していきます。
・あなたの目標やビジョンは何ですか?
・このプロジェクトを通してどのようなスキルを身につけたいですか?
・上司とどのような関係を築いていきたいですか?
・将来どのようなポジションにつきたいですか?
このように、未来質問は、既に起こったことを質問する過去質問に比べて、回答するハードルが高くなりがちです。回答者が質問した内容をイメージできていなかったり、わからなかったりした場合は「わからない」や「考えたこともありません」などの回答があることも理解しておきましょう。
否定・肯定質問
否定質問とは、否定的な表現や否定的な事柄を聞く際に使う質問スタイルです。
「どうして失敗したの?」や「チームの嫌なところは?」など否定的な表現やネガティブな表現が目立ってしまうため、回答者が責められている気持ちになってしまったり、モチベーションが低下してしまったりするなど、様々なデメリットが考えられます。質問をする際は否定質問を避けた方が賢明です。
一方で、肯定質問とはこれから作り上げていくことに焦点を当てた質問スタイルです。肯定的な事柄を質問するため、肯定質問では「〜でない」などの否定語を使用しません。そのため回答者も自然とポジティブな気持ちになれるのが特徴です。
肯定質問の活用シーンと質問例
肯定質問は、人材育成や教育現場で活用できる質問スタイルです。
肯定質問の質問例は次の通りです。
・どうすればできるようになると思いますか?(×なんでできなかったの?)
・自分の強みは何ですか?(×自分の弱点は何ですか?)
・自分の会社の好きなところは何ですか?(×自分の会社の嫌いなところは何ですか?)
・いつまでに仕上げられる?(×いつになったら仕上げられるの?)
このように、できなかったことや弱点などにフォーカスせずに、できることや得意なこと、そしてどのようにすれば状況が良くなるかといったようなポジティブな内容で質問を考えていきましょう。
サトルクエスチョン
サトルクエスチョンの「サトル」とは「さりげなく」という意味で、回答者に警戒心を与えることなく本音を聞き出せる質問スタイルを指します。相手の状況や言葉から推測をして、それらを織り交ぜた質問をすることによって本音を引き出しやすくなるというテクニックです。
サトルクエスチョンを活用するメリットとしては、信頼関係が構築できていない段階でも回答者の本音を聞き出せる。といったことがまず真っ先に挙げられます。
サトルクエスチョンの活用シーンと質問例
サトルクエスチョンは、初対面の相手と早く打ち解けたいときや顧客への提案の可能性を探りたいとき、さらには新規開拓の初期段階において非常に活躍する質問タイプです。
サトルクエスチョンの具体的な方法は大きく分けて次の2つがあります。
1. 相手に仮説をぶつけて訂正してもらう(「〜ということは○○(仮説)なんですよね?」)
回答者に仮説をぶつけてみましょう。その仮説の内容に対してYesかNoで回答してくれます。仮説が正しければそのまま会話を進められますし、誤っていた場合は回答者が訂正してくれるので、その内容に合わせて会話を考えていけば問題ありません。
質問に対して回答しているわけではないため、回答者の精神的な負担を減らす効果が期待できますので、より相手の本音を聞き出せるはずです。
2. 否定疑問文を用いて相手を肯定する(「〜のことで心当たりありませんか?」)
否定疑問文とは「〜ではありませんよね?」や「〜に心当たりはありませんか?」といった疑問文のことです。この否定疑問文では、回答者に自分のことを理解してもらえているという安心感を与えられます。
たとえ、否定疑問文を用いた回答がNoばかりだったとしても、その後にYesになるような質問を追加すれば問題ありません。
サトルクエスチョンの質問例は次の通りです。
質問者:「御社の新規事業に関する情報をネットニュースで拝見しました。様々なプロジェクトが良い方向に進んでいるのですよね?」
回答者:「ありがたいことに新規事業はとんとん拍子に進んでいます。でも、DXのプロジェクトはなかなかうまく進行せず困っていますよ」
このように、サトルクエスチョンで仮説をぶつけることによって、回答者の困りごとや悩み・課題を掘り出せるのです。
しかし、信頼関係がしっかりとある間柄でサトルクエスチョンを多用してしまうと「こんなことも分かってもらえていない」と相手に不信感を与えかねません。相手との関係性をしっかりと見極めた上で、適切なタイミングでサトルクエスチョンを活用してください。
良い質問と悪い質問
ここからは、良い質問と悪い質問の定義についてご紹介します。
良い質問例
良い質問の定義は「聞かなければわからない質問」や「聞くべき質問」です。良い質問の例をいくつか見ていきましょう。
良い質問例
・相手の話を深掘りする質問
・相手の意見や体験など、相手に聞かなければわからない質問
・相手の考えを刺激して新たな気づきを与える質問
・業務上ミスを起こさないための質問
・相手の気持ちを代弁する質問
聞かなければわからない質問とは、相手の生い立ちや経験、価値観や趣味嗜好など、インターネットや書籍などを用いて調べられない内容を指します。
そのほかにも、業務上の段取りや優先順位を確認したり、認識のズレがないかを確認したりする質問も重要と考えてください。
悪い質問例
悪い質問の定義は「調べればわかる質問」や「相手が答えづらい質問」です。
悪い質問例
・調べればわかる事柄に対する質問
・相手を問い詰める質問
・回答の範囲を限定し過ぎたり、誘導したりする質問
例えば、商談先の企業情報や業界の専門用語など、リサーチすれば誰でも分かり得るような内容を質問は相手に不信感を抱かれてしまいますので注意してください。
その他にも、質問内容が曖昧だったり分かりにくかったりして答えづらい質問も避けた方が良いでしょう。誘導尋問のように、回答範囲を限定し過ぎるのもNGです。
悪い質問を繰り返してしまうと必要な情報を引き出せないだけでなく、相手に嫌な印象を与えてしまい、信頼関係が壊れてしまう可能性もあるので注意してください。
関連記事:面談の中でスムーズに質問するためのフレームワークについてはこちらで解説しています(SPIN話法とは?メリットやポイント、営業を加速させる4種類の質問内容まで徹底解説!)
質問する上で意識したいポイント
質問をする際の重要なキーワードは「信頼関係」です。ここからは、質問する相手との信頼関係を構築するために意識すべきポイントをご紹介します。
相手の立場になって考える
質問する内容を考える際は「自分が相手の立場だったら」と考えることが大切です。相手が不快に感じるような言い回しになっていないか、失礼な内容になっていないかを確認するためにも、まずは相手の気持ちの寄り添う姿勢を意識してください。
相手の方との信頼関係を踏み込んだ質問をしたり、本音を聞き出したりするためにも、相手の話にしっかりと耳を傾けて信頼関係を構築していきましょう。
相手の意見や考えを否定しない
良好な関係を築くためには、相手の方の意見や考え方を肯定的に受け入れることが重要です。肯定的に受け入れるというと、相手の意見や考えに100%同調しなければならないと感じてしまいがちですが、実はそうではありません。
相手が間違っていたり、自分と意見が違かったりした場合は、同調するのではなく相手の意見を尊重する姿勢を示していきましょう。「あなたはこのようにお考えなのですね」と一言添えるだけで、相手の方は話を聞いてくれた、認めてくれたという気持ちになれるはずです。
専門的な用語などは避ける
質問の内容は、誰が聞いても理解できるものでなければいけません。誰が対象であるかは関係なく、専門用語や分かりづらい略語、そして業界用語などは避け、シンプルでかつ分かりやすい言葉を使って質問内容を考えてください。
さらに、質問内容を考える際は曖昧で漠然とした表現を避け、端的で分かりやすい内容となるよう意識しましょう。
会話であることを念頭に置き、質問を重ねていく
相手の方の気持ちや意見、要望などを聞き出そうと、たくさんの質問をぶつけてしまってしまうケースも少なくありません。しかし、漏れがないようにと大量の質問を投げかけてしまうと、相手の方に大きなストレスを与えかねません。
質問をする際は、会話であることを念頭に置いて、質問を重ねていきましょう。相手の話にしっかりと耳を傾けることで、取り調べのような一方的な会話になる最悪の事態を避けられるはずです。
質問する際の注意点
過度な詳細を求めない
質問の目的に応じて、相手にとって無理なく回答できる範囲で質問を行いましょう。あまりにも詳細な情報や個人的な事柄を尋ねることは、相手にとって不快に感じられることがあります。
先入観を持たない
質問をする際に、あらかじめ自分の意見や立場を押し付けることなく、相手の視点や経験に対してオープンでいることが重要です。先入観を持たないことで、より客観的な情報を得ることができます。
相手のペースを尊重する
質問をする際に相手のペースを尊重し、急かすことなく適切なタイミングで進めることが大切です。相手が忙しい状況やストレスを感じている場合は、無理に詳細な回答を求めないようにしましょう。
フィードバックを大切にする
質問を通じて得た情報や回答に対して、適切なフィードバックを行うことが重要です。相手の回答に敬意を払い、感謝の意を示すことで、信頼関係が築きやすくなります。
質問力を鍛える方法
ここからは、質問力のトレーニング方法をご紹介します。日頃から取り組めるものばかりですので、ぜひ実践してみてください。
何事にも疑問をもってみる
質問力を高めるためには物事に対して「なぜそうなるのか」、「もっと良い方法はないのか」、そして「本当にそれで間違いないか?」など、疑問に思うことが重要です。
当たり前のように習慣化していることであっても、様々な角度から考えることでより良いアイディアややり方が見出せるでしょう。このように何事にも疑問を持つことによって、物事を多角的に捉えられるようになり、質問のバリエーションも広がるのです。
相手自身に興味を持つ
何を質問すれば良いかわからないという方は、相手の方に興味を持つことが大切です。まずは相手をよく観察して、良いところを探してみてください。
人の欠点ばかりに注目せずに良いところにフォーカスすると、自然と相手に好感が持てて興味が湧いてくるものです。例えば「資料がとてもみやすいですね。資料作りのコツは何ですか?」といったように、良いところに着目することで相手も嬉しい気持ちになりますし、会話も広がっていきます。
会話は長く続かなくて困っている方は、まず相手の方に興味を持つことを意識してください。
質問力の高い人を観察し質問を学ぶ
自分自身で経験を積んで質問力を高めることは非常に大切ですが、質問力の高い人たちをよく観察することで効果的に質問力を鍛えられます。自分以外の方たちの会話を観察してみて、効果的だなと感じた質問の仕方を積極的に真似ていきましょう。
職場以外にも、テレビやラジオ、ネット配信などのインタビューや対談を聞くことで効果的な質問について学べます。どのような質問をどんな順番で組んでいるのか、そしてどのような聞き方や相槌をしているかを観察することで質問力を高めるヒントが見えてくるはずです。
質問する機会を作り場数を踏む
頭の中では質問したい内容がイメージできていても、なかなか言葉にできないという方も多いのではないでしょうか。質問したくても、会話の中でうまく切り出せないケースもたくさんあるはずです。そのような場合は、質問する機会を意図的に増やして場数を踏むことを意識してください。
ある程度経験を積まないと、相手が答えやすい質問を考えたり、さらには話題や話の流れに応じた質問を切り出したりすることはできません。質問力を上げるためには、質問することに慣れるように質問する機会をたくさん作っていきましょう。
質問することに慣れると、相手の表情や声のトーン、目線や言葉遣いなどにも注意が払えるようになるため、相手からの情報量がより増えるはずです。
5W1Hを意識して行う
相手にとって理解しやすい内容にするためには、5W1Hを意識した質問づくりが重要です。
・Who(誰が)
・When(いつ)
・Where(どこで)
・What(何を)
・Why(なぜ)
・How(どのように)
この5W1Hを質問の内容にうまく取り入れることによって、必要な情報をしっかりと聞き出せます。短時間でかつ手間も最小限にやりとりできるため、質問力だけでなくコミュニケーション力向上にも効果を発揮するでしょう。
関連記事:質問力を高めるための仮説思考について詳しく解説しています(仮説思考とは?効率的に高いアウトプットを出すための5つのコツとトレーニング方法を徹底解説!)
【まとめ】顧客のニーズや要望をヒアリングするために必要不可欠なスキル
今回は、質問力とは何か、そして質問力を高めるメリットやトレーニング方法について詳しく解説しました。営業にとって質問力とは、顧客のニーズや要望をヒアリングするために必要不可欠なスキルです。ご紹介したポイントやトレーニング方法を意識して、ご自身の質問力をより高めていくことをおすすめします。