セールスマネージメントモデル 

2025.02.26 (更新日:2025.03.04)

マネジメントノウハウ

「トッププレイヤーが優秀なマネジャーになれない」の壁を越え、強い営業組織を確立するセールスマネジメントモデル

トッププレイヤーとして活躍する営業パーソンは、その評価の高さからいちはやくリーダー等の管理職に昇進することも多いと思いますが、必ずしも優秀なマネジャーになるとは限りません。「なぜNo2が育たないのだろう…」そんな壁を感じている管理職の方も多いのではないでしょうか。

実は、個人の成果と組織全体の成果を導く力は異なるスキルを求められます。組織的にリーダーを育て、営業を属人化させず組織を強化するには、「営業を体系化してマネジメントする」「成果を生む基準を設定する」「仕組みを通じて文化を醸成する」ことが必要です。

本記事では、これらの課題を乗り越え強い営業組織を確立するためのマネジメントについて解説します。管理職育成に悩む営業本部長や執行役員の方に、組織強化のヒントを提供いたします。

営業組織のマネジャー育成に関してこんなお悩みを抱えていませんか?

営業組織を強化するためには、優れたマネジャーの育成が不可欠です。しかし、次のようなお悩みを抱えていらっしゃいませんか?

– トップ営業パーソンが必ずしも良いマネジャーにならない
– 営業スキルとマネジメントスキルの違いに戸惑っている
– チームの統率や部下の育成がうまく進まない
– マネジャー自身が業務に追われ、指導に時間を割けない
– 組織全体の営業成果が思うように伸びない

実はこれらのお悩みは業種を問わず大変多いのです。ではその理由を見ていきましょう。

「トッププレイヤーが優秀なマネジャーになれない」と言われる5つの理由

トッププレイヤーが優秀なマネジャーになれないと言われる理由は以下の5つです。

1.スキルセットの不一致

トップ営業パーソンが持つ営業スキルと、マネジャーとして必要なマネジメントスキルは異なります。営業スキルは個人のパフォーマンスを最大化するためのものですが、マネジメントスキルはチーム全体のパフォーマンスを向上させるためのものです。

2.役割の移行不全

営業パーソンからマネジャーへの役割移行がスムーズに行われていない可能性があります。営業パーソンは個人の成果を追求する傾向がありますが、マネジャーはチームの成果を追求する必要があります。

3.タイムマネジメントと優先順位付けの不全

マネジャー自身があまりにも業務に追われている場合、部下の指導や育成に十分な時間を割くことが難しくなります。これにより、チーム全体の成長が阻害されることがあります。

4.リーダーシップの欠如

チームの統率や部下の育成がうまく進まない場合、リーダーシップの欠如が原因となることがあります。リーダーシップはチームのモチベーションを高め、方向性を示す重要な要素です。

5.組織全体の戦略の不明確さ

営業成果が思うように伸びない場合、組織全体の戦略や目標が明確でないことが原因となることがあります。

マネジャーが明確な目標を持ち、それをチームに伝えることが重要です。これらの問題を解決するためには、マネジメントスキルの向上やリーダーシップの強化、時間管理の改善、そして組織全体の戦略の明確化が求められます。

そして、これらを解決するマネジメントの「型」が体系化されたものが、セールスマネジメントモデルです。

セールスマネジメントモデルとは?その重要性と効果を解説

セールスマネジメントモデルとは、営業組織の成果を最大化するための管理手法やプロセスを体系的にまとめたものです。このモデルを導入することで、個々の営業パーソンの能力だけに頼らず、組織全体で均一なパフォーマンスを発揮できます。重要性としては、目標設定から進捗管理、コーチングまで一貫したアプローチが可能となり、マネジャーの育成や組織力の強化につながります。また、効果として営業プロセスの標準化や効率化が進み、組織の強化と継続的な業績向上に寄与します。

営業組織強化におけるモデルの活用法

営業組織を強化するためには、セールスマネジメントモデルの活用が重要です。具体的な方法としては、次で述べるマネジメントの7つの型を習得し、評価を通して継続的にその効果を測定し続けることが重要です。

目標設定と共有:

チーム全体で明確な目標を設定し、営業パーソン全員で共有します。これにより、一致団結して業務に取り組めます。

定期的な評価とフィードバック:

個々のパフォーマンスを評価し、適切なフィードバックを行います。これが課題の認識と成長につながります。

トレーニングの提供:

必要なスキルを習得するための研修や教育の機会を設けます。継続的なスキルアップが組織全体の力を高めます。

これらの取り組みを通じて、モデルを効果的に活用し、営業組織全体のパフォーマンスを向上させることができます。

管理職育成におけるモデル導入のメリット

管理職育成にモデルを導入することで、以下のメリットがあります。

育成プロセスの標準化:

一貫性のある教育が可能となり、すべての候補者が同じレベルのトレーニングを受けられます。

役割・スキルの明確化:

管理職に求められる役割や必要なスキルが明確になるため、育成の方向性がはっきりします。

スキルギャップの解消:

スキルの不足部分を正確に把握し、それを埋めるための効果的なトレーニングが提供できます。

円滑な職位移行:

トッププレイヤーが管理職へとスムーズに移行できるよう、必要なスキルや行動を体系的に学べます。これらにより、強い営業組織を築くための優れたリーダーシップが育成されます。

セールスマネジメントモデルの7つの型とは

セールスマネジメントモデルの7つの型を具体的に解説している記事をご紹介します。

1.ビジョンマネジメント

関連記事:ビジョンとは?組織に浸透するビジョンマネジメント6つの実践ステップを徹底解説!

ビジョンマネジメント


eBook:ビジョンマネジメントについて解説しています。
-BtoB営業マネジメントシリーズ①-ビジョンマネジメント


2.戦略マネジメント

関連記事:効果的な営業戦略の作り方とは?手順を徹底解説!【2024年最新版】戦略トレンドも!



eBook:戦略マネジメントについて解説しています。
-BtoB営業マネジメントシリーズ②-戦略マネジメント


3.市場マネジメント



eBook:市場マネジメントについて解説しています。
-BtoB営業マネジメントシリーズ⑤-市場マネジメント



4.組織マネジメント

関連記事:チームの営業力強化に必須!BtoBにおける営業マネジメントの役割




eBook:組織マネジメントについて解説しています。
BtoB営業マネジメントシリーズ③組織マネジメント

5.プロセスマネジメント

関連記事:営業プロセスマネジメントとは?課題を明確にし確実に目標を達成するマネジメント術を解説(図解あり)




eBook:プロセスマネジメントについて解説しています。
BtoB営業マネジメントシリーズ③プロセスマネジメント


6.顧客マネジメント

関連記事:顧客マネジメントとは?



BtoB営業マネジメントシリーズ⑦顧客マネジメント フロントライン営業マネジャー向け


7.人材マネジメント

関連記事:人材育成で大切なこと-目的、基本的な考え方を徹底解説!【人材育成シリーズ①】



BtoB営業マネジメントシリーズ④人材マネジメント Person Management



セールスマネジメントモデル導入の成功事例

セールスマネジメントモデルを導入した企業では、営業組織のパフォーマンスが向上しています。営業プロセスの標準化により、新人営業パーソンでも成果を出しやすくなり、数値目標の明確化でチームの目標意識が高まりました。マネジャーの役割も明確になり、的確な指導が可能となっています。このような成功事例は、セールスマネジメントモデルが営業組織強化と管理職育成に有効であることを示しています。

シェルパワークス導入事例はこちら

★シェルパワークス導入事例はこちらhttps://sherpaworks.jp/usercase/

成果と効果測定の方法

セールスマネジメントモデル導入の成果を評価するためには、明確なKPI(主要業績評価指標)の設定が重要です。具体的には、営業パーソン一人ひとりの売上高、成約率、リード獲得数などの定量的なデータを収集します。また、チーム全体のエンゲージメントや顧客満足度といった定性的な指標も見逃せません。これらのデータを定期的に分析し、目標達成度や改善点を明らかにすることで、モデルの効果を客観的に測定できます。そして、その結果を基に戦略を調整し、持続的な組織強化を図ります。

成功するセールスマネジメントモデル導入の秘訣

セールスマネジメントモデルを成功させるためには、以下のポイントが重要です。

1. 経営陣の強いコミットメント:

経営陣自らがモデル導入の先頭に立ち、その重要性と目的を明確に示すことで、組織全体の理解と協力を得られます。

2. 現場からのフィードバックの活用:

営業パーソンの日々の経験や意見を取り入れることで、モデルを実践的かつ効果的なものに改善していくことができます。

3. 継続的なトレーニングとサポート:

モデルの理解と定着を促すために、定期的な研修やフォローアップを行い、スタッフが安心して取り組める環境を整えます。

4. 成果の可視化と共有:

モデル導入による成功事例や数値的な成果を共有することで、組織内のモチベーションを高めます。

これらのポイントを押さえることで、強い営業組織を確立し、持続的な成長を実現することができるでしょう。

経営陣のコミットメントとその重要性

営業組織の強化や管理職の育成を成功させるためには、経営陣のコミットメントが不可欠です。経営陣が自らの意志で組織改革に取り組む姿勢を示すことで、組織全体のモチベーションが向上し、目標達成に向けた一体感が生まれます。特にセールスマネジメントモデルの導入やトッププレイヤーを優秀なマネジャーに育成する際には、経営陣の支援と明確な方針が重要です。経営陣の積極的な関与があることで、現場の営業パーソンも新しい取り組みに前向きに参加し、組織全体で成果を上げることが可能となります。

継続的な改善とフィードバックの取り組み

継続的な改善とフィードバックの取り組みは、セールスマネジメントモデルを効果的に活用する上で不可欠です。定期的な目標設定と達成状況の確認を行うことで、組織全体で課題を共有し、迅速な対策が可能になります。また、マネジャーと営業パーソンとのオープンなコミュニケーションを促進し、現場の意見を取り入れることで、戦略の精度を高めることができます。これらの取り組みにより、組織のパフォーマンスを向上させ、強固な営業組織を築くことができるのです。

まとめ:営業組織強化と管理職育成のために今すべきこと

営業組織を強化し、管理職を育成するためには、トッププレイヤーとマネジャーの役割の違いを明確に理解することが重要です。その上で、セールスマネジメントモデルの体系的なマネジメントスキルを全社的に導入しましょう。また、経営陣のコミットメントと継続的な改善・フィードバックの取り組みにより、管理職の成長を支援する環境を整えることが不可欠です。これらのステップを踏むことで、強い営業組織を構築し、組織全体の成果向上を実現することができます。

この一冊でわかる!「7つの型」で営業組織のマネジメントを体系化する。
「セールスマネジメントモデル」シェルパワークス代表取締役社長 米倉達哉著 2025年2月28日(金)発売

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