2023.01.11 (更新日:2023.01.14)
営業フローとは?流れやメリット、パターン別における営業フローまで徹底解説!
営業担当者として活躍する人は数多く存在しますが、仕事のやり方や取り組み方は千差万別です。営業をする商材はもちろんのこと、営業先によってもアプローチ方法や営業手法は大きく異なります。営業活動は属人化してしまいがちであり、営業担当のスキルや経験次第が大きく営業成績が左右されてしまいかねません。そこで重要なのが、営業プロセスを可視化する「営業フロー」の存在です。
ここでは、営業活動の効率化や問題点の洗い出しなどに最適な「営業フロー」の概要を詳しく解説します。営業フローを作成するメリットや営業フローの基本的な流れもご紹介するので、売り上げが伸び悩んでいているとお悩みの方や営業フローを作成する上でのポイントやコツを知りたいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
目次
営業フローとは
まずは、営業フローの概要について解説します。営業フローとよく混同されがちな営業プロセスとの違いについても触れますので、営業フローに関する理解を深めていきましょう。
営業フローを活用し自身の営業活動を可視化する
営業フローとは、企業の営業プロセスを具体化・可視化したもので、平たく表現すると「営業の流れ」のことです。
営業活動と一言で言っても、様々なプロセスを組み合わせて成り立っています。営業活動前の事前準備をはじめ、アプローチや商談、提案、受注、そして契約までの一連の流れや、それぞれのプロセスにおける具体的な営業手法を可視化する、いわゆる「営業マニュアル」のようなものと考えてください。
営業フローを作成することで、どの営業マンも「今行うべきタスク」を確認しながら効率よく営業活動を進められます。
営業フローと営業プロセスの違い
営業プロセスとは、営業活動全体の流れを可視化したものを指します。
営業フローと営業プロセスは、どちらも営業の流れを可視化したものという点では同じですが、両者は可視化する対象が異なります。
営業フローは、営業プロセスの流れとそれぞれのプロセスをさらに掘り下げて具体的な手順や営業手法を可視化する「マニュアル」であるのに対し、営業プロセスは営業活動の流れだけを可視化するいわば「骨子」です。
営業フロー作成のメリット
ここでは、営業フローを作成する3つのメリットをご紹介します。
自身の営業活動を振り返り改善を図れる
営業フローを作成することで、自身の営業活動の振り返りができます。営業プロセスを可視化することによって、営業活動全体を客観的に考察できるようになるのです。
可視化することによって非効率や営業活動や無駄な動きを把握でき、自身の営業活動をブラッシュアップするためにとても高い効果を発揮します。
営業活動全体を体系的に理解することにも繋がるため、経験が浅い若手人材の育成にとっても非常に役立つツールと言えるでしょう。
対応漏れを未然に防ぐことができる
営業フローを作成しておけば、対応漏れを未然に防ぐこともできます。
営業担当者は、基本的に複数の案件を同時進行しています。常にマルチタスクでアクションを起こしていかなければならないため、どうしても対応漏れが起きやすいのです。
特に、新人の営業担当者の場合は、営業プロセスをしっかりと理解できていないことも災いして、対応が必要な場合であってもそのまま放置してしまうケースも少なくありません。
営業フローを明確に提示することによって、万が一トラブルやイレギュラーな事態が起こっても、取るべき行動や対応が瞬時にわかるため、テキパキと業務を進められるでしょう。対応漏れによる失注を防ぐためにも、営業フローは営業活動においてなくてはならない存在です。
チーム全体で共有し営業効率を高めることができる
営業フローを作成して営業プロセスを言語化や視覚化をすることによって、非効率な動きや手薄になっているプロセスを明確にチェックできるようになり、問題点や課題点を見つけやすくなります。
問題点や課題点が浮き彫りになれば、あとは改善するのみです。急ピッチでPDCAを回せるようになるため、それぞれの営業マンの業務効率がアップするのはもちろん、チームや組織全体の営業効率を高めることにも繋がるでしょう。
営業フローの流れ
営業フローは、取り扱う商材やターゲットによって枠組みや流れが大きく異なるので注意が必要です。ここでは、営業フローの一般的な流れと具体的なアクションについて詳しくご紹介します。
見込み客の獲得とアプローチ
自社に問い合わせをした方をはじめ、メールマガジンの購読者、イベント参加者などを見込み客として、営業活動のアプローチをかける対象とします。
見込み客が定まったら、実際にアプローチをかけていきます。アプローチの手段としては、電話やメール、DMなどが一般的です。自社製品やサービスを購入する可能性ある見込み客に対して積極的にアプローチしてください。
ニーズに合わせた情報提供
アプローチした見込み客に自社の製品やサービスの魅力を理解してもらうために、顧客のニーズに合わせた情報提供をしていきましょう。
顧客のニーズを理解するためには、顧客が抱える課題や問題点を把握することが大切です。顧客からの問い合わせがあったタイミングやアプローチの段階で課題や問題点を聞き出すことができるとベストです。顧客の困りごとをうまく絡めて情報提供をしてください。
「顧客はなぜ、何のために自社の商品やサービスを購入するのか」ということを念頭に置いて商品やサービスの良さをアピールすると成約率が高まるでしょう。
ここで注意したいのが、情報提供する際の相手の反応です。商品やサービスの良さを伝えようと一生懸命話し続けてしまうと、顧客が聞きづかれてしまう事態を招きかねません。顧客の様子や状況に応じて、情報提供とヒアリングを同時進行で行うなど、臨機応変に対応してください。
関連記事:潜在ニーズの見つけ方とは?お客様のウォンツから本当の目的を引き出す質問方法を徹底解説!
ヒアリングの実施
自社の商品やサービスに関する情報提供が一通り終わったら、そのまま顧客のヒアリングを行っていきましょう。
ヒアリングでは、顧客の抱える課題や現状、どのようなサービスや機能を求めているか、さらには予算などの金銭的な内容など、様々な内容を聞き出していきます。ただ質問をするのではなく、相手の話に共感しながらヒアリングを行うことが重要です。
課題解決のための提案
ヒアリングが終わったら、いよいよ自社商品やサービスを提案していきます。
提案をする際に重要なのが、商品やサービスによってヒアリングの際に浮き彫りになった課題や問題点を解決できる旨を、端的にわかりやすく伝えることです。
ネットや資料をチェックすれば知り得るような概要を伝えるのではなく、購入・契約することでどのようなメリットや利益がもたらせるかをイメージできるように提案してください。
導入事例や活用事例を提示しながらプレゼンテーションをすることでより説得力が増すでしょう。
クロージング
商談が一通り終わったら、最後にクロージングを行います。クロージングとは、契約を成立させるために重要なプロセスであり、最終ステップです。
クロージングが成功すると「見込み客」から「顧客」となり、正式な契約が成立します。万が一、見込み客が契約に躊躇していたり、悩んでいたりする場合は、背中を押してあげるような声かけをしてみましょう。もちろん、最終的な判断は見込み客に委ねられますが、押しの一声があることで契約を決断できるケースも少なくありません。
関連記事:BtoB営業におけるクロージングまでの流れやテクニック、成功するポイントを解説
パターン別での営業フローについて
営業フローは、新規開拓なのか、それとも先方からの問い合わせへの対応なのかによって、手法が大きく変わります。ここでは、パターン別に見る営業フローについてご紹介します。
新規開拓時の営業フロー
新規開拓時における営業フローでは、顧客の対応や反応に応じて様々なパターンを想定し、準備することが重要です。
新規開拓の営業フローを作成する際は、営業活動全体をプロセス化すること、そしてどのプロセスが問題・課題となっているか、さらには問題や課題を解消するためにはどのような対応をすべきかを見極めてください。
例えば、飛び込み営業をした際の顧客の反応がイマイチだった場合は、定期的に電話をかけてみましょう。それでも断られる場合はメールで対応するなど、様々なケースを想定して営業フローを考えていきましょう。
関連記事:新規開拓営業を成功させる5つのコツをご紹介。顧客の心をつかむ準備方法とその手法
既存掘り起こし時の営業フロー
既存顧客の掘り起こしをする際は、必ず過去の商談履歴を確認した上で最適なフローを検討していきます。
いきなり飛び込み営業をするようなスタイルは避けて、まずはDMやメール、場合によっては電話などからスタートさせて、関係性を構築するようにアプローチをかけてください。
問い合わせ対応時の営業フロー
広告やWebサイトを見て問い合わせをされた顧客に対しては、問い合わせ内容に合わせた営業フローを作成します。
商品やサービスの詳細が知りたいケースもあれば、すでに購入を決めた上で問い合わせをされるケースなど、顧客によって動機は様々です。
顧客のニーズに合わせて、最適な営業フローを作成することで、成約率を大幅にアップできるでしょう。
BtoB、BtoCにおける営業フローについて
BtoB営業とBtoC営業の大きな違いは、最終的な意思決定者、決裁者が異なるということです。そのため、それぞれの営業スタイルに合わせて適切な営業フローを作成する必要があります。
BtoBでの営業フロー
BtoBとは「Business to Business」の略で、企業などの法人を相手にする営業スタイルのことです。
BtoBにおける一般的な営業フローは次の通りです。
1. 見込み客のリスト作成
2. アプローチ
3. アポイント
4. 訪問
5. 受注
BtoB営業では対法人で営業をかけていくため、商談相手が社長や役員などの決済者でないケースがほとんどです。そのため、営業担当者と話をした方だけでは意思決定できないだけでなく、意思決定をする際のプロセスも非常に複雑という特徴があります。
さらに、提案や提案をしてすぐに契約や受注されないケースもほとんどです。担当部署での検討会議を経て、ようやく契約となります。
そのため、BtoBの営業フローでは状況に応じて商談や提案する機会を多く設けて、何度もアプローチをかける必要があります。根気強く、粘り強く営業活動を行っていきましょう。
BtoCでの営業フロー
BtoCとは「Business to Consumer」の略で、一般消費者を相手とする営業スタイルです。
BtoCにおける一般的な営業フローは次の通りです。
1. 見込み客のリスト作成
2. アプローチ
3. 訪問
4. 受注
BtoC営業は対個人への営業活動ですので、BtoC営業に比べて営業フローも非常にシンプルです。
雑誌や広告、テレビやWeb CMなどでアプローチすることで、わざわざアポイントを取らなくても商談や契約に結びつきやすい、意思決定者が個人であることから商談期間も比較的短いという特徴があります。
BtoC営業で訪問する場合は、基本的に飛び込み営業がほとんどです。早朝や夜分遅くなど、迷惑な時間帯の訪問は避けるよう意識してください。
関連記事:営業フローの可視化に成功したあとは、パイプライン管理で実績を出す!
【まとめ】営業フローへの理解を深めて、営業組織を改善する
今回は、営業フローの概要をはじめ、営業フローを作成するメリットや営業フローの基本的な流れについて詳しくご紹介しました。営業フローを作成することで、自身の営業活動を振り帰って改善できるだけでなく、対応漏れを未然に防ぐことができ、結果としてチーム全体で共有し営業効率を高めることにも繋がります。
営業成績が振るわないとお悩みの組織や組織全体の営業活動を見直したいとお考えの方は、営業フローに関する理解を深めて、自社の営業活動、営業組織のさらなる改善に活かしてください。
適切な営業フローを作成するためには、CRMやSFA、MAなどの営業支援システムが非常に役立ちます。営業フローの作成方法にお悩みの方は、ぜひこれらの営業支援システムの活用も検討してみてはいかがでしょうか。