2024.02.28 (更新日:2024.03.25)

育成体系

営業スキルの種類と身につけるべき7つの能力|スキルアップのコツを解説!

「営業スキル」を伸ばすために必要なものとは?
営業活動においては、経営サイドが立案する経営・営業戦略や各エリアのエリア戦略などが活動方針の中心となりますが、日々、お客様と接する営業担当者の「営業スキル」も営業組織の業績に大きく影響する要因です。営業担当者がスキルを身に着け、営業活動を通じてお客様と信頼構築を行い、長期的な取引を実現することが営業において戦略実行の基本となります。

営業スキルの重要性とは?

営業スキルは、ビジネスの世界で非常に重要な能力です。営業スキルを持つことは、商品やサービスを顧客に効果的にアピールし、売上を伸ばすために不可欠な要素です。
営業スキルを身につけることによって、顧客とのコミュニケーション能力や説得力が向上し、信頼関係を築くことができます。また、交渉力や問題解決能力も高まり、顧客のニーズに合った最適な提案をすることができます。

営業スキルを身につける方法はいくつかあります。まずは、実践を重ねることが大切です。営業の仕事に携わる機会を積極的に探し、経験を積むことでスキルを磨くことができます。また、営業に関する書籍やセミナーを活用し、知識を深めることも有効です。

営業スキルを身につけることは、ビジネスの成功に欠かせない要素です。積極的に学び、練習することで、自身の営業力を向上させましょう。

BtoB営業とBtoC営業の違い

BtoB営業とは、企業間取引に関する営業活動のことを指します。どんな商材を提供するかによって違いはありますが、一般的にBtoBは比較的大きな金額になることが多く、意思決定が組織内で行われることが特徴です。そのため単に商談をする担当者を納得させるだけでなく、ターゲットである企業全体のメリットを考える必要があります。

一般個人を対象とするBtoC営業は、1件当たりの受注規模が比較的小さなものが含まれます。そのため、より多くの見込み客にアプローチや商談していくことが求められます。一方でBtoB営業においても商談件数を増やすことは重要ではあるものの、比較的1件当たりにかける時間や労力が多くなるという違いがあります。ターゲットとなる企業について深く分析したり、何度も商談を重ねることで信頼関係を構築し受注へとつなげていきます。

また、BtoC営業では商談をする相手が、直接購入を決定し利用するケースが多くあります。しかし、BtoB営業では商談担当者が製品やサービスの利用者になるとは限りません。また意思決定が上層部の判断に委ねられることもあり、購入プロセスが複雑であることも特徴です。

営業に向いている人の特徴

営業の特徴を考えると、営業に向いているのは、相手の状況を分析して課題や改善点を洗い出すことに関心を抱ける人や、複数の関係者と関係構築しながら営業活動を進めるためのコミュニケーションをいとわない人といえます。

・コミュニケーション能力が高い
・自ら調べて動ける
・セルフマネジメント能力に長けている
・体力・精神力が強い

また、お客様との関係構築だけではなく、社内の関連部署や上司・同僚・部下との協力関係も必要とされます。営業活動を自分の都合だけで進めるのではなく、関係者の利害や日程を調整しながら円滑に進めることが求められるため、周囲への配慮や中長期の視点を持つことが得意な人は営業に向いているといえるかもしれません。

成果をもたらす営業スキル(能力)の種類

顧客との長期的なWIN-WINの関係性を構築し、継続的に成果を出し続ける営業担当はそれぞれの営業スキル要素を上手に取り入れています。ここではハードスキルとも言える、体系的な営業スキルの種類を見てゆきましょう。

成功する営業のマインドセット

成果をあげ続ける営業とそうでない営業には決定的な違いがあることは多くの調査で証明されています。お客様の成功に貢献しようとするマインドセットとそのマインドをお客様に感じていただくようしっかり準備し、お客様の理解に努めましょう。
参考資料:成功する営業マインド

ターゲティングスキル

ハイパフォーマーは限られた活動工数の中でどのように最大の成果を上げていくかという意識をもって活動しています。
最大の成果を上げるための活動配分を明確にするために、たくさんのお客様をある基準に基づいて重要度の高いから低いに分けて、メリハリのある営業活動の配分方法の理解が必要です。
参考資料:ターゲティングスキル

案件攻略スキル

営業とはお客様とともにプロセスを前に進める活動のことです。ただし、営業が前に進んでいると思っていてもお客様は停滞しているということはよくあります。
お客様ごとの状況を重要な視点で分析し、具体的なシナリオにして受注を勝ち取る方法が必要です。
参考資料:案件攻略スキル

面談スキル

お客様との関係性がまだ浅い場合の商談は、信頼していただくため関わり方が重要になります。特に、商談の初期段階では時間を割いて面談するに値するのかどうかを評価されています。 お客様に信用してもらい、信頼につなげるための一回一回の面談スキルを磨きましょう。
参考資料:面談スキル

課題共有スキル

お客様は、事業課題の実現のために必要に応じて外部が提供する価値を導入します。ところが、この事業課題とニーズの構造を理解することは簡単ではありません。お客様自身も認識していなこともあります。
お客様の事業課題について仮説に基づく質問シナリオを準備し、面談での質問を通して明確に共有する方法を習得しましょう。
参考資料:課題共有スキル

プレゼンテーションスキル

プレゼンテーションをスピーチと混同して、うまく伝えることを目的にしている人をよく見かけます。営業のプレゼンテーションでは、お客様に具体的な行動を起こしてもらわなければなりません。
お客様の心に響き、具体的に行動してもらうために、お客様の課題に焦点をあてたプレゼンテーションが成約率を上昇させます。
参考資料:プレゼンテーションスキル

外部研修で身に着けられる体系的な営業スキルについて理解できる資料はこちら

身につけるべき7つの営業スキル(能力)とは?

営業を成功させるためには様々なソフトスキルも必要不可欠です。それぞれを整理することで営業担当者に必要なスキルの全体像が見えてきます。個人がどのようなスキルを持っているのか、足りない能力は何かを見極めることで、スキルアップの参考となるはずです。

コミュニケーション能力

どのような営業手法であっても、コミュニケーション能力は基本とも言えるスキルです。そのために、お客様と良い関係性を構築できるよう対話する力が求められます。アプローチからアフターフォローまで、かなり長い時間担当者やお客様とお付き合いをしていくことになります。どのプロセスにおいてもスムーズなやり取りができなければ、商談がうまく進まない可能性があります。それだけに、単に自社商品のアピールが上手というだけでなく、人間関係の構築ができるというのは重要な要素なのです。

そして、コミュニケーション能力が必要なのは、顧客との関係だけではありません。社内におけるコミュニケーションも求められます。営業活動では、様々な部門との連携が重要となるからです。例えば、商品開発や製造の部署との連携も重要です。相手の要望や必要に合わせて、細かく商品の仕様を変更することもあります。お客様の求めるものを提供するためには各部署とのコミュニケーションが不可欠です。

ヒアリング能力

営業活動においては、お客様が抱える課題や問題を把握して、その解決を図るために自社商品を提案するという流れが一般的です。そのため、まずは相手が感じている課題を正確にヒアリングできなければ良い提案となりません。面談する相手が必ずしもニーズや課題をすべて整理して伝えてくれるとは限りませんから、商談の中で相手の話に耳を傾け、重要なポイントを抽出して理解するスキルは重要となります。営業担当者がヒアリングした情報を基に提案を検討していきますので、ヒアリングスキルはぜひとも身に着けたいものです。

また、相手のことをよく聞くという姿勢は、業務面だけでなく相手の心証を良くするという効果もあります。これはお客様との関係性を作るのにも有効ですので、意識して取り組みたい点です。

行動力

ベンチャー企業や大手企業の新規事業の登場により、あらゆるジャンルにおいて競争が厳しくなっています。また、インターネットから簡単に情報を取り入れられる時代となっており、競合企業もお客様も豊富な情報を持つようになりました。そうした状況で優れた提案をするためには、業界や最新技術、相手企業の情報などを積極的に勉強しないといけません。こうした前向きな行動は、営業力を底上げするのに役立ちます。

また、お客様だけでなく社内のとりまとめが必要となるケースも多いため、社内外を問わず行動力は営業担当者にとって不可欠の能力といえます。顧客が何かしらの要望を出してきたり、急な質問をしてきたりする際に、すぐに対応するということも顧客による印象を良くするものとなります。こうした点でも行動力を高めていけるというのは、営業成績にもプラス影響をもたらすものとなります。

交渉力

お客様が話すことを正確に受け止め、それを基にして同じ目線で話し合っていくことで、商談がまとまります。その際には、営業担当者が一方的に説明したり提案したりするのではなく、相手の意見も聞き出しながらやり取りをしていくことが肝心です。その中で、お客様から価格交渉や仕様変更の要求など、様々な交渉シーンに直面します。もちろん、顧客満足度を高めるために相手の要望をできる限り反映することは大事ですが、自社の利益を確保することや、お客様に真に価値ある提案をするためには、お客様の要求通りに対応できない場合もあります。そのバランスを保ち、お互いに納得できる条件を提示していくことが重要です。それが交渉力の求められるところとなるのです。

分析・課題発見能力

お客様との話し合いや事前のリサーチにおいて、お客様が抱えている課題を見つけ出したり、潜在的にある課題を洗い出したりする能力は現代の営業手法には欠かせません。商談の中でたくさんの情報を引き出せても、そこから自社の製品やサービスと結びつけるためには、自社にとって有益な課題を発見しなければいけません。特に表面化していない問題を取り上げる場合は、より問題を深堀りして本質に迫る必要があります。お客様自身が課題を認識していても、どこをどう改善したら良いのか、そもそもどのシステムやプロセスが問題の元となっているのかを整理できていない場合は、一緒に考え解決策につなげることで一気に商談を有利に進められることになります。

タイムマネジメント力

営業の仕事は非常に多岐にわたるものです。市場リサーチから始まり、アプローチや商談、見積もり、納品、アフターフォローと1つの企業に対応するだけでも複雑なプロセスを踏んでいきます。こうした状況をスムーズに進めていくためにも、またより素早い対応をするためにも、時間の有効活用ができないといけません。

そのためには、目標やゴールを設定し時間軸で逆算していくことです。それにより、いつ何をしないといけないかが分かり、営業活動を着実に前進させることができます。また、メーカーであれば在庫確認や仕様変更、発送など他の部署と連携を取る必要もあり、周囲との協働作業をするうえでもタイムマネジメントが求められます。優秀な営業成績を上げている営業担当者ほど、限られた時間を有効に活用していますので、周囲を観察してみるのもいいでしょう。

クロージング能力

最終的に契約締結まで導くために、お客様の心が動く提案をする必要があります。契約締結のプロセスをクロージングと呼びます。クロージングが上手な人は、前述のヒアリングもしっかりとできています。相手の求めるもの、悩んでいることを正確に把握することで、それを基にした提案ができるからです。営業においては論理的な説明ができるというのもクロージング能力に重要です。自社の強みや顧客の課題、導入することでお客様が得られるメリットなどを論理的に説明できることで、お客様が安心して購入の判断をすることができるのです。

関連記事:アカウント営業とは?重点顧客との長期的な関係構築を作るポイントついて解説

スキルアップを実現する方法とは?

営業に必要なスキルをご紹介しましたが、ここからは営業スキルを高めるためのポイントを解説していきます。自身のスキルアップの参考にしてください。

自己分析を正確にする

まず現状で自分の営業活動がどんな状態かを把握しましょう。客観的に把握するためには、例えば社内で活躍している営業担当者の営業活動を観察してみるといいでしょう。その上で自身の営業活動を客観的に分析し、強みと弱みを整理することをおすすめします。

そうすることで、自分の良さを生かした営業のやり方を見つけることができます。営業に必要なスキルはありますが、営業スタイルは人それぞれの特徴を生かすことが成果へとつながります。コミュニケーションや分析力、巻き込み力など自身の強みを把握することで営業活動の魅力を実感することにもなるはずです。

スキルマップを利用する

営業スキルは体系的に身につけることをおすすめします。扱う製品やサービスによって営業スキルの優先順位が異なるものの、営業の一般的な営業活動プロセスに求められるスキルは共通しています。スキルの全体像を把握することで何が足りないかを認識できるほか、自身の成長を実感できる効果もあり、モチベーションの向上とさらなる目標設定にも役立ちます。

営業スキルマップ

社内ナレッジ情報を共有する

社内における営業に関係する情報は、しっかりと確認しておきましょう。特に、成果を出している先輩の営業の進め方やプレゼン資料を共有することで多くの学びを得られます。それにより、自分との違いを発見して、営業のコツを自分の目で確かめるようにします。これには営業活動への同行も有効です。また、同行できなくても商談メモを見るだけでも気づきがあるはずです。

セミナーや勉強会に参加する

企業内で営業やマーケティングについての研修会があるなら、積極的に参加しましょう。また、社外で実施されている自己啓発セミナーなどにも参加してみると良いでしょう。自分や同じ会社の中では見られない斬新なアプローチ法や、ターゲットの分析手法などに触れる機会となり刺激を得られます。その他、営業に関する書籍やインターネット上の情報に触れ、スキル向上に取り組むことが効果的です。

アドバイスをもらう

自分一人ではどうしても狭い世界に縛られてしまうことがあります。また、プレゼンや商談の際に、自分では気が付かない癖や弱みが出てしまっていることもあります。そうした点を矯正するためには、先輩や上司にアドバイスを求めるのが有効です。営業成績が良い同僚に、営業活動で意識していることを聞いてみるのも良いでしょう。アドバイスをもらうことに否定的な感情があるかもしれませんが、アドバイスが成長のヒントになると考え積極的に周囲の声に耳を傾けることをおすすめします。

外部研修を受講する

社外研修には様々なメリットがあります。その良さを生かすためには丸投げするのではなく、担当者と打ち合わせを綿密に行うことが重要です。また、委託業者そのものの選定も重要なポイントです。成功させるためのカギのいくつかを考えてみましょう。

営業スキルを体系化しているか?

それぞれの委託会社で得意としている指導内容というものがあります。まずは、その内容を見せてもらうようにします。その上で、個別のスキルのみに特化したものなのか、体系的に総合力を高める指導をしてくれるのかを確認しましょう。営業研修は定期的に行い、体系的な指導をすることが多いので、やはり体系化されたカリキュラムを持っている企業を選択することをお勧めします。

講師自身に営業経験があるか?

マーケットの分析や教育指導に強いプロ講師でも、営業経験がない人もいます。もちろん、それで売り上げに直結する成果の出る教育をしてくれる講師もたくさんいます。そのため、講師に営業経験があるかというのは必須条件ではありません。しかし、少なくても現場で活用する実用的なスキルについて教育してもらうのであれば、やはり営業経験があった方が良いでしょう。実績のある講師だということを知ると、参加者も学ぶ姿勢が強くなるからです。また、現場を知らないと生まれてこない発想というのもあります。

多くの場合、研修代行会社は複数の講師を派遣しますので、それぞれがどんな経歴を持っているのかを確かめるようにしましょう。その上で、研修内容に応じて講師をどのように配置していくのかということもチェックしておくことも重要です。

【驚異のリピート率を誇る】Sherpaworksの営業スキル研修

営業スキルを体系的に強化したい・習得したスキルを定着させたいという企業様向けトレーニングです。下記に一例を掲載しました。

『営業スキルトレーニング』
ハイパフォーマーの共通特性を分析し、それに行動科学や心理学の要素を反映させた体系的な営業スキルを習得します。
顧客との長期的なWIN-WINの関係性を構築し、継続的に成果を出し続ける営業を育成するために必要なスキル要素を体系的に習得することを目的として設計したプログラム。ぜひご活用ください。

【まとめ】営業スキルアップのポイントを逃さない

営業活動においては様々な営業スキルが必要となりますが、それらのスキルを磨くためには自身の現状を認識し、成長に向けて適切な目標を設定することが必要です。ただし、自分自身だけで取り組んでいると視野が狭くなり、成長の機会を逃すことになります。そのため社外研修や社内のOJTを活用して効果的にスキルアップを図ることをおすすめします。また、普段からお客様や自社に関する情報を意識して収集するようにし、お客様から信頼される営業担当者を目指すことで、スキルの高い営業人材へと成長できます。