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2019/03/13

営業マネジメントシリーズ①
ビジョンマネジメント

 

営業組織や営業力の強化において、営業マネジメントが重要であることは言うまでもありません。その一方で「しっかり営業マネジメントを行っている」と言いつつ、実態は「営業管理」で終わっており、「営業マネジメント」になっていない現状も見受けられます。

「営業管理」とは、言うなれば「数値管理」「プロセス管理」に留まっている状態です。

強く、活き活きした営業組織にしたい場合、マネジャーやリーダーに求められるのは、単なる数値・プロセスの管理だけではなく、戦略的視点をもって行くべき方向性を示し、人・組織を鍛えながら数値やプロセスを見える化し、伸びシロ(課題)は継続改善しつつ成果を最大化していく総合的なマネジメント=営業マネジメントです。そこで、このeBookでは今回から7回にわたり、改めて「営業マネジメント」について取り上げていきたいと思います。

第1回は、ビジョンを創出することの必要性とは何か、そしてビジョン立案のステップはどのように進めていくと良いのかを紹介していきます。

eBook:【ビジョンマネジメント】については、こちら

 

 

なぜビジョンは必要なのか?

ビジョンとは、自社・自部門・自チームとして中長期的に目指すべき将来の方向性、実現したい未来の姿を明文化したものです。よくビジョンとミッションは混同されますが、ミッションが果たすべき使命であり、存在意義を明らかにしたものであるのに対し、ビジョンとは「●●までに、こうありたい」という目指すゴールを明らかにしたものです。

人は「こうならなければいけない」という義務感だけでモチベーション高く継続的に成果を上げ続けていくことはできません。また、「こうならなければいけない」という義務感だけにもとづいて営業戦略を立てた場合、ともすれば「目標数値の達成」、「数字がつくれたかどうか」だけにゴールが置かれ、メンバーはいずれ疲弊し、達成意欲も薄れていく可能性があります。

それを避けるためにも、チームとして目指すべき「ありたい姿」は必要です。その理想に向かって人は頑張ろうとする気持ちが生まれてくるからです。

チームとして結束し、一丸となって「数値だけではない、ありたい姿の実現」に向かって進んでいくために必要となる目標、それがビジョンといってもよいでしょう。ですから、ビジョンは夢を感じるもの、ワクワクするものであることが大切です。加えて、下記の要素も満たしておく必要があります。

  • 社会的意義がある
  • 中長期(3~5年)な姿が明確である
  • 達成できたかを判断できる尺度がある

ビジョンはこの3つの要素が盛り込まれており、チームメンバーはじめ組織の誰もがわかりやすくイメージできるよう、明文化されていることも求められます。

 

ソフトバンクグループ創業者の孫正義さんもこのように言っています。

「近くを見るから船酔いするんです。100キロ先を見てれば景色は絶対にぶれない。ビジョンがあれば、少々の嵐にもへこたれません」

 

営業ビジョンを立案するための具体的なステップ

では、営業チームのビジョンはどのように創り出していけばよいのでしょうか。ここからは具体的な立案のステップに触れていきます。ビジョン立案は以下のチャートのような流れで進めていきますが、そのための前提条件が2点あります。

1つ目は、マネジャー自身がチームを2-3年後にどのような姿にしたいか、将来も見据えイメージすることが重要です。社内でベンチマークできるチームや他業界を参考にしても構いません。

まずは、目指す姿を想うことから始まるのです。

2つ目は、これからビジョンを一緒に作りたいという思いを部下に伝え、参画を促すことです。いくら魅力的なビジョンができても、マネジャーだけで考えた事は、メンバーからすると所詮他人事です。上司の独り善がりや空回りにならないように部下を巻き込むことが大切です。

 

以上を踏まえ、次ページからビジョンを立案するステップを詳しく説明していきます。

 

STEP1:全社ビジョン・方針を深く理解する

全社ビジョン・方針について理解するとは、全社のビジョンや経営方針などがつくられた背景と状況まで考え、その意図をしっかり把握しておくということです。それにはまず、そこに書かれている文言の意味を「なぜ、このような表現にしたのか」と自らに問いかけ考えていくことから始めます。たとえば「なぜ、お客様の笑顔と表現されたのか」「なぜ、真摯なそれにはまず、そこに書かれている文言の意味を「なぜ、このような表現にしたのか」と自らに問いかけ考えていくことから始めます。たとえば「なぜ、お客様の笑顔と表現されたのか」「なぜ、真摯な態度でと表現されたのか」といったことです。態度でと表現されたのか」といったことです。

次に、全社のビジョンが達成されたとき、ステークホルダー(利害関係者)にどのような価値がもたらされるかを考えます。「お客様」「仕入先」「株主」「自社」「部下」「自身」などを切り口として各々にとっての意義(やりがい・喜び)を思い浮かべてみるとよいでしょう。

 

STEP2:外部環境の変化を把握する

チームビジョンは、中長期的な未来の事業環境を想定し、あるべき姿を示していくものでもあります。したがって、外部環境がどのように変化し、それが自社のビジネスにどのような影響を与えるかについて考えなければなりません。その出発点としては、外部環境の変化を見るための代表的な切り口として「PEST」の視点を活用してみましょう。

  • P:Political(政治的な変化)
  • E:Economical(経済的な変化)
  • S:Social(社会的な変化)
  • T:Technical(技術的な変化)

外部環境変化について視野を広げて網羅した上で、さらに自社のビジネスへ及ぼす影響(プラス要因・マイナス要因)をロジカルに整理するとよいでしょう。

 

STEP3:互いの想いと目指す姿を共有する

チームをどのような姿にしたいかについて、自らの想いとメンバーの想いとをしっかりと共有しながら具体的に固めていきます。

たとえば、次のような方法も参考にしてチーム内で対話を進めるとよいでしょう。

2~3年の年月日をどこかに決めて、その時点における「ありたい姿」を具体的にイメージします。

その際、お客様とメンバーあるいは、家族などとの会話(相手から言ってもらいたい言葉)を映画のワンシーンのようにイラストを用いて、ビジュアルに表現すると達成イメージと意義などが鮮明になりお互いに共感し合えるので効果的です。

このようにお互いの想いを表現し合うことによって 「ありたい姿」が目に見える形になり、チーム内の一体感やコミットメント(当事者意識にもとづいた達成志向)が醸成されます。さらに「ありたい姿」実現に向けて困難を乗り越える持続的な実行力につながります。

 

STEP4:自社/チームの強みを明確化する

ここでは、競争優位性があり自社の独自性を生かしたチームビジョンを策定するため、たとえば、右のように競合他社と比較した自社/チームの強みを〇△×で評価します。

まず、自社の強みについては「経営管理」「人的資源管理」「技術開発・調達」「バリューチェーン」「ブランドイメージ」などを切り口で検討するとよいでしょう。

次にチームの強みについては、たとえば「お客様の理解」「有益な情報交換」「ニーズ共有と解決提案」「製品/サービスの提供価値」「アフターフォロー体制」などの切り口から検討してみてください。

また、自社/チームの強みを生み出してきた歴史的背景や「組織的な価値観」などから該当する切り口を抽出することで、自社/チームらしさを打ち出せます。

なお、〇△×評価を行う際は、チーム内の検討に止まらず、社内関係者にヒアリングすると共に、重点顧客(できれば、取引が長く、耳の痛いことも言ってくださる方)に協力いただき、情報収集することで独り善がりにならず客観的に明確化できます。

 

STEP5:上位者と想いを共有する

未来に向かって力強く進んでいくために、上位部門がどのような背景や経営判断にもとづき、そのようなビジョン・方針としたかを知るため、上位者と率直に話し合い、お互いの想いや意図を共有しておきます。

まず、これまでチーム内で検討してきたSTEP1~4の経緯と共に右のような成果物も示しながら、自らの想いを伝えてください。

次に、上位者のビジョン・方針についての再確認を兼ねて、以下のような質問を準備して上位者の想いを聞き取ってください。

  • 上位ビジョンの意義(ステークホルダー各々にとっての価値)について
  • 上位ビジョンの実現性(実現のためにチームに求める思考・行動)について
  • ビジョンに込めた「こだわり」について

最後に、互いの想いを共有した上でチームビジョンに対するコメントや助言を求め、合意した内容を反映したチームビジョンを仕上げていきます。

 

STEP6:ビジョンを明文化する

STEP1~5までの検討が終わったら最後にチームのビジョンを明文化します。明文化に際しては、以下の要素を盛り込んでいきましょう。

  • 期限/いつまでに(3~5年の範囲で設定する)
  • お客様への提供価値/何をどのように
  • 主要なステークホルダーからの評価/どういう声をいただきたいか
  • 具体的な業績目標/どこまで(売上高・利益額・シェアなど)

たとえば、右のようなある日用雑貨卸会社のビジョンステートメントを参照しながら明文化してみてください。それによって、上位者の期待感およびメンバーの達成意欲を引き出し、チームとしての一体感が醸成されるでしょう。

 

まとめ

チームビジョンをつくることは、ある時点までに「こうなっていたい」と考える到達点を明らかにすることです。チームとして目指すゴールが明確になっていると、現在の状況と比べたときに何が足りないか、どこに問題や課題があるのかが把握しやすくなります。

そういったゴールと現状との「ギャップ」を埋めるためのシナリオ(打開策)が営業戦略であり、その戦略実行に必要なことが人・組織・顧客・市場・活動プロセスに対するマネジメントといえます。言い換えれば、ビジョンの立案とは営業マネジメントの出発点でもあるのです。

ぜひ、メンバー全員と共有できるよう周囲を巻き込み、メンバーはもちろん自身としても思いを込めた理想の姿をカタチにしていってください。未来に夢を抱きワクワクしながら!

 

eBook:【ビジョンマネジメント】については、こちら

 

 

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